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私=さな
彼=せい
「次、会えるの2ヶ月後かー長いかな? 」
と言う彼に
「余裕でしょ! 」
と笑って私は答える。
「えー長くない?」
「あ、次の月3連休あるよ?」
とまたしてもいつものノリで次の日が仕事だと言うのに深夜2時まで電話をする。
「遊園地行かん?」
深夜テンションの彼から出た言葉だけど
私も深夜テンションなので
「行く!!!」と即答である。
あれよあれよとトントン拍子に話は進み1週間も経たないうちに遊園地のチケットとホテルを予約してしまうのだから自分たちの行動力には毎度脱帽である。
「てか、、、節約よ?節約!お金貯めんと!」
予定を決めたが我に返りあの時の深夜テンションが嘘のように話が決まってからももんもんとこんな話をするのもいつものことである。
実際彼もノリで誘ったらしい。
(いや。知ってるよ。笑)
「新幹線は高いからヤコバね!」と2人で夜行バスを予約する。
言い忘れていたが遠距離なので当然乗り込むのは別のバスである。
なんだかんだ話していたらお互い仕事が忙しくなりあっという間に旅行当日になっているのは旅行あるあるだろうか。
旅行前、少し喧嘩をしてしまったのも楽しみ故のものなので仕方がないとも思いいつつここを借りてまたしてもお詫びを。
(あの時はごめんね。いつもありがとうね)
心の中でお詫びを済ませたところで
私は夜行バスに乗り込む。
1時間ほど前にバスに乗った彼へ今乗ったとメッセージを送るとすぐに返信が来た。
「気を付けてね!」とのこと。
何時まで話したか覚えていないが久々のデートなのにメイクと髪を休憩時間の15分で済ませなくてはならないミッションに怯えながら最後の休憩所まで目を瞑る。
幸いにも私の体内時計は完璧で最後の休憩が始まった頃に目を覚まし全力でメイクと髪を済ませた。
あと1時間半で彼に会えると胸をうずうずさせていたら彼から今着いたと連絡が来た。
駅での待ち合わせで顔を合わせた時、友達関係のように少しぎこちなくなるのは、まだ手も繋いでいないからだろうか。
「おはよ。。もうメイクも髪もだめだめだよー。 」
「おはよ。そんなことないやろ。」
「ロッカーねさっきみつけたよー」
「ほんと?んじゃ行こうか」
遠恋の2人の旅はここからがスタートである。
「てか、まじ楽しみ 」
「ほんまね!」
他愛でもない話をしながら遊園地に向かう。
「ちょっと。。。これすごい人やん」
と彼に問いかけると
「これさあの奥まで人やろ」
と更に奥のゲートを指さす。
どこかぎこちなくゲートを抜ける。
いつのタイミングで手を繋いだのか分からないが遊園地に入ってから1時間ほど経ってからだった気もする。
遊園地の乗り物の待ち時間。
カップルがいちばんぎこちなくなる時間でもあるらしい。
実際に数組ほどけんかしているのを見た。
私たちもここでけんかをするのかと少々ドキドキしていたが先程勇気を出して繋いだ手のおかげか待ち時間は、いつもより仲良くなれた。
「ここ来たことある?」なんてことは彼へ聞く必要がないのは、彼とは小学生からの同級生で小学生の頃も中学生の頃も修学旅行の行き先が同じだからだ。とは言ってもこの遊園地も私たちが中学生だった頃から随分と変わってしまった。懐かしい乗り物は2、3個しか残っておらずどこか寂しくも感じていた。
けどずっと楽しかったのは彼と2人で来るのが初めてだったからだろうか。
遊園地の時間は待ち時間が6割ほどなのであっという間。閉園が近づきホテルへ向かう。最後ゲートから出るところで
「楽しかった!また来ようね!いつかね!」と満面の笑みで言ってくれた彼のおかげでその日の疲れは吹き飛んだことに間違いない。
遊園地を出れば現実世界に引き戻されてしまうが夜から活き活きする街があるのがこの地域の特徴である。
1度ホテルに行き20時頃に外に出る。
