テラーノベル
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人で賑わう参道。
露店が並び普段の閑散さは全く感じられない。
「…こういう時ばっか来るんだよな」
いつもは見向きもしないくせに。
でもそれでいい。
トラゾーのことを他の人間に知られでもしたら俺はそいつのことを殺すかもしれない。
だから、俺の神様のことを知らないまま、見向きもしないままでいたらいい。
「……」
人の波に逆らい、昔から使っていた抜け道を使って本殿に向かう。
途中、馴染みの神主とすれ違うも俺の顔を見て熱心だねぇと言って自分の仕事に戻っていった。
なんの目的で向かっているかを知っている神主は俺のことを止めない。
「役得だな」
小さい頃は神様と話してくると言ったら、微笑んでいた今より若かった神主。
戻って来てからは本殿の掃除をしているんです、と人当たりよく笑えばそれを信用して通してくれた。
今だってそう。
あの手を振り払われた次の日、トラゾーにはすごく謝られた。
それに対して俺が悪かったんだよと言えばトラゾーは困りながらも、うん、と頷いていた。
外のことをあまり知ることができないトラゾーに楽しいことや面白いことをたくさん教えてあげた。
絆されていくトラゾーのちらりと見える横顔を眺めては、早くこの手に堕としてやりたいと思う日々が募っていく。
納涼祭の前日、言うなれば昨日のこと。
『クロノアさんに、これ、』
そう言ってトラゾーから手渡されたのはブレスレットのようなもの。
『俺が大事にしてるもの。お守りみたいな物かな?クロノアさん、視える体質だからワルイモノ寄って来やすいだろうし、それあげるね』
トラゾーが右手につけていたものと似てるものだ。
違いを言えば鈴がついてることくらい。
翡翠でできたそれは魔除けを指す。
そんな大事なものを貰っていいのかと尋ねた。
布からのぞく口元が緩く上がって微笑まれる。
『1番大切な人に渡そうと思ってたから。クロノアさんの目の色と同じで綺麗だなって。だから、その証』
着けてあげると手首に通されるそれを見て、表情を変えずにいれた自分を褒めたい。
大切だと、トラゾーから言われた言葉には信頼と信用と友愛が込められていた。
「(俺のことをトラゾーはもう疑いはしない)」
歩き慣れた山道を歩いていたけど、足を止めた。
「……俺になんか用ですか」
「はー、やっぱ視えんのな。これでもだいぶ薄めたつもりなんだけど」
「殺気、隠せてないですよ」
大きな木から降り立ってきたのは鬼面をつけた者。
トラゾーといた奴だった。
「…トラのとこに何の用だよ」
「質問は俺が先にしたんですけど。…その返答次第で俺も教えますよ」
「食えねぇクソガキ」
鬼面を半分ずらして俺を睨む紺色の目。
僅かに赤く光っている。
「質問を変えるわ。トラんとこに行って、あいつに何する気だ」
「それはあなたには関係のないことだ」
「………はぁ、昔っから人間にも神にも妖にもタチの悪いタイプのに好かれてたけど……今回とんでもねぇのに好かれてるじゃねぇか」
やっぱりトラゾーはそういうの惹きつけやすいんだ。
「で?それをあなたが守っていたって?」
「あいつはそんなヤワじゃねぇよ。自分の身くらい自分で守れるくらいには力あるし」
「へぇ。それで?」
「こっから先お前は立ち入るな。本来、人間が足を踏み入れていい場所じゃねぇんだよ」
「知ってますよ。けど、トラゾーは俺のことを待ってる」
あの中で。
ひとり。
「……トラはお前が関わっていいような存在じゃない」
「それを決めるのはトラゾーであってあなたじゃない」
「…縛りだけじゃない、お前のせいでトラはここから離れられなくなってんだぞ。お前のその強すぎる執着で」
「へぇ?いいこと聞いちゃったな」
あの場所から出られないのは縛りがあるせいだけじゃなくて俺のせいだった。
その事柄を知ってしまったら、もっとトラゾーを自分だけのモノにしなければならない。
「トラゾーはそのこと気付いてるんですか?」
「あの鈍感が気付いてるわけねぇだろ。なんでかなって不思議にしか思ってねーよ」
