テラーノベル
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スタートーー❗️
夜明け前。
東京湾沿いの工業地帯。
煙突が立ち並ぶ中、一つだけ長い間使われていない巨大なセメント工場が、霧に包まれていた。
割れた窓。
錆びついた鉄骨。
止まったままの巨大な回転窯。
人の気配はない。
……そう見えるだけだった。
工場の地下では、美月が静かに息をひそめていた。
⸻
地下室
「朝食です。」
昨日から世話をしている黒いスーツの男が、紙袋を机に置く。
「ありがとう。」
美月は落ち着いた様子で受け取る。
男は驚いたように言う。
「君は……泣かないんだな。」
美月は少しだけ笑う。
「怖くないわけじゃありません。」
「でも、怖がっても何も変わらないから。」
男は何も言えず部屋を出て行った。
扉が閉まる。
その瞬間、美月は紙袋の中を調べ始める。
パン。
水。
紙ナプキン。
そして、小さな木製のマドラー。
「これなら……。」
彼女はマドラーを折り、鋭い先端を作る。
(役に立つかもしれない。)
⸻
コナンたち
一方、コナンたちは港湾警察の資料室にいた。
阿笠博士が地図を広げる。
「石灰が付着しとった工場は全部で六か所。」
高木刑事が頭を抱える。
「全部調べるには時間が……。」
その時、灰原が一枚の航空写真を見つめる。
「待って。」
「この工場だけ煙突が一本少ない。」
コナンが写真を見る。
「……本当だ。」
「取り壊し工事が途中で止まってる。」
「つまり、人が近づかない。」
目暮警部が立ち上がる。
「第三区セメント工場へ向かう!」
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工場内部
その頃。
地下通路では男たちが言い争っていた。
「組織から連絡が来た。」
「今日中に写真を見つけろ。」
「少女が思い出せないなら?」
「海外へ移送する。」
その会話を、美月は通気口越しに聞いていた。
(海外……。)
(時間がない。)
彼女は部屋を見回す。
古い棚。
壊れた照明。
そして壁には、錆びた配管が通っている。
美月はマドラーを配管の隙間へ差し込む。
少し力を入れる。
カラン。
小さな金属片が床へ落ちた。
「これだ。」
それは古いネジだった。
⸻
工場へ到着したコナンたち。
夜明け前の工場は、不気味なほど静かだった。
佐藤刑事が小声で言う。
「人の気配はありません。」
しかしコナンは地面を見つめる。
「いや。」
「タイヤ跡が新しい。」
「しかも二時間以内。」
蘭も気づく。
「ここに誰かいる。」
その瞬間。
工場の奥で何かが動いた。
黒い影。
「止まれ!」
高木刑事が叫ぶ。
男は走り出した。
「逃げた!」
⸻
コナンは迷わず追いかける。
錆びたコンベア。
巨大な歯車。
崩れかけた鉄骨。
男は工場の上層階へ駆け上がる。
コナンも後を追う。
「待て!」
男は振り返ると鉄パイプを倒した。
ガシャン!!
大量のパイプが転がってくる。
コナンはスケートボードで飛び越えた。
「くっ!」
さらに男は非常階段を飛び降りる。
コナンも手すりを滑り降り、一気に距離を縮めた。
あと数メートル。
その時だった。
パンッ!
工場中の照明が消える。
「停電?」
暗闇。
完全な静寂。
男の足音だけが遠ざかる。
⸻
地下。
突然、照明が消えた。
(今だ。)
美月は拾ったネジでドアの蝶番を少しずつ緩め始める。
一本。
二本。
汗が額を流れる。
その時。
廊下から男たちの声。
「非常電源を入れろ!」
急がなければ。
最後の一本を外した瞬間。
ギィ……。
ドアが数センチだけ開いた。
「開いた……!」
美月は息をのみ、静かに廊下へ足を踏み出した。
⸻
非常電源が復旧する。
明かりが戻る。
しかし追っていた男の姿はない。
代わりに床には、一枚の写真が落ちていた。
拾い上げるコナン。
それは美月が以前撮影した写真だった。
夕焼けの河川敷。
遊ぶ子どもたち。
写真の裏には、鉛筆で数字が書かれている。
「B-12」
「これは……。」
灰原が静かにつぶやく。
「工場の区画番号じゃない?」
コナンの表情が変わる。
「美月さんが残したメッセージだ!」
「地下十二区画!」
「急ごう!」
⸻
ラストシーン
一方その頃。
地下通路を慎重に歩く美月。
誰もいない廊下を進み、角を曲がったその時――
「そこまでだ。」
低い声が響く。
振り返ると、黒いコートを着た一人の男が立っていた。
他の誘拐犯とは違う、鋭い眼差し。
男は静かに美月を見つめる。
「君は思っていたより勇敢だ。」
「でも、この先へは行かせられない。」
美月は一歩も引かなかった。
「あなたが……この事件の黒幕?」
男はわずかに笑う。
「黒幕ではない。」
「私は依頼人だ。」
その言葉と同時に、工場全体にサイレンが鳴り響く。
ウゥーーーーーーーッ!
コナンたちは地下へ走り出す。
美月は男をまっすぐ見据えた。
そして物語は、事件の核心へと大きく動き始める――。
⸻
――第四章 終――
次回・第五章「奪われたフィルム」
コナンは地下十二区画で美月の目前まで迫ります。しかし、黒幕の命令で犯人グループは工場からの脱出を開始。美月が隠していた”本当の秘密”が少しずつ明らかになり、事件は新たな局面を迎えます。
コメント
3件
いぬ🐶さん、第6話読み終えたよ〜!!😭💕 美月ちゃんがマドラーを武器に加工したり、ネジで蝶番外そうとしたりするシーン、めっちゃ賢いし勇敢で感動した……!「怖くないわけじゃないけど怖がっても変わらない」って台詞、心にきたよ😢✨ コナンが写真の裏のB-12気づく流れも最高にエモかった!そして最後の「依頼人」ってやばくない!?黒幕じゃないってどういうこと〜!?次回が待ちきれない!!📸🔥
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