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⚠︎龍×勇太です⚠︎
苦手な人はブラウザバックしてください。
※なんちゃって吸血鬼パロ
※吸血鬼×人間
※世界観適当、ダンスしてない
※付き合ってない
※口調迷子、色々捏造
メモでちまちま書いてた吸血鬼パロのまとめです。
⬇以下軽い人物設定
世界観は中世のヨーロッパをイメージしてますが割と適当です。
とりあえず吸血鬼(龍)×人間(勇太)だと分かればいいです。
■龍 (吸血鬼)
吸血鬼の世界では王族出身の王子。年齢は数えてないが人間の寿命は遥かに超えてる。
普段の見た目は青年だが、血に飢えてしまうと目が赤く染まる。
吸血鬼だが吸血行為が凄く苦手。何でも人を傷つけるのが嫌だった。
しかし吸血できない吸血鬼は恥だと、実家から勘当されてしまう。
■勇太 (人間)
どこにでもいるような平民出身の人間。現在は一人で細々暮らしている。
夜に街を歩いてたら吸血鬼である龍と出会う。吸血鬼の存在は知っていたが、半信半疑。
勇太の血はめちゃくちゃ美味しいらしい。
そして王族出身の龍に振り回されまくる。
─────────────
夜の森は、静謐だった。
風すら眠ったような深夜。
月光だけが銀色に枝葉を濡らし、闇を薄く切り裂いている。
その中心を、龍は一人で歩いていた。
黒い外套。
夜を溶かしたような黒髪。
そして、その前髪の隙間から覗くのは人ならざる紅い瞳。
そう、それこそ吸血鬼。
しかも、ただの吸血鬼ではない。
古い血統を継ぐ、王族階級。
本来なら豪奢な城で傅かれ、幾百もの眷属に囲まれて生きる存在”だった”。
「……くだらな。」
龍は小さく吐き捨てる。
彼は物心がついた頃から“吸血”が苦手だった。
吸血鬼にとって血を啜る行為は、本能であり、歓楽であり、生存そのもの。
それは切っても切れないものだ。
だが龍はそれを嫌悪していた。
他者へ牙を立てる感覚も。
熱い血液が喉を流れ込む感触も。
吸われる側の怯えた目も。
何もかもが苦手だった。そんな思考はすぐに周りにバレてしまった。
当然、一族からは異端扱いされた。
「王族の恥」
「欠陥品」
「出来損ない」
浴びせられた言葉など、もう数え切れない。
そして最終的には─────
『お前はもう用済みだ』
所謂、勘当された。
もっとも、完全に放逐されたわけではない。
王族ゆえ、資産は腐るほどある。いざという時は密かに隠し持っていたアクセサリーを売り捌けばいい。
余程の贅沢をしなければ一生暮らせるであろう資金を持って夜の世界へ飛び出した。
そのため現在は、人里離れた別荘で一人暮らしをしていた。
同族である吸血鬼は勿論、誰とも関わらず。
誰の血も吸わず。
ある程度血液パックは持参していたがすぐに底を尽きてしまう。
ただ静かに。
飢えを誤魔化しながら耐え凌いでいた。
だが限界を迎えたその夜のこと。
全てが狂った。
─────────────
「……っ」
静かに森の中を歩く龍の足が忽然と止まる。
風に混ざった独特の匂い。
甘い匂いがする。
温かい。
鮮烈な生命の匂い。
もう何年何十年ぶりか分からない、生身の人間の匂いだった。
しかも、異様なほど美味そうな。
龍の喉が熱が籠ったかのように酷く焼けつく。
(……やばい)
理性が警鐘を鳴らす。ダメだ、と。
人を襲いたくないという気持ちがあるのに、匂いが激しく感情を揺さぶってくる。
既に遅かった。
視界の先に森の小道を、一人の青年が歩いていた。
こんな夜中に人間が歩いてるなんて初めてだ。
しかも森の中なんて何がいるか分からない。
少し華奢な体型をしているが、そんなことはどうでもよかった。
人間だ。
龍の瞳がさらに紅く染まる。
呼吸が荒くなる。
腹の奥が空っぽになるような飢餓感。
「っ……」
止まれ。
行くな。
近づくな。
そう思っているのに、身体が勝手に動いた。
ゆっくり、気配を消して近づく。
そして、青年が何かに気づき後ろを振り返ったタイミングで腕を掴んだ。
「えっ!?」
そのまま木へ一気に押し付けられる。
一瞬息が詰まり、咳き込みながら顔をあげる。
「ちょ、な、何!?」
目の前には、見たこともない美貌の男が青年を押さえていた。
服装は高貴のようなもので何か紋章のようなものがある。ネックレスやら色々あるがこんな所に貴族が歩いてるなんておかしい。
それに、目の前の男の様子がおかしい。
呼吸が乱れている。
瞳が血のように真っ赤に染められている。充血とかそういった類ではない。
もっと、人間とかけ離れたかのような瞳だった。
