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「はぁ…」
溜息をつき息が白くなっているのを見る。もうそんな季節か。
家に帰りベットの上で惰眠を貪る。そんな毎日を繰り返すある日にメッセージの通知がきていた。
重い瞼を開きボヤけるピントの中通知を開く。
『ハッピーバースデー』
それだけだった。たった一文。
そのメッセージを見て自分が今日誕生日だったことを思い出す。
しばらくメッセージを眺めボーっとする。
そこである事に気付いた。
…誰からのメッセージだ?
俺はこの連絡先を知らない。そもそも連絡が来るなんて1年に1度あるかないかだ。
友人は少なく更に誕生日を祝ってくれる人など皆目見当もつかない。
まあいいか。誰だとしても。一応返信くらいはしとくかと思いメッセージを打ち込む。それが既読になることは無かった。
そんな出来事も忘れていた1年後。やはりまたメッセージが来る。
『ハッピーバースデー』
俺は苦笑する。そう言えばこんなやつもいたな。1年に1度しかメッセージを送らないbotなんじゃないか。と妄想する。下らないな、と思いつつも一応返信はしとく。一応。
半年ほどだったある日、ふとメッセージのことを思い出した。前回送った返信は既読になっていない。相手がまたメッセージを送ってくるかも分からない。そもそも誰かすらも知らない。それを知ったところで何も変わらないだろう。
ただ何故か俺は誕生日が待ち遠しくて仕方がない