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お昼ご飯を大学の食堂で食べることにした杏時(あんじ)、希誦(きしょう)
汝実(なみ)、芽流(める)の4人。それぞれ注文を終えて、席につく。
「うちの大学で派手髪って流来くんだけだよね」
「今んとこそうだね」
「みんな派手髪憧れとかはないの?」
「…」
「…」
希誦は憧れていたが口には出さなかった。
「一応汝実は派手髪の部類に入るんじゃないの?」
と杏時が言う。
「いやぁ〜?この色は派手髪には入らんでしょー」
と汝実がミルクティー色の髪を触りながら言う。
「そうなんだ?」
「そりゃ黒髪の杏時とか茶髪の芽流、しょうちゃんからしたら派手色かもだけど
派手髪と言ったら原色とか白とかじゃない?」
「そうなんだ?」
「まあ、そうかもね」
希誦も同意する。
「でも派手髪が似合うってそもそもの下地、顔もそこそこ良くないと浮くよねぇ〜」
「たしかに」
また希誦が同意する。
「その点しょうちゃんは似合いそう」
「え。そお?」
「うん」
「たしかに」
「うん」
杏時と芽流も頷く。ちょっと嬉しい希誦。
「そう考えると、やっぱ流来くんってカッコいい顔してるんだよねぇ〜」
「うん」
芽流が頷く。
「おぉ!芽流もそう思うかい?」
「なんだその口調」
「あぁ。いや。まあ、カッコ悪いとは思わないけどぉ〜…」
杏時、希誦、汝実が「?」顔で首を傾げる。
「あ、いやね。あのぉ〜…彼女さん?かなって」
「え!?マジ!?流来くん彼女いるの!?」
「うるさ」
「まあ…彼女いてもおかしくはないか…。え。でもなぜに?」
「あ、うん。実はさっきトイレ行ったときに、廊下で流来くんに黒髪の女の子が抱きついてて」
「あらあら。校内で大胆な」
「へぇ〜」
あまり関心がない希誦。
「可愛かった?」
「んん〜…顔は一瞬しか見れなかったけど、まあ…可愛かったかな?結構派手な色のリップしてた」
「おぉ?黒髪で派手リップかぁ〜。…臭いますなぁ〜」
「臭う?」
「そこはかとない清楚系ビ○チ臭」
「あぁ。なるほど。わからんでもない」
「素行調査するっきゃないな」
「は?」
「え?」
「え?」
唐突にヤバいことを言い出す汝実。
「素行調査?あの探偵とかがやるやつ?」
「そ」
「それを?」
「やる!」
「…。推されるほうもファンがこうなると迷惑千万だわな」
と言う希誦。
※推しに彼女がいるとか彼氏がいるとか、そういう疑惑が浮上しても
決して推しのプライベートに踏み込んではいけません。覗いてもいけません。
ライブやイベント事、公式に会える場で会いましょう。あとはSNS、配信、テレビなどで推しましょう。
“仮に”仮に!偶然プライベートの推しを見かけたときはその人それぞれの判断にお任せします。
遠くから見守るも良し。声をかけるもよし。
盗撮はダメですが、声をかけて許可をもらってから一緒に写真を撮りましょう。
SNSに掲載する際も許可が必要です。
ということで汝実は乗り気、杏時、希誦、芽流はやれやれという感じで
でも内心ワクワクしながら校内の探索に行くことに。まずはホールへ。
ホールは杏時、希誦、汝実、芽流が出会った、講義の受講の仕方などの説明を受けたホール。
大人数が入る場所で、このホールで行われる講義に関しては割と楽で緩い講義が多い。
そのホールでは次にそのホールで講義が行われなければ、生徒が寝ていたり、駄弁っていたりする。
お昼休憩の今はコンビニで買った食べ物、飲み物を持ち込んで1人で食べる者、友達と食べる者などがいる。
その他にも寝ている者、友達同士でゲームをする者などなど。
「んん〜…。イチャついているカップルはいるけどぉ〜…」
