読み終わり幸せルンルンな気分でリビングに戻ると既に隆ちゃんはお風呂から出ていたみたいでハーフパンツに上半身裸、濡れた髪と首からタオル。ミネラルウォーターを飲んでいる途中だった。リアル男子でもこんな漫画みたいなお風呂上がりなのね、と少し興奮した。眼福眼福。
「漫画でも読んでた?」
「あ、うん、ごめんね。部屋で読んでたから」
「別にいいけど、リビングで読んだっていいんだからな、俺もどんなの読んでるのかちょっと気になるし」
「ふ、普通の少女漫画だよっ!!!」
漫画に興味を持ってくれるのは凄く嬉しいけれど、なんとも言えない気持ちになる。あんなおエロいシーンばかりある漫画見せたらヤバいよね……いや、それが私にとっては最高なんだけれども。
「ふーん、美桜の部屋の漫画から一冊選んできてもいい?」
「えええぇ!? いやいやいや、私が選んでくるよ!!!」
「いや、一緒に選ぼう」
何をそんなに一緒に見たいの!? 半ば強引に背中を押されてそのまま部屋まで来てしまった。
(いや、BLはまだ本棚に出してないから大丈夫だとしても、TLはめっちゃ並べてあるッッ)
もう諦めるしかない。まさか初日にバレてしまうとは……開き直って堂々と部屋の扉を開けた。
「……どうぞ、お好きに見てください」
隆ちゃんは真剣な目で漫画の並んでいる棚を端から見る。本棚を見ているはずなのになんだか自分の事を隅から隅まで見られているような感覚に襲われ、身体がじわじわと熱くなり、恥ずかしくなってきた。
「美桜」
緊張が身体を走る。一体何を言われてしまうんだろう。美桜って変態だな、とか?
「な、何?……」
「いや、凄い多いからどれがいいのかなって。これとかは?」
隆ちゃんが手に取ったのはまさかのTL漫画。いやいやそれ、口でゴムピリッと開ける定番のやつとか、むしろ男の人すんごい絶倫でやりまくってる漫画ですけど!? ゴムの残骸とかめっちゃ散らばっちゃってますけど!?
なーんて事は言えずに「ん、絵も綺麗だしいいんじゃないかな?」としか言えなかった。
「じゃあこれにするわ、リビング戻ろ」
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