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俺は今、中東の某国へ来ている
それは我が国に来賓として呼ばれていた王族を自国へと送り届けるためだった
SPとして警護をしつつ、無事空港へ到着した所だ
本来ならば空港でそちらの警護に身柄を引き渡し、俺たちはそのまま来た飛行機に乗り、帰国する予定だったのだが‥‥
窓の外を見るとオレンジがかった街並み
これは砂嵐だ
春先から夏にかけてよく砂嵐が起こるらしい
仕方がないので近場のホテルを取ろうとすると、ここまで連れて来て貰った礼だと言い、宮殿で過ごすことを許された
初めて見る宮殿は想像を絶する遥かに超え、大きくて複雑な作りだ
俺たちは通された部屋で食事のもてなしをされ、個別の部屋まで用意していただいた
夜も更け、酒を飲んだ同僚や先輩がちらほら部屋へと戻り始める
俺も部屋に帰って体を休めよう
確か風呂は部屋にも付いていたが、大きな風呂がこの先にあるって言ってたよな
この国にまた来れるかわからないんだから、せっかくだし行ってみるか
そう思い、誰もいない通路を歩きながらその場所へと向かう
中に入ると真っ白な壁に黄金の装飾が煌びやかな、とても浴室とは思えない豪華な風呂場がそこにあった
誰も居ないその空間で、今日の疲れを取っていく
充分に贅沢な気持ちを味わい、風呂を上がると俺が脱いだ服が無くなっていた
「‥‥ここに脱いだよな?」
脱いだ場所に服は無かったが、代わりに棚の中に白とエメラルドグリーンの服の様なものが上がっている
俺の服は洗濯にでも出されたのか?
どう考えてもこれを着ろって事だよな
一度手に取り広げてみた
「‥‥‥‥これは女物?」
明らかにスカートの様な形だし、この綺麗なグリーンのレースがヒラヒラしてるもの‥‥
絶対女物だよな?
俺が裸でその服を掴んで眺めていると、スッと誰かが脱衣所へ入って来た
「うわっ!‥‥ビビった‥‥」
持っていた服で体を隠し、入って来た女の人を見た
顔を布で覆ったその女は俺を見ると一礼をしてその場を離れない
これはどういう事なんだ?
俺はここの国の言葉を喋れないし‥‥
とりあえずこの服を着て部屋に戻ろう
俺は急いで振り向き、持っていた服に腕を通す
そして服を着るとすぐに後ろにいた女性に左手を掴まれた
「えっ、何‥‥‥‥」
「〜〜〜」
「何言ってんのかわかんねぇ‥‥」
「〜〜〜〜」
「えっ‥‥ちょっと‥‥」
まったく聞き取れない言葉で俺に話しかけると、その女性は手にした棒を左手の甲へと押し当てた
「えっ、熱っっ‼︎痛っ‥‥なに‥‥?」
あっという間に押された何か‥‥
俺の手の甲には小さな焼印が押されていた
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