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陸徒「俺さ、自慢じゃないけど他人の感情に敏感なんだ」
陸徒「それで初めて甘奈さんにおはようって声かけたのは甘奈さんが感じてた不安や恐怖とかの感情が俺の中学時代感じてたものと似ててさ」
陸徒「まぁ、勝手に重ねられたくないと思うけど、俺よりもずっと苦しい思いをしてたって知ったし」
陸徒「俺中学の頃クラスに馴染めなくて浮いてたんだよね」
音魅「え?」
陸徒「その時いじめっぽい事もされてさ、だから甘奈さんのことが放ってこけなかったんだ」
陸徒「でも、それが苦しめてたなんて知らなかった。ごめんね」
音魅「ううん、私の方こそ…ごめん」
陸徒「甘奈さんは謝らなくていいのに」
音魅「だって勝手に阿賀くんのせいにした…」
音魅「私のことも話しても…いい?」
陸徒「うん、もちろん」
今までの担任とかにはなんとなく言っても無駄なような気がしたけど、阿賀くんには言ってもいい気がした。私は、お母さんのこと、いじめのこと、全部話した
陸徒(正直、どういう言葉を言えば分からない。)
音魅「困るよね。こんなこと話されても」
陸徒(でも…)
陸徒「ううん、今まで甘奈さんのこと知らなかったけど、知れたから嬉しいよ!」
陸徒「話してくれてありがとう!」
音魅「…!そう、かな//」
陸徒「どうする?今日もお母さん早いんだっけ?」
音魅「うん、でも大丈夫、気持ちが晴れたから」
陸徒「何かあったら連絡してね」
音魅「…阿賀くん…!」
陸徒「どうしたの?」
音魅「一緒に…帰ってもいい、かな?//」
音魅「いじめられるのが怖くて…」
陸徒「…!うん!」
帰り道
陸徒「今日は親家にいるの?」
音魅「多分…でも大丈夫」
音魅「だと思う…」
陸徒「またなんかあったら俺に…」
陸徒「甘奈さん家あそこだよね?」
音魅「うん…?」
陸徒「引越しトラック来てるけど」
音魅「え!?」
音魅「あ、あの!なにしてるんですか!?」
母「音魅、帰ったのね」
音魅「お、お母さん、これどういう事?」
母「売ったの、この家」
音魅「え?」
母「結構前に決まってたの、それで今日来たってわけ」
母「昨日あなたに久しぶりに会ったけど、やっぱり産まないほうが良かったって思ったから、これでなんの迷いもなく売れるわ」
陸徒「相談、しなかったんですか?」
母「誰よあなた」
母「とにかく、音魅も早く次の家探したほうがいいわよ。私の家は無理だけど」
母「じゃあね」
陸徒「待ってください」
母「はぁ、なに?」
陸徒「今まで産まなければよかったなど言って、それでこの仕打ちは酷いと思わないんですか?」
母「名前も知らない人に言われたくないわ、それにあなたには関係ないでしょう?」
母「付き合ってる関係でもない限りね」
陸徒(…なんも言い返せない)
陸徒「でも…!」
母「その男の子の家にでも泊めて貰えばいいじゃない」
母「ま、もうどうでもいいけどね」
陸徒「まっ…!」
音魅「行っちゃった」
ガチャ
これで最後かな
音魅「あ、私のタンス…!」
陸徒「え!?てことは甘奈さんの物も売ったってこと?」
音魅「分かんない」
陸徒「あの!これも売られるんですか?」
業者「あー、これね。そうなんだよね」
音魅「そんな…」
業者「明後日にはここは売り物件になっちゃうから、明日の正午までにいるものといらない物で分けといてよ」
音魅「え?いいん、ですか?」
業者「いいよいいよ、君のものなんでしょ?それを勝手に捨てたり売ったりはちょっとね」
音魅「ありがとうございます」
業者「じゃあ俺らはこれ戻すか」
業者「ハイ!」
陸徒「甘奈さん、大丈夫?」
音魅「うん、でもショックが大きいかも」
陸徒「…甘奈さんさえ良ければなんだけどさ」
陸徒「今日、俺の家来る?」
音魅「!?!?」
陸徒「夕ご飯とか甘奈さんどうするのかなって思って」
音魅「…迷惑、じゃない?」
陸徒「うん、大丈夫!」
音魅「じゃあ、お言葉に甘えて…」
陸徒「うん!」
業者「じゃあ、また明日正午にここに来るので」
音魅「あ、はい」
陸徒「じゃ、行こっか」
音魅「うん」