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「えー、それじゃあー、渡辺!自己紹介だ」
えーといいながらだるそうに、後ろ毛をかきながら立ち上がった。
「渡辺 翔(かける)…す。富谷中からきやした。…よろしくお願いしゃっす。」
と言い放った途端、すとんとすぐ座り、次おまえだよ、とニヤニヤしている前の席の男の子を軽く蹴った。ニヤニヤしながら立ち上がり、前を向いてメガネをかけ直しながら真顔に戻る。
「森田 隼人です。渡辺と同じく富谷中からきました。よろしくお願いします。 」
と、次々と自己紹介をしていき、次に結菜の番に回った。(ガタッ!!っと慌ただしく立ち上がり、満面の笑みで話し始めた。わかりにくいが、少し緊張しているようだった。
「佐原 結菜です!月下中から来ました!よろひくお願いします!!」
噛んだな、と思った。本人も気づいたらしく、耳が真っ赤になりながら速やかに座った。…笑いそうになった。すると、
近くに座っている男子の群れが、
「佐原さん、可愛くね?」と話し始めた。近くの女子も、可愛いと言い始める。本人には聞こえない程の小さな声だが、昔から耳が良かