さゆり

（食べるの！？食べないの？！しっかり食餌取らないとオムツも卒業できないわよ！）

胸に刺さる言葉を言われてしまった。

（すいません…食欲なくて…）

そう言うのが精一杯だった。

それと同時に片付けられていく。

（そろそろ帰らないと、でも帰る前におしっこはない？）

（オムツ変えさせてもらう？）

なんでそんな事言うの…

と思うさゆりではあった。

（オムツなんて濡れてるはずないじゃな……ぃ……）

と

えっ、えっ…えっっっ

突然、下腹部に走る違和感に気を取られ

（ちがうわ！これは汗よ！冷や汗だよきっと！！）

脳内を高速で回転させ言い訳を考える……

ものの、汗、としか案が出てこず途方に暮れてしまう。

（どうなの？おしっこしちゃったってことはないでしょ？オムツ外してあげるからトイレ借りてきなさい）

無造作にワンピースの裾を捲り上げ、幼児デザインのおむつカバーがあらわにされてしまい、

バレてなるかと両足を閉じておむつカバーを外すことを拒ませる。

（なにしてるの！早くしないとほんとにおもらししちゃうんでしょ！）

足首をグッと掴まれると前から転んださゆり。

（先生さすがに可哀想ですよ）

周りにいた保育士がフォローする。

（あ、ごめんね。痛かったね、自分でおしっこ行ける？）

と言われても身動きを取らないさゆりの体。

転んだ衝撃でオムツを濡らし始めていたおもらしが始まったのだから動けるわけもなかった。

その事にすぐに気づいた周りの保育士たち。

（先生、もしかしてこの子……）

顔を見合わす保育士たち。