青年は咄嗟に吸血鬼だと分かった。ただ小さい頃、両親が存命だった頃。絵本でチラッと出てきていたのを思い出す。
だが、所詮はおとぎ話に過ぎないと勝手に考えていた。
目の前に立っている男性を見て思わず唾を飲み込む。
(本当に……存在してたんだ。)
「……っ」
一方、龍はもうとうの昔から限界だった。
この人間の香りが濃すぎる。生まれて殆ど人間と接した経験がないのもあるが、それでも特別な感じがした。
目の前の人間が美味そうすぎる。
「ま、待って、誰お前───」
言葉は最後まで続かなかった。
龍が首筋へ顔を埋めたから。
「っ!?」
体温があまり感じられないほど冷たい唇。
そして、何か鋭利なものが当たるような感覚が走る。
刹那、鋭い痛みが肩口から全身に拡がっていく。
「ひ…ッぁ”……っ!?」
鋭い牙が白い皮膚を貫く。
小さく引き裂かれた皮膚から零れる血が口内へ染み渡る。
刹那。
龍の理性が、完全に途切れた。
喉を流れ込む血液が、全身が焼けるような飢餓を一瞬で鎮めていく。
これ程美味しい血は飲んだことがなかった。
理由は分からないが、龍はそんなことを考える余裕すらないくらい吸血行為に夢中だった。
勇太は最初こそ抵抗していたが、次第に力が抜けていく。
「あ……っ…ぐ…」
視界が白く靄がかかったように霞む。
身体が鉛のように重いし、手が小刻みに震える。
「ッ……も、……やめッ…!!」
必死に背中を叩いたり押し返そうとするが驚くほどビクともしなかった。
まずい、と思った頃には遅かった。
指先に全く力が入らない。
「っ、ぁ……」
龍は止まれない。
長年抑圧していた本能が、一気に噴き出していた。
どさり、と青年の身体が崩れ落ちた瞬間。
龍はようやく我に返った。瞳は元に戻り、理性が一気に元に戻っていく。
「…………は?」
森に静寂が走る。
腕の中には、ぐったりした人間。
首筋には、自分が付けた牙痕。そこからまだ溢れる赤い液体。
そして死人のように青ざめた顔が浮かび上がっていた。
「………………やっべぇ!!!!」
龍は絶叫した。
完全にやらかした。すぐに楽な姿勢にさせて顔を覗き込む。
「いや待っ、え、死んでない!?おい!!」
慌てて首元に手を当てて脈を確認する。
一応ある。
だが弱い…気がする。基準が分からないけれど、とにかく顔色が悪い。
健康ではないのは確か。
「うわぁぁぁマジで何してんだ俺!!!!」
思わず叫んでしまう…が、青年はピクリともしないから冷や汗が止まらない。
龍は半泣きになりながら青年を抱き上げた。
力なく垂れる腕にゾッとする。顔色は最悪だが息はしてるし、大丈夫だと信じる。
それにしても人間はこんなにも脆いのか。
さっきまで歩いていた存在が、今は自分の腕の中でぐったりしている。
どうしようもない罪悪感が胃を殴った。
「……」
龍は歯を食いしばる。
本来、吸血鬼は人間を食料としか見ない。
だが龍には無理だった。やってしまった事への後悔が酷く彼の心を痛め付ける。
この青白い顔を見るだけで胸が痛むんだから。
「うわぁぁぁどうしよ!!!!」
とりあえずこのまま放置でもすれば獣に喰われてしまう。
流石に勝手に襲っておいて放置する程、残酷な性格はしていない。
そのまま龍は青年を抱えて夜の森を駆けた。
─────────────
青年が目を覚ました時、最初に見えたのは見知らぬ天井だった。自分が住んでいるボロボロの部屋とは違い、高級感が溢れる天井。
窓は黒いカーテンによって完璧に隠れていて昼なのか朝なのかわからない。
そんなぼやけた視界が少しずつ明瞭になっていく。
重い身体、妙な倦怠感が嫌に苦しい。
「……ぅ」
起き上がろうとして、首筋に鈍い痛みが走る。
「っ…ぃ”…」
そこでようやく、森での記憶が断片的に蘇った。
赤い目の男。
鋭い牙。
(夢じゃ………ないんだよな…。)
上半身に力をどうにかいれてゆっくり起き上がる。
「うわ起きた!!!!」
「!?」
突然すぐ近くで声がして、勇太は思わず飛び跳ねた。
視界に飛び込んできたのは、見覚えのある黒髪の男。恐ろしく整った顔立ち。
先程の顔立ちとは全然違う。今は普通に顔立ちのいい青年って感じだ。
だが今は、完全に挙動不審だった。
ワタワタ行き場のない手を動かしながらベッドの周りを行ったり来たりしている。
「ご、ごめん!!ほんとごめん!!!死ぬかと思った!!いや死なせかけたの俺なんだけど!!」
男は部屋をぐるぐる歩き回っている。その動きにはまるで落ち着きがない。
森で見かけた時の鋭い眼光は全くなく、むしろちょっと間抜けにも見えてくる。
「え、あの……」
「頭痛くない!?吐き気は!?視界ぼやける!?
