テラーノベル
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暗い。
完全に辺りは真っ暗になってしまった。
流石に、この時間になると少し肌寒さを感じる。帰ら、ないと、、、
帰るということを意識すると、やっぱり、心が重くなる。
帰りたくない。
それでも、足は進む。
あぁ、、、
どんっ、と構える大きな門構え。
外観は白い三階建ての豪華な家。
今日も、最大の地獄が始まる。
「ただい………」
「お前になにが分かるんだッ!!」
私に向けられたわけでもないのに、思わず肩が震えた。
手が小刻みに震え出す。
「ごめんさない、ごめんなさい」
声を震わせて謝り続けるのは、きっとお母さん。そして、怒鳴り続けるのは、………お義父さんだ。
今日は、ううん、今日も、夕飯は、抜きだな…。
そんなことをぼんやりと考えながら、自室までの階段を音を立てぬようにこっそりと上る。
この家に、私がいて良い理由はない。
この家に、私の居場所はない。
邪魔なだけ。
生きてるだけ邪魔なだけ。
そんな存在。
誰からも必要とされず、私が死んでも悲しむ人は誰一人いない。
そんな私。
死にたいけど、弱虫な私には出来っこない。
ずっと、生涯、一生、脇役なんだ……。
布団に顔を埋めていると、段々と眠くなってきて、いつの間にか眠りに墜ちていた。
コメント
7件
最高です!可哀想だな
可哀想だけど面白かった!
完璧ッッッ! お姉ちゃんの出番は、…ないね(泣)