テラーノベル
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昼ごはんを済ませて凪さんが出かける準備をしている
「それじゃ行ってくるから」
俺の頭をポンポンしてくれる
そんな事誰にでもしてるの?
そんな事聞けない
凪さんは俺のものじゃないのに‥‥
「行ってらっしゃい」
部屋を出て鍵が締まる
それを確認して俺は急いで合鍵を探した
何かあった時のために教えてもらった合鍵の場所
もう松葉杖はつかなくてもこれくらいの痛みなら耐えられる
荷物なんかない
ただまだ靴は履けないから、それだけ袋に入れてカバンに詰めた
俺は着替えを済ませて部屋を出る
鍵をかけて隣の部屋に向かう
そしてセラさんの部屋のポストに鍵を入れた
あとは自分の家に戻るだけ
ゆっくりと壁伝いに廊下を歩く
エレベーターの前でボタンを押すとどこかで扉が開く音がした
「ロウ君」
「‥‥‥‥セラさん?」
「この鍵、何?」
「あ‥‥その‥‥」
凪さんが出て行ったから、てっきりセラさんも同じ位に出て行ったと思っていた
なのにどうしてここに‥‥
セラさんがスマホを取り出し、誰かに通話を掛けている
「凪ちゃん?戻って来れる?家に」
「あ、待って!セラさん‥‥」
俺は慌てて脚を引き摺りながらセラさんの元に引き返した
「すぐ来て。いいから早く」
それを聞いて俺は戻るのをやめてエレベーターに戻ろうとした
それより早くセラさんに腕を掴まれた
「どうしたの?」
「‥‥っ、なんでもないです」
「そんな訳ないよね。その足で」
「‥‥‥‥離して下さい」
「離しても良いけど、凪ちゃんもすぐ下にいるよ?」
「えっ?」
「俺達一緒に行く約束してたから。俺が忘れ物したから戻ってもらったんだ」
エレベーターがこの階に止まる
扉が開くとそこには凪さんがいた
「小柳?」
「あ‥‥‥‥」
「時間無いしどうする?ロウ君脱走しようとしてたけど」
「脱走?」
「ほらこれ。お前んちの合鍵でしょ?これ俺の部屋のポストに入れて行こうとしてた」
「小柳‥‥お前」
「だって俺‥‥ここにいても迷惑だし‥‥」
「話は後だ。合鍵持って行くから小柳はちゃんと留守番してろよ」
「‥‥‥‥」
俺は部屋に連れ戻されて1人になった
無理して歩いた脚が痛い
ソファーに座り凪さんの帰りを待つ
また余計な事して怒られるんだ
思ったよりも早く鍵が開く音がした
「ただいま」
「‥‥おかえりなさい」
「まったく、何事かと思えば」
「ごめんなさい」
部屋に入るなり俺の元に来てソファーに凪さんが座った
「そんなに帰りたいならちゃんと送って行くよ」
「だってこの前話した時ここに居ろって一点張りだったから」
「それはまだ痛そうだったし。まだ痛いだろ?」
「でも‥‥少しは良くなったから‥‥」
「1人で出来るのか?本当に?」
「‥‥出来ると思う」
「そう。それなら送って行くよ。でもその前になんかやり残した事あるんじゃないの?」
「え‥‥やり残した事?」
そう言って凪さんが俺の手を掴んだ
何‥‥なんで?
「小柳って結構奥手なんだな」
「奥手って‥‥何が‥‥」
「言わないの?俺に」
「俺って‥‥凪さん?」
凪さんって普段俺なんて言ってたっけ?
それに手も握られて‥‥
俺は一体どうすれば‥‥‥‥
「言えよ、小柳」
「凪さんっ‥‥俺‥‥ 」
眼鏡を外しながら俺に近づいてくる
こんなの俺‥‥‥‥
恥ずかしくて下を向く
すかさず凪さんの指先が俺の顎先を掬い上げた
「逃さないけど?小柳」
「あ‥‥‥‥なぎさ‥‥」
「なに?」
「‥‥‥‥‥‥好き」
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コメント
4件
(っ'ヮ'c)ファァァァァァァァァァァァァァ え、あ、凪ちゃん?こや がせめないから凪ちゃんからせめるの好(ハオ)最高です✨️師匠に🌹×10あげたいほど最高です👍

眼鏡外してからの一人称が変わる展開にドキドキしました💕