「でしょうね」
ちりん、とトラゾーがくれたブレスレットの鈴が鳴る。
その瞬間、目の前の人物の動きが止まった。
「⁈、おま、…」
「あなた、やっぱ鈴の音苦手なんですね」
音が鳴るたびに後退りするその人に笑う。
「そこ、下がりすぎると危ないですよ」
「は、…ッ⁈」
しゃんっと鈴の音が森の中で木霊する。
反響する音はすぐに木々に飲み込まれ消えた。
「てめ、ぇ…っ!」
「当分は動けないんじゃないですか?俺もバカじゃないんでちゃんと用意してますよ、邪魔されないように」
跪くその人の横を通り過ぎる。
「待てよ…っ」
その声は木霊し同じように木々の間に消えていった。
信頼は積み上げるのは大変だけど、崩してしまうのは一瞬だ。
積み木みたいに、トランプタワーのように。
トラゾーは俺の話すことを興味深そうに聞き、質問を返したり相槌を打ったりしてくれた。
ゆらゆら揺れる黒い布から見える緑は知らない話が聞けて嬉しいと輝いていた。
ずっと昔から変わらない。
「ねぇトラゾー」
「ん?」
「トラゾー……神様って、好きな人とかいないの?」
静かな本殿。
お祭りをしてるのはずっと下の方だからその音さえもここには聞こえない。
俺とトラゾーだけの空間。
誰にも邪魔されない。
「俺?俺はみんなが好きだよ。誰か1人っていうのは立場的に難しいし、人間で言う恋愛感情?みたいなのはよく分からない。近い感情で言えば親子かな…?」
誰か1人を好きにも、愛してもいけない。
そういう掟らしい。
神として特別を作ることは禁忌なんだそうだ。
「…へぇ」
「それこそクロノアさんには?かっこいいから彼女さんとかいるんじゃないの?」
「いないよ。好きな人はいるけど」
目の前に。
「え⁈そうなの?…だったら、こんなとこで俺と話してるよりその人のとこに行かなきゃ」
「そんなことはどうでもいいんだ。…教えて、トラゾーは特別な人は作らないの?この先ずっと」
「え、っと、うん。よく分からないし、作れないよ」
「そっか、」
じゃあ、俺がその特別になってあげる
そう言って握っていた手を引き寄せた。
「へっ⁈」
全く事情についていけてないトラゾーは、自分に起こりうることを察知して逃げようとしてきた。
「逃げないでよ。俺はこんなにも、ずっと昔からトラゾーのこと大好きなのに」
見えた緑からはトラゾーを見下ろす愉悦に歪んだ俺が映っていた。
「ゃ、やだッ!いや、やめてくだ、さ…ッ」
面布を剥ぎ取ると涙で潤む綺麗な緑が露わになる。
トラゾーに殺されるならそれで構わない。
「っ、は♡」
けど、俺の呼吸も心臓も止まることはなかった。
「あは、可愛い♡困ると敬語になっちゃうんだ♡それにやっぱり可愛くて綺麗な顔してる♡」
「ひゃっ⁈な、なに、やめ、ッ!」
着物の合わせを広げる。
傷ひとつない綺麗な肌。
これに傷を付けていいのも、痕をつけていいのも俺だけだ。
俺だけがこのカミサマを、ヒトに堕とせる。
「教えてあげるよ、俺がヒトの悦びを」
「やめ…たす、け…っ」
「神様が助けを乞うなんて面白いなぁ。でも、俺が助けてあげるから心配ねぇよ。だって、俺はトラゾーのカミサマなんでしょ?」
硬い床板に手首を押さえつけて、暴れようとする足を封じる為にソコを膝で押した。
「ふゃぁあっ⁈」
わけの分からない感覚に戸惑う緑に優越に浸る。
「な…いゃぁ…ッ」
「泣いてるカオも可愛い♡」
首筋を噛めばびくっと跳ねる肩。
「や、嫌ッ…」
汚れを知らない身体を穢す。
俺の手で、堕とすために。
「ふは、ホントに何も知らない身体なんだね」
「?、?っ、」
「なのに神様もちゃんと勃つんだ♡」
ふる、と震えてるソコからは透明な蜜が垂れていた。
「た、つ…?」
「それも知らない?じゃあえっちも知らないんだ」
「⁇、っ、…?」
「うーん…トラゾーに分かりやすく言えば、まぐわい?」
「!!?」
意味を理解したトラゾーが抵抗する。
逃がさねぇけど。
「当たり前の反応なんだから怖がらなくてもいいんだよ」
脚を掴んで広げる。
誰も触ったことがないソレを口に含めば慌てて頭を押さえてきた。
「やぁあっ!だ、め、だめッ!!ひんッッ⁈」