「さな、準備できた?携帯の充電もたまった?」
「うん!いけそう!せいも行ける?」
「俺は全然いつでも大丈夫よ。」
「行こ!美味しいものいっぱい食べよー!」
「太るなー」
なんて呑気に行く街は1週間前に殺人事件があったばかりで少し不安だったが人もそこそこ居てご飯屋さんも並ばず楽しめた。
「食べ過ぎた。。。ちょっと休む?」
「休もうかな。。少し歩こうか」
などと言っている間に日をまたぐ時間になってしまった。
また明日ゆっくりここに来ようと言いながらホテルに戻る。
疲れていたからか深夜1時には寝てしまっていた。
「さなーさなちゃーん?」
「せいー?おはよー」
「おはよ。起きれそう?」
「起きれるよー。寝坊しちゃった?」
「ううん。大丈夫よ。」
朝になり、今日は少し離れた場所に足をのばす。寝ぼけた私たちは、とりあえず寝癖を直し身支度を済ませて駅に向かう。
海外のような雰囲気のあるところに行く予定だがモチーフになった国のことをよく知らないので何となくオシャレそうに写真を撮り何となく説明を聞いて、それっぽい感性で対応するのがなんとも私たちらしい。
「かわいい!きれい!すごくない?」
「すごいねー。」
と語彙力が幼くなるのもきっとよく分かってないからだろう。
少し背伸びをしてお昼から外で度数の高いビールを飲むのもまだ私たちには早かったかもしれない。
ただそんな私たちでも美味しいと思うビールはきっととびきり美味しいものだったのかも。(もう少し味わって飲めば良かったな。)
「さなー次さここ行く?まだ時間あるよ?」
「行きたい!せいはいいの?そこでも!」
「俺はどこでもいいよー!行こっか! 」
「行く!」
場所を変えて行くのは食べ歩きの街。
食べたいものは全部で5つ。(4つは私の食べたいもの。)
「さな?そんな食べれる?」
「食べれるもん!食べるもん!食べていい?」
「いっぱい食べな!」
食べれる?と聞いながら毎回好きなものを好きなだけ食べさせてくれる彼には感謝しかない。
「せいも食べたいもの言ってね?」
「わかったよー」
なんて言うけどお腹は無限じゃないので夜のために2人とも少しお腹に隙間を開けて昨日の街に戻る。
「よし。。。せい。食べるよ!」
「いやいや、さないける?」
「もちろん!!!。。。。お腹ちょっといっぱい。」
「だよね??軽く食べれるものをちょっとずつ食べようか!」
といつも私を抑制して私の気持ちを最大限に引き出してくれる彼はきっと天才である。
「あっ。そろそろ。」
ご飯も食べてゲーセンにも行ったところで帰りの夜行バスの時間が近づいていることに気づく。
「帰りたくないかも。」
「俺も帰りたくないよ?また会お?」
「またね。。。次は1ヶ月後?」
「そうだね。気をつけて帰るんだよ?」
「うん。わかった。」
「悲しくならないよ!もう少しやし楽しも!」
道端には誰かに捨てられて踏まれた吸殻、無理矢理詰め込まれたゴミ箱、そして空き缶たち。
雑に見えるこの街は私たちの距離をぐっと近づけてくれた。
まだ眠らないこの街をあとにする。
少し足りないと思いながらも彼からの「また来よう」を信じて夜行バスに乗り込む。
バスで遠ざかっていくその距離を次はどうやって埋めようなんて考えている間に
気をつけて帰るんだよ。ゆっくり休んでねおやすみ。と彼からメッセージが届く。
私は不安にも寂しくもならなくていいと心のどこかで思う気持ちも連れて帰る。
朝日が昇るころ地元に着く。
目が覚めるとおはよーとまた彼からメッセージが届いている。
この遠距離恋愛。
不安にも寂しくもなっている暇なんてない早く彼のそばに行けるように頑張ろうと会う度に再確認する。
そして今日の昼も夜も明日も彼からメッセージが届く。
あの街は雑に見えてきっと色んな思いが集まった街なんだと帰ってから思う。
「また行けたらいいね。いいえ。必ずまた行きましょ。」
次はどこへ行こうかな。なんてもう行く場所が決まってるのも私たちらしくていいじゃない?