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こと-koto
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Side 美緒
私が手を伸ばすと健治が今にも泣きそうな顔で笑うから、その顔が切なく見えて心が締め付けられた。
健治から、愛されているんだと感じた。
「健治……」
「美緒、ごめんな、ありがとう」
健治の低い声が耳元で聞こえて、抱きしめられた私は、何の隔たりの無い2人の間の熱を感じる。
こんなに愛してくれるなら、もう一度だけ、健治を信じてみようと思った。
私の輪郭を縁取るようにそっと優しく撫でられて、普段とは違う愛撫で背中にゾクゾクと電気が走る。
もどかしくなるぐらい、ゆっくりと動く手が丹念に私を溶かし始めた。
焦らすのではなく、私を確認するように健治の手が私に触れる。
愛おしげに、たくさんのキスの雨を全身に降らされて、甘く蕩けてしまう。
口に含まれた胸の果実も舌先で転がされるばかりで、はしたなくも、もっと強い刺激が欲しくなってしまうほどだった。
甘く蕩けた私は、熱い息を吐き出しながら潤んだ瞳で健治をねだると、嬉しそうに健治が微笑む。
健治の指先が、私の薄い繁みをかき分け、敏感になっている花芯を撫でると
自分でも恥ずかしいぐらいに濡れているのがわかった。
「健治、来て」
自分から健治をねだると、また、泣きそうな顔で笑う。
健治のモノが、ゆっくりと私の中に入って来る。
私は、今まで感じた事もない充足感に包まれ、全身が痺れる程の快感に打ち震えた。
「んっ、あぁぁ……」
やがて、私の一番深いところに辿り着くと、それだけで気持ちが良くって、
自分の意思とは裏腹に中が収縮し、自分の中に納まった健治の形を感じながら達してしまう。
この行為は、Sexではなく、Make love なのだと思った。
*****
翌日のお昼休み、爽やかな風が吹く中を私と里美は、|Café des Arcs 《カフェ デ ザーク》に向かった。
ランチタイム、カフェ店員さんの人気も手伝って、近所の主婦やOL達で賑わってる。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。今日もイケメン拝みに来ました」
里美の言葉に和成君は、ニッコリと笑い軽くウインクをする。
あまりの慣れた様子、手の届くアイドルみたいだ。
「ありがとうございます。では、特等席にご案内いたします」
いつものやり取りに私はクスクスと笑ってしまった。
和成君の案内で、既に定位置となりつつある一番奥の窓際の席に案内をされ、今日のランチ明太子とイカのパスタを注文する。
「先輩、和成君は相変わらず可愛いですね」
里美が声を潜めて私に言う。
「うん。アイドルみたいで、眼福」
と返すと里美は頷き、クスクス笑っている。
窓の外は、明るい日差しが降り注ぎ、初夏を思わせる陽気だ。
「里美、あのね……土曜日なんだけど」
と、言い掛けたところで「お話中のところ、すいません」と声を掛けられた。
視線を移すと申し訳なさそうな表情の和成君だ。その横に三崎君が立っている。
「いつもの相席をお願いしても良いですか?」
「はい、どうぞ」
「悪いね。お邪魔します」
三崎君が私たちのテーブルの空いている席に腰を下ろした。
「三崎先生、昨日はお疲れ様でした」
里美が明るく挨拶をし、私も続いた。
「昨日の勉強会では、主人共々、お世話になりました。お疲れ様です」
「お疲れ様でした。ご主人何か言っていた?」
三崎君が健治の様子を気にしているのを疑問に感じて、私は首をかしげてしまった。
「昨日は、ピンチヒッターで疲れてしまったみたいで、ぐったりしていました」
顎に手を当て、難しい顔を見せた三崎君だっけれど、何かを思い出したようにパッと明るい表情になる。
「そう……。あっ、そうだ。前に話していた高校の同窓会もどきの集まりをしようって、渡部が連絡して来たんだ」
「えっ? 前に言っていた話ですか?」
何故か、里美が話しに食い気味だ。
待って、あなた高校違うし!
「今度の土曜日に集まれる奴らだけでやる。ゆるい感じの集まりだって言っていたけど、どうする? 小松さんの参加も勿論OKだよ」
「ふふっ、理系クラスのエリートが揃うんですね。少し興味はありますが、さすがに遠慮しておきます。あの時、ああでも言わないと、せっかくの交流なのに、美緒先輩が参加しないと思ったんですよ」
「里美……」
「美緒先輩は、もっといろんな人と話をして、視野を広げた方がいいです。世の中、女の数より男の数の方が多いって言うじゃないですか」
私が健治の浮気を目撃してしまった現場に居合わせた里美は、自分の事よりも私の心配をしてくれている。
「里美……でも、里美との約束が先だったのに」
「わたしとは、いつでも会えますが、同級生と会う機会なんて、あんまりないんですよ。三崎先生には、お世話になっていますから、特別に美緒先輩を貸してあげます。土曜日は、美緒先輩をエスコートしてあげてくださいね」
「了解。しっかりエスコートさせてもらうよ」