舌で蜜が垂れる先端部分を弄ると、びくっと腰が跳ねる。
全く体験したことのない感覚にトラゾーは泣きながらやめてやめてと訴えていた。
「く、のぁさん、やめてぇ…っ!」
びゅる、と量の少ない白濁を出したトラゾーの浮いた腰が床板にへたる。
「な、に…ッ、おれ、いまっ…」
「今のは射精って言うんだよ。射精する時はちゃんとイく、って言えるようにしよっか♡」
「へ、ぁッ⁈ゃ、また、っ!、だ、ぁッ、めぇ…っっ!!」
口の中に出される白濁を飲み込む。
飲んだことないから知らないけどトラゾーのには甘みを感じた。
「トラゾー」
「は、ふッ…⁇」
「だめっていうのも唆られるからいいけど、ちゃんとイくって言わないと」
まだ勃つトラゾーのを舐め上げると甲高い可愛い声を上げる。
きゅっと萎まる後ろが目に入って、舌をそっちに移動させる。
「ゃぁっ⁈そ、こ、だめ、な、ばしょぉ…ッッ!」
舌先を尖らせてナカに入る。
「ひッ♡♡⁈」
きゅぅうと締まるナカに舌を押し込んでいった。
しこりのような場所を舌で押し潰すときゅんとナカが強く締まった。
「あ♡ぁッ♡♡ゃ、ッ、ぃ、くッ♡♡くろ、のぁ、さ、お、ぉれ、イッ、♡、いっちゃ、ぅぅう…っ♡♡♡!!」
開かせた両脚がピンと伸びて痙攣で太ももが震える。
ナカから舌を抜き、顔面にトロリとしたトラゾーの精液がかかり舐め取った。
「いいこ♡ちゃんとイく、って言えたね♡」
「っ♡、?ッ♡⁇」
トラゾーを起こして四つん這いにさせ、目の前に自分の反応してるモノを取り出す。
「ひ、ぇ…ッ♡⁇」
自分のと違いすぎて驚いてるのかトラゾーは大きく目を見開きながらも興味津々に俺のを見ていた。
「トラゾーも舐めてくれる?俺の♡」
「ぁ…、♡ぅっ♡」
小さく開けられた口内に俺のがおさまっていく。
口の中は大きいようで教えてもないのに喉奥まで咥え込むトラゾーに素質あんなと頭を撫でながら思った。
見様見真似で舌を使いながら舐め上げるとする仕草に、真っ白な布に黒い墨汁を垂らしたような、新雪を踏み荒らしたかのように背中が震えた。
何者にも穢されたことのないトラゾーを染め上げ汚してることに興奮で自身が口内で大きくなっていく。
「ん゛ぅ♡♡!!」
「じょーず♡トラゾーは物覚えがいいね♡」
短く揃えられた黒髪を撫で、頭を掴んで喉奥に根元まで捩じ込んだ。
「ゔぶっ♡!!?」
喉奥を犯されてるトラゾーは下を触ってないのに床板に向かってまた白濁を吐き出した。
「(乱暴にされる方がいいのか?それもいいこと知っちゃったな♡)」
飲み込めなくて顔に飛び散る白濁にトラゾーの顔や髪が汚れる。
そのコントラストに興奮は高まっていく。
「トラゾー、ほらおいで♡」
胡座をかいてその上にトラゾーを乗せて後ろに屹立した自身を充てがった。
「ひゃっ♡な、にッ、なん、です、か…っ♡♡」
タメ語のトラゾーも敬語のトラゾーも可愛い。
寧ろ敬語の方が興奮する。
「トラゾーのナカに俺のを挿れるんだよ。言ったろ?まぐわいだって♡」
「んあッ♡♡」
ちょっとしか慣らしてないのにトラゾーのナカは簡単に俺のを飲み込んでいく。
グププププッ♡と滑る湿った音に耳のいいトラゾーは真っ赤になって俺を見下ろす。
「いつも俺が見下ろしてるからなんか新鮮♡」
ぐぽんっっ♡♡と奥ハメされてトラゾーが身体を仰け反らせて潮を吹いた。
初めての感覚にバタつかせる脚の膝裏に腕を回し開かせてから腰にそのまま回す。
「ぅきゅっ♡♡!!?」
身動き取れない状態で更に奥に先端を捩じ込まれたトラゾーからは小動物のような鳴き声が上がった。
「ぁはっ♡トラゾー可愛いよ♡♡」
「あ゛っ♡♡ひ、んぁうぅ゛ッ♡♡♡」
きゅうきゅうと俺のを締め付けて欲しがってるトラゾーのナカに我慢していた精子を吐き出す。
注ぎ込み塗り付け刷り込むようにして。
「ぁ、あ゛〜〜〜ッッ♡♡♡」
「トラゾー俺との赤ちゃん孕んじゃったらどうする♡?」
男の神様を孕ませれるかは分からないけど。
そう言うとトラゾーがあからさまに動揺した。
いやいやと首を振って俺から逃げようとする。
「なんで逃げるの?気持ちいいでしょ♡」
「ひぉ゛っ♡♡♡」
