1週間後――
「マキちゃんのぉ! 超ウルトラ必殺・スピニングロータスぅ!!」
新体操の大会当日。
マキは、見事に大技を決めていた。
「やった……。やったよ、コーチ! マキちゃん、出来たよ!!」
「おお……! よくやったな、マキ!」
抱き合う2人を見て、龍之介が拍手を送る。
(ここまで見事に技術力が向上するとは……。やはり新体操のセンスがある。いや、運動全般に対するセンスか……)
1週間前、龍之介はマキに対して『エロさが足りない』と指摘した。
一度はそのアドバイスに拒否反応を示した彼女だったが、龍之介が『エロさ』とは何たるかを懇切丁寧に実践したことで、ようやく納得してくれた。
そして、彼女は特訓の成果を大会本番にぶつけてみせたのだ。
「やったな、マキちゃん! おめでとう!!」
「りゅーさん……。ありがとうございますぅ!!」
龍之介が声をかけると、マキは満面の笑みを浮かべた。
新体操の大会で大技を成功させたことで、彼女の自信にも火が点いたらしい。
「りゅーさんのおかげですよぅ! マキちゃんが頑張れたのはぁ!」
「俺はアドバイスをしただけだ。それをきちんと実践したのは君自身だよ」
「それでも、ありがとうございますぅ!!」
2人は互いに礼を交わす。
その様子を見ていた女性コーチが、嬉しそうに告げる。
「今大会は、龍之介に助けられたな。この感触を、次の大会に繋げたいところだ。忘れないよう、定期的に2人での特訓を続けてくれないだろうか?」
「はい! もちろんです!」
「ちょっと恥ずかしいですけどぉ……。りゅーさんとの特訓は、マキちゃんも大歓迎ですぅ!」
女性コーチの言葉に、龍之介とマキは頷く。
そんな2人を見て、女性コーチが満足そうな笑みを浮かべるのだった。
「さぁ、今日の特訓を始めようか」
「はい! 今日もよろしくお願いしますぅ!!」
龍之介とマキは、第二体育館で向かい合っていた。
今日は2人での特訓である。
この場には龍之介とマキの2人しかいない。
「今日はどんな特訓をするんですかぁ? 前回は、かなり恥ずかしかったんですけどぉ……」
「そうだな……。前は全裸でリボンを振ってもらったが、そろそろ次の段階に行ってもいいかもしれん。というわけで……今回はこれを着てもらおうか」
龍之介はそう言うと、袋に入った衣服を手渡した。
「これはぁ?」
「特注のレオタードだ。今日はこれを着て、演技をしてみてもらおうと思っている」
「裸よりはマシですけどぉ……。これはこれで恥ずかしそうですぅ……」
マキは恥ずかしがりつつも、龍之介の目の前でレオタードに着替えていく。
「あの……りゅーさん?」
「ん? どうした?」
「そのぉ……。これ、胸とあそこのところに……何もないですぅ。これで演技をするのは、ちょっとぉ……」
「確かにそうだな。だが……よく似合っているぞ」
「あっ!?」
龍之介はそう言いながら、マキのレオタードを間近で見る。
純白のレオタードは、彼女のピンクの髪によく似合っていた。
そして、その大切なところだけがピンポイントで布地が切り取られ、素肌が見えてしまっている。
「あの……。こんな格好、逆に裸より恥ずかしいかもですぅ……。もう着替えてもいいでしょうかぁ……?」
「いや、そのまま続けてくれ」
「え!? そんなぁ……」
龍之介の言葉に、マキは困惑する。
だが、彼は気にせず続けた。
「これも特訓さ。だが、マキちゃんだけ恥ずかしい思いをするのは不公平だな。俺も、同じレオタードを着ることにするよ」
龍之介は袋から男子用のレオタードを取り出すと、その場で着替え始める。
それも、概ねマキの着ているレオタードと同じデザインだ。
「りゅーさん……。その格好で、演技をするつもりですかぁ?」
「そうだが……何か問題があるのか?」
「だってぇ……。ほらぁ……」
マキは頬を赤く染めながら、龍之介の股間を指す。
そこには――大きなアレがあった。
「ふふ……。見たければ、じっくり見てもいいんだぞ?」
「も、もうっ!!りゅーさん、エッチです!!」
マキが顔を赤くしながら叫ぶ。
だが、彼女はチラチラと龍之介の股間を見ては目を逸らしていた。
こうして、2人は特殊なレオタードを着た状態でトレーニングを始めるのだった。
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