テラーノベル
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死パロ
※ご本人様には関係ありません
※キャラ崩壊あり
もっと早く気づいてれば…
もっとちゃんと見てれば…
もっと向き合って話してれば…
side元貴
辛い
苦しい
きつい
悲しい
寂しい
どうしたらいい?
この痛みをどうやって消せば良い、?
誰にも話せない
今日も机に向かってただ1人で曲を書いて
リリースしたらコメント欄にはキモいと言う言葉が必ずあって
休め休めってみんな言う割には
活動休止したら早く復帰しろって言って
「大森元貴は天才!」
なにが…?どこが…?天才?
全部努力だって
なんで誰も認めてくれないの
なんでみんな置いていくの
なんで誰も僕の気持ちをわかってくれないの
不安と怒りの海に沈んだ僕は
薬に手を出してしまった
side若井
最近元貴の様子がおかしい
疲労が溜まっているのだろうか
聞いても「大丈夫」と返すあの元貴の瞳は本当だろうか
今日もリハの途中で
「ちょっとトイレ」
といってぬけた君の表情は曇っていた
ポケットに手を突っ込んでいったよね
あれはなんなんだろう
今まであんな仕草見たことない
「元貴、ちょっと話したいことあるんだけど…」
「なに?」
「最近なんか元貴…」
「ごめんあとで」
心配して話しかけるとあとでと言って逃げるようにどこかへ行く
どうしたんだろう…
俺の頭では考えても考えてもどうしたら良いのか答えが出せなかった
8月30日
side元貴
「はぁはぁはぁ…かひゅっはぁっ、」
今日も独り
いつものように過呼吸になり
でもその苦しさがまだ生きてるって思える材料でもある
隣にある小さな机に手を伸ばして
粉状の薬を水で溶かし注射器で吸い上げる
「ふぅ……っ、」
針を自分の腕に向けて刺しこみ液体を体の中に入れる
「はぁ……ん…」
この薬が僕の生きるための薬でもあるから…
神様…許して
僕にはもうこれしかできないんです
生き方がわからないんです
あの世に行けば…楽になれるでしょうか
メンバーには怒られるかな
ファンが悲しむのかな
そんなこと考えられないほど息がしにくいんです
どうか…どうか許してください
時刻は午後11時50分
もうすぐ日が回る
あと1日…生きてみようかな
注射の跡を見ながら枕を湿らせた。
8月31日 午後11時58分
やっとだね…やっと、
今日は頑張った
僕、頑張ったよね
ちゃんとメンバーにもいつもありがとうねって言えたし
なんとか笑顔で過ごしたんだよ
褒めてよ…誰か慰めてよ…
小さな音がする
時計を見ると長針と短針が12を指して重なっている
9月1日。
僕はやり切った
頑張った
耐えた
僕は地獄行きかな
でも恐怖なんてない
今生きているよりも苦しいことは知らないから
深呼吸をして箱から薬をたくさん取り出す
水に粉をいつもより多く溶かし注射器で吸い上げ、左腕にさす
痛みは全く感じなかった
家にある頭痛薬も狂ったように全部飲んで
見たことのないサイトで購入した睡眠薬も全て飲んだ
足元には注射器や空の瓶が散らばっている
5分ほどすると頭とお腹が痛くなってきた
「う”っ、ぁあ”っ、はぁ、っ、」
あぁ、楽に死ねないのも神様からの罰かなぁ…笑
最後にXに一言だけ
「ばいばい🔥」
とつぶやく
すぐにいいねは100…200と増えていく
同じようにコメントの数も増えてきて
『何に対してのバイバイなんだろう…?』
『ビターバカンスの歌詞とか?』
『あの世に行くとか…考えすぎ?笑』
『絵文字はなんの意味が…?』
ふふっ
きっと僕が今薬に酔って痛みに耐えながら息をたとうとしているなんて誰も想像できないだろうなぁ
「ん”っ…い”ったぃなぁ…泣、僕そんなに悪いことっ”、したかなー、」
目の奥が痛む
少しずつ視界がぼやけ、自分の部屋の床に倒れる
これで…これでよかったんだ
さようなら
side 若井
さあ寝ようと思った時
ヴーとスマホがなる
「元貴のXか。」
少し気になり見てみると
ばいばい🔥
とだけ。
元貴はいろんな投稿しているからいつも不思議だなーと思いながら見ていたが
今回はなぜか嫌な予感がした
LINEに行って急いで元貴に連絡する
[元貴]
[夜遅くにごめん]
[Xの投稿見たけど大丈夫?]
