楠木side
衝撃的な場面を見てしまい頭にガツンと鉄パイプでも殴られたかのように痛み始めその場で動けなくなってしまったが……、そっか、そうだよな。
ははっと乾いた笑みが出る。
アイツはこの町の英雄であり、テッペンだ。
陰でしか生きられない俺らと違う……。
陰は陽と共存出来ない、何でそんな簡単な事…忘れてたんだろうな……。
俺は踵を返し拠点へ戻る。
何度か俺のスマホにアイツからの連絡が来てたが無視した。
取り敢えず今は何もしたくないし、考えたくもない。
拠点には俺1人、下っ端には帰らせた。
このままだと八つ当たりしそうだったから。
何度かの通知後に着信に変わった。
勿論それはアイツからで……。
横目に確認しながらタバコを吸い酒を呑む。
そしてスマホの電源を落とした。
五月蝿いのは要らない。
梅宮side
おかしい…、楠木は確かにそんなに返信はしないがメッセージを何度か送れば少なからず帰ってくるはず…なのに未だに連絡が無い……、もしやまた楠木に何かあったのでは……?
こうしちゃ居られないと楠木が拠点としている町の境に向かうと…。
梅宮「え、お前らどうしたんだ?」
境には楠木のグループの奴らが居た。
下っ端「どうしたもねぇよ!!楠木さん辛そうにして今日帰って来たんだぞ!?全然アンタと逢えないからって俺らが昼間に送り出したら……、楠木さんッ、辛そうに帰ってきて……、理由も話さず俺らを拠点から出したんだ……。お前が何かしたんだろ!?」
待て待て、状況が読み込めない……。
楠木が……風鈴に来た???
初耳なんだが?
梅宮「ちょっと待て、楠木が俺に逢いに?本当かッ!?」
下っ端「そうだって言ってんだろ!!なのにあんな顔で帰ってくるなんて……最低だよアンタ。」
梅宮「……楠木はまだ拠点に居るんだよな?」
下っ端「…多分、俺らは拠点で住んでるようなもんだから…、帰るとこねぇし…ここに居りゃアンタが来ると思ったから待ってたんだ…。俺らのボスを悲しませた罰どうしてくれんだよ。」
梅宮「これから話つけに行く、だから通してくれ。絶対に解決するから。」
ザワザワと話し合った結果
下っ端「……分かった、俺らじゃ楠木さんの相手にもなれねぇし、隣にも立てねぇ。恋人のアンタに任せる……けど、次また同じ様なことしたら俺ら許さねぇから。」
梅宮「おう!絶対次はねぇよ、俺がそうさせないし、何より逃がすつもりもねぇから。」
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