立てる!?」
「だ、大丈夫……たぶん……」
青年が呆然と答えると、男はその場で崩れ落ちそうな勢いで安堵した。
「よかったぁぁぁ……」
本気で泣きそうな顔だった。見えない獣耳が垂れてるようにも見えてくる。
青年はぱちぱちと瞬きをする。
(え、なにこいつ。)
昨夜の印象と違いすぎる。
森で見た時は、もっと恐ろしかった。
人間じゃない何かみたいで。
本能的に危険だと分かる存在だった。
なのに今はそれを微塵も感じさせない。
「水飲む!?あ、スープの方がいいか!?人間って鉄分?が必要なんだっけ!?」
完全にパニックである。
勇太は思わず吹き出した。
「っ…ふ…」
男がピタリと止まる。
「……え?」
「変なやつ」
青年はくすくす笑った。
あまりにも目の前の男が面白おかし過ぎて。
「そんな慌てる?」
男は数秒固まったあと、困ったように眉を下げた。
「……普通慌てるだろ……」
「いや、そっちが噛み付いてきたじゃん」
「そう…だけど…さぁ!!!」
男は少しだけ黙り込み、やがておそるおそる尋ねる。
「……俺が怖くないの?」
「ん?」
「俺」
青年はきょとんとした。
「何が?」
「いや……」
男は言葉に詰まる。
吸血鬼。
人外。
人間を襲い、血を啜る怪物。
普通なら恐怖される。
忌避される。
少なくとも、一族の連中は皆そう言っていた。
だが青年は本当に不思議そうな顔をしていた。
「うーん……」
少し考えてから、首を傾げる。
「だって、めちゃくちゃ謝ってるし」
「……」
「あとなんか可哀想だし」
「可哀想!?人間に同情されてんの俺!?」
吸血鬼がショックを受けた顔をした。
青年は笑う。
「怖いっていうより、困ってる人って感じ」
その言葉に、男は黙り込んだ。
しばらくして。
男は観念したようにソファへ腰掛けた。
「……龍」
「え?」
「俺の名前。龍っていう。」
名字を名乗らなかったのはもう王家として名乗れる資格がないと思ったからだ。
青年は目を丸くする。
「あ、名前教えてくれるんだ。」
「襲っといて名乗らないのもどうかと思って……」
「たしかに?」
青年はまた笑った。吸血鬼に対してこんな態度取るなんて見たことない。
まぁ前例を見たことないから言えたもんじゃないけれど。
その反応がいちいち柔らかい。
龍は調子が狂いそうになり、バツが悪そうに話す。
「お前は?」
「勇太。」
「勇太……」
龍はその名前をゆっくり繰り返した。
不思議だった。
今まで人間と話したことは無いけれど、この人間はその辺にいる人間とは違う。
そう直感した。
それに人間の名前など、今までほとんど興味がなかったのに。
この名前は妙に舌に残る。
「……で、勇太」
「ん?」
「お前、なんで夜中にあんな森いたの」
勇太は少し視線を落とした。両手を絡めて指遊びしながら呟く。
「帰り道」
「え、家あんの?」
「あるよ!?……一応、ね。」
微妙な返答。
龍は曖昧な返答に意味がわからないと言わんばかりに眉をひそめる。
勇太はそれを察したのか少し困ったように笑った。
「今俺一人だから……さ。そんな立派なとこじゃないけど」
その一言で龍の表情がハッと変わる。
「……親いないの?」
「うん。亡くなったの小さい頃だったし、ずっと一人で細々って感じ?」
その言い方は妙に軽かった。
だが、軽く言えるような人生ではないのだろうと龍には分かった。
勇太は割と痩せている方に見える。
服も古い。所々布が切れているし少し色落ちしている。
ガリガリという程ではないが、栄養状態はあまり良いとは言えないだろうという体。
昨夜、血の香りが異様に甘かったのは、きっと生命力を削るように生きていたからだ。
龍は無意識に拳を握った。
「……ほんとにごめん。」
龍はぽつりと呟く。
勇太は首を傾げる。
「なにが?」
「お前、ただでさえ細いのに……俺が血吸ったから……」
勇太は数秒きょとんとして目をパチパチさせる。
そして、また声に出して笑った。
龍がムッとすると勇太は更に声のボリュームを上げる。
「龍って変わってるよね」
「なんでだよ」
「吸血鬼なのに、全然吸血鬼っぽくない」
龍は言葉を失った。
絶望を感じたとかそういった理由ではない。何かが龍の心を擽った。
この時、彼はまだ知らない。
この“人間”が、何十年以上停滞していた自分の世界を、根底から変えてしまうことを。
好評であれば続きを公開する予定です
コメント
2件
投稿圧倒的感謝!!!!読むの遅れてしまった...申し訳ないです!!!最高でした!!!
もう読んだわ…!めっちゃ良かった! 龍が吸血本能に負けて襲っちゃうところの罪悪感とパニックっぷりがすごく伝わってきて、でも勇太が「変なやつ」って笑っちゃうところで空気が一気に和んだのが好き。吸血鬼なのに襲ったあと半泣きで謝る龍、可愛すぎだろ…続き読みたい🔥