それから数十分経っても既読はつかない
おかしい
あんなに既読がはやい元貴が…
でも寝ている可能性もある
無性に心配になり電話かけるが何回かけても応答はない
「…俺の考えすぎか、?」
涼ちゃんにもLINEしてみると
「俺も今元貴の家に向かってる」
と返信が来た
やっぱり嫌な予感はしてるんだ
スマホ、帽子、マスク、財布、元貴の家の合鍵をとって車に乗りエンジンをかけ走らせる
涼ちゃんは家が遠いが俺は15分ほどあればつく
早く…早く…
事故に気を付けながらも急いで向かった。
元貴の家に着いたのは0時40分頃
ドアをノックするがいつもの「はーい」と言う声は返ってこない
やっぱり何かおかしい
合鍵を使って家に入り元貴の名前を呼ぶが誰もいないのかと疑うほど静かだった
家に着いて10分ほどすると、すぐに涼ちゃんが家にきた
「若井早かったね」
「涼ちゃんも。ねぇ元貴呼んでも返事ないんだけど…」
元貴の家は広い。
2人で色々探して俺が元貴の部屋に入った。
絶対に入るなと言われたけどこればかりはその約束を破ることになる
そして部屋に入って見た光景は夢だと信じたいものだった
「ぁ”…あ…、っ、、あぁあぁ”ぁ!!!」
腰を抜かして泣き叫んでしまう
泣き声が聞こえたのか涼ちゃんも走ってきて部屋に入ると同じように口を開けて壁にもたれかかっている
俺の目にうつったのは
注射器や瓶が散乱した場所に青白くなって倒れている元貴だった
「りょうちゃ”、これっ”、泣」
「わかんない、わかんない、 」
「元貴っ”!!起きて!ねえ”!! 」
大きな声を出しても冷たい体を揺さぶっても目を閉じたままだった
「涼ちゃん…あのXのばいばいって…」
「くっそ…もっと早く気づいてれば…っ”」
あのあと救急車をすぐに呼んだがもう救急隊員の方がきた時点で脈がなかった
病院に着くと先生から死亡だと告げられた
「あぁあああぁ”!!!泣 」
「っ”ぐすっ、、うっ、泣」
涼ちゃんも泣き叫びたいはずなのに…。
年上だからと責任を感じたのか俺の背中をさすってくれた
次の日
大森元貴が死亡したとニュースで報道された
死亡の詳細は言わないでくれとお願いしたため、死因や薬のことは報道されずに済んだ
今日本で1番聴かれているバンドのボーカルが死んだことは日本中で騒ぎとなった
ごめん元貴
俺、気づけなかった
元貴が話を遮って逃げるように去っていくのも、
曇った表情をしているのも、
半袖を着なくなったのも、
全部そうだったんだね
ごめんね…ごめんね…ごめんね…
急にありがとうって伝えてきたのもそうだったのかな、?
ほんとにごめん…
それから俺たちは活動を休止した
元貴がいないとバンドは成立しない
お金は元貴のおかげで億とある
これからの生活で困ることはないだろうが、元貴がいないなら生きる気にならない
それでも涼ちゃんは「元貴の分まで…生きよう。元貴のためにも頑張ろう」
そう声をかけてくれる
「僕たちは3人でミセス。
1人でもかければミセスは成立しない」
元貴がよく言ってたな
元貴が命を断つのにどれだけ悩んだかと考えると胸がしめつけられる
これからどうやって生きていこうか
でも君のために。涼ちゃんと一緒に頑張るよ。ちゃんと見ててよね
そう元貴の笑った写真に向かって話しかけた
コメント
5件
最高過ぎます。この作品読んでリアルでガチ泣きしました。
いつかこうなっちゃうのかな…