赤髪はいなかった。
「流来くんはいナスビ」
ということでホールを出る。今度は他の小さな講義室を見て回ることに。
特殊な機材などが置いてある講義室もあるが、そこには基本的に生徒は溜まっていない。
なので特に特徴のない講義室を見て回ることにした。出入り口から中を覗いて
「いない」
覗いて
「いない」
覗いて
「いない」
覗い
「いない」
覗
「いない!」
「もう諦めたらー?」
「でも…楽しくない?」
たしかに楽しかったので探索を続けた。
「なんか校内探検ってさ?小学生のとき男子がやってたけど」
「あぁ〜。やってたわ」
同意する希誦(きしょう)。
「なにが楽しいねんって思ってたけど、楽しいね?」
「たしかに」
同意する希誦、頷く杏時と芽流。
「次転生したら男子と一緒に校内探検やろ」
「おぉ〜。そんでもってあーなってこーなってそーなると」
指を空に向かって指す希誦。
「うん。清楚系ビ○チ臭がする」
「な!」
「あぁ。汝実(なみ)の髪色的には清楚系ではないか。ただのビ○チか」
「おい!ただのビ○チって!違うから!純粋な小学生同士の絡みだから!」
「おぉ。絡み。エロい響き」
「その発想は中学生男子じゃない?」
と言う汝実。全員で笑う。
「あ、ビ○チの部分は編集でダバダバって音入れてね?」
「は?編集?ダバダバ?なにを言ってんの?」
「まあまあ。探索探索ぅ〜」
校内探検を続けた。
「ワンチャン理科室的なところでイチャついてるかも。
人が来ないからこそ…あんなことやこんなこと…。背徳感!」
「思考がエロいわぁ〜」
ということで特殊な講義室も確認してみることに。
しかしどこにも赤髪と清楚系ビ○チと呼ばれている黒髪もいなかった。
「え。芽流、大学内で見たんよね?」
「うん」
「んん〜?どこ行った?神隠しか?」
「大学で?都内で?」
「神隠し都内とか関係あるん?」
「え、廊下で見たって言ってたっけ?」
と希誦が芽流に聞く。
「うん」
「1階?」
「うん。1階」
「なるほど。1階」
「「1階?」」
と疑問に思いながらも話ながら1階を歩く4人。
「んん〜?第一倉庫ー…第二倉庫ー…」
部屋の扉の上部から飛び出しているパネルを見ながら汝実が呟く。
「芽流が見たのはこっち側なんだね?」
希誦が芽流に確認する。
「うん」
「反対のほうは講義室あるけど、こっち講義ー…ないよね?」
と汝実が部屋の扉の上部から飛び出しているパネルを見ながら言う。
「ないのかな。そもそもこっち側来たことないからわからん」
希誦が言う。
「たしかに」
汝実が言い、芽流も頷く。杏時だけは心の中で
初日に来ました
と思っていた。そのまま歩いていく。
「…おぉ?美術室!うちの大学美大じゃないのに美術室なんてあるんだね」
「まあ、美大じゃなくても美術室くらいあるんじゃないの?知らんけど」
「ここにいなかったら」
汝実がドアノブを握る。
「神隠し決定!」
と言いながらドアノブを捻り、ドアを押し開ける。
「…お」
するとそこにはイーゼルの前に座る赤髪の流来、その流来に黒髪の子がなにかをあ〜んしているところだった。
ドアが開いた音に気づいて杏時、希誦、汝実、芽流を向く2人。
「あら」
「あらら」
「あぁ。ども」
「ども」
希誦が「ん?」と思い、黒髪の子の顔を目を細めてじっくり見る。
「…真…実田(まみた)…さん?」
「え?」
杏時、汝実、芽流が希誦のほうを向く。そして黒髪の子のほうを向く3人。
「あ、ども」
黒髪の子、もとい明空拝(みくば)が照れくさそうに軽く頭を下げる。
「…え?」
「おぉ」
「女の子かと思った」
「まあ、元から女顔ではあってけど」
「えぇーー!!」
汝実の驚き声が校内に響いた。