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みぅです🤍🥀 第14話、読み終わりました。 花斗くんの「からあげおうちで作れるんだね」が愛音ママに刺さりすぎてて笑った…スーパーで買うって言っちゃうとこ、リアルすぎる😂 そして壱月さんが姪っ子いるって知って納得。子ども扱い慣れてるわけだ。最後の「俺がママと寝ちゃう」作戦はズルいけど、花斗くんが必死になってかわいかった。壱月さんの余裕ある大人の対応、いいなあって思いました。
「いつき、はいどうぞ」
食事を終え、花斗が自分の使った食器を彼のもとへ運んでいる。
先に夕飯を食べ終わった壱月はキッチンで、食後のコーヒーを淹れていたのだ。
食べ終わった食器は自分でシンクへ運ぶ、というのは私が花斗に教えたルールだ。
壱月宅でも律儀にルールを実行した花斗は、偉い。
私はそっと花斗の後ろからキッチンを覗く。息子の成長にニマニマしてしまうけれど、壱月がいるのは気まずい。
「サンキュ、花斗」
花斗に気づいた壱月が、急に爽やかな笑みを浮かべる。
そしてお皿を受け取ると、花斗に聞いた。
「美味かったか?」
「うん。からあげって、おうちでつくれるんだね!」
その花斗の一言に、後ろにいた私はさっとキッチンの向こうの壁に隠れた。
恥ずかしい……。
「ママはね、からあげはスーパーでかうの」
言わなくていいひと言に、羞恥心が膨れ上がる。
ちらっとキッチンを覗くと壱月と目が合ってしまい、私は慌てて壁の向こうに再び隠れた。
「そうか、美味いって思ってくれて、俺は嬉しいぞ」
そっとキッチンに再び顔を出すと、壱月は花斗に視線を戻し、大きな手で花斗の髪をくしゃりと撫でている。
花斗の頬が、満足そうに紅に染まった。
「あー……あとさ、愛音」
壱月はコーヒーの入ったマグカップを、こちらにぶっきらぼうに差し出した。
「さっきはごめん。言い過ぎた」
「……私も、ごめん。なんか、焦っちゃって」
すると壱月は私の前に来て、立ったままコーヒーをひと口飲んだ。
「でも、これからああいうことあっても、別にいいからな。俺は、気にしない。子どもがいると、よくあるだろう? 俺の姪っ子も、よくこぼすんだよ。だから」
「そうだったんだ……」
壱月には姪っ子がいるらしい。どうりで、子どもの対応に慣れているはずだ。
「俺も気を付けるし、この家では自由にしてもらって構わない。愛音も、いちいち気を遣っていたら大変だろう」
「うん……私もごめんね。なんか、意地になっちゃった」
私も立ったまま、コーヒーに口をつけた。心なしか、優しい味がする。
「ママ、いつき、なかよし?」
間にいた花斗が、私たちの顔を交互に見上げる。
顔を上げると、眉をハの字に曲げた壱月と目が合った。きっと、私も同じような顔をしているに違いない。
*
その後、お風呂をいただきリビングに戻ると、花斗はまっすぐに大窓に向かった。
窓の向こうの、羽田空港を見るために。
「お風呂ありがとう、先に入っちゃってごめんね?」
「いいって」
皿洗いをしていたらしい壱月は、きゅっとシンクの水を止めるとエプロンを外してリビングへやって来た。
「俺はゆ~っくり浸かりたいから。いつも、あとで結構」
「うん、わかった」
とは言ったものの、いつもより広い浴槽にテンションの上がった花斗のせいで、こちらも結構長い時間入っていたような気がする。
「花斗、もう寝るよ?」
声をかけるも、窓に張り付いた花斗はピクリともしない。
「ほら、花斗。明日は保育園」
「んー……」
ようやく反応を示したものの、その体は動かない。
「ママもお仕事だから、寝たいな~」
「うん……」
そんな私たちを見て、壱月が笑う。
「もう! 寝るよ、花斗!」
私はしびれを切らして、花斗の両脇を抱えて窓から引き剥がそうとした。
しかし、花斗は三歳児とは思えない猛抵抗をする。
「まだ、ねたくない!」
私の手を振りほどき、花斗が窓辺に戻る。
「じゃあ、あと十秒ね。いーち、にーい、……、じゅーう、はい寝よう!」
「ヤダ!」
それで思わずため息がこぼれた。
寝るのが遅くなれば、明日の朝の不機嫌モードがレベルアップするのは目に見えている。
そうなれば、私の不機嫌もレベルアップしてしまう。
「寝ーるーよー」
「ヤーダー」
「じゃあ、ママ先に寝るよ?」
「ヤダ、ここにいて」
「ここじゃ寝られないよ」
「じゃあ、ねちゃダメ」
「じゃあ、お部屋行こう?」
「やーだ……やーだ、ヤダ!」
もはや、定型文のようだ。
現れてしまったヤダヤダ星人にイライラゲージが振り切れそうになった、その瞬間。
「……っ!?」
口から心臓が飛び出そうになった。
壱月が、私の腰を突然抱き寄せたのだ。
耳元で壱月がふっと笑う声が聞こえる。
先ほどまでと違うゲージが振り切れそうになったその瞬間、壱月は花斗の名を呼んだ。
「はーなと。花斗がママと寝ないなら、俺がママと寝ちゃうからな~」
その声に、花斗ははっとこちらを振り返る。こちらの状況を察したのか、慌てて駆け寄ってきた。
「ダメーーーー!」
花斗は必死に、私と壱月をひっぺがそうとする。
「子どもって案外単純。よかったな」
壱月は私の耳元でそう言ってから、クスクス笑って離れていった。
はぁ~~~~っ!?
壱月の発言が信じられない。
思わず彼を睨んだ。
――今まで、私がどれだけ……。
しかし、そのまま花斗に手を引かれて寝室に入ってしまったから、彼がどんな顔をしていたのかはわからなかった。