押し倒して上から叩きつけるように奥を突く。
俺の出した精液が溢れて、抜き挿しすることで泡立つ音がしている。
「ら゛ぇ♡ぉ、れ、ッ♡♡!ぉち、ちゃ、うッ♡♡」
「おちる?」
「ひ、と、になっ、ちゃ、ぅ゛♡♡♡」
弱い抵抗で俺の胸を押し返そうとする手を床板にきつく縫い付ける。
「…よかった♡それが目的だから安心して、たくさんトラゾーのナカに注げるよ♡♡」
「ぁ、ま、ッ♡♡い、っく、ぅンッッ♡♡♡」
「あははッ♡♡ちゃんと言えたイイコにはご褒美あげなきゃ。人はそうやってるんだよ。だからトラゾーもちゃんと覚えて俺にご褒美頂戴ね♡⁇」
吐き出したばかりのナカにまた吐精する。
トラゾーはその刺激でメスイキした。
俺のことを”よろこばせる”のが上手なトラゾー。
「ふぁぁあ…っ♡♡!!」
「俺のトラゾー。離さねぇから♡♡」
二度と離れない。
俺にこんな執着を教えた神様にきちんと責任をとってもらわないといけないからね。
────────────────────
「くろのあさん…?」
自分が神であったことを忘れ、人に産まれて堕ちたことを知らないトラゾー。
無垢な表情を向けるトラゾーに笑みを返す。
なんの力も残ってないからもうあの鬼面のことも認識できない。
そもそも覚えていないにも等しい。
「トラゾー」
「?」
「俺とずっといようね」
「?はい、俺クロノアさんとずっといたいです」
なんの疑いもない緑。
神に顔を見られた人間は死ぬ。
けど、俺は死ななかった。
ただその逆に神としてのトラゾーは死んだ。
俺の前にいるのは人としてのトラゾーだ。
自分の状況が分からない緑に映るのは俺だけ。
「死ぬまで一緒にいようね」
「死ぬまで……はいッ」
変わらない微笑みを浮かべてトラゾーが俺に抱きついた。
散らばる着物はこの世のものじゃないからトラゾーに着せるわけにいかず、あらかじめ用意していた俺の服を着せる。
汚れた身体も綺麗にしたから、トラゾーのナカはきっと変な疼きが残ってるはずだ。
現に顔は赤く上気して、肩で息をしてる。
「なんかやっぱりおっきい…」
着せたパーカーはブカブカで腕の長さのせいかトラゾーの指先しか見えない。
ズボンはベルトで締めてるから落ちずに済んでるようだけど。
「でもクロノアさんの匂いがする…、ふふっ」
袖に顔を埋めてすん、と匂いを嗅ぐトラゾーを抱き上げる。
「……ねぇトラゾー」
「?はい」
「帰って俺と愉しいことしようか」
「たのしいこと…?クロノアさんとなら、なんだってしたいです、」
俺をさっきまで受け入れていた場所に指を這わせればびくんと身体が跳ねる。
「じゃ、えっちなことしよっか♡」
「、んッ♡…ぇっち、?な、こと、したい、です…♡」
何も知らない子供のようなトラゾーを、これから俺だけのトラゾーに染め上げていく。
人としての悦びをしっかり教えてあげなきゃいけない責任が俺の方にはあるから。
「じゃあ帰ろ♡」
「はいッ♡♡」
あの場からトラゾーは離れることができない、とあの人が言っていた。
だから、離してあげましたよ。
トラゾーをこの場所から、俺の元へと。
けどもう俺のところからはトラゾーは一生、離れられない。
トラゾーにとっての場所が俺に変わったのだから。
願ったり叶ったりとはまさにこう言うことだ。
やっぱ神様はちゃんと人間の願いを叶えてくれるんだなと、トラゾーに分からないようにほくそ笑んだ。
終
#krtr
ポン酢2
4,004
コメント
7件
激重ドロドロ感情もちのクロノアさんすきぃ トラゾーさんはやっぱ純粋無垢だけど堕ちるのは早いから、刺さる人にはぶっささるだろうな(私)
読み終わったあと、しばらく息ができなかった……。クロノアの執着、ずっとずっと前からトラゾーを“自分のもの”にするためだけに積み上げてきたんだなって思うと、胸がぎゅってなった。しかもその執着が“愛”として成立しちゃってるのが、ほんとに怖いし、美しい。トラゾーが無垢なまま堕ちていく描写、凄く丁寧で、読んでて引きずり込まれる感覚があったよ。ポン酢2さんの紡ぐ闇、すごく好き…。続きが気になるけど、この余韻も大事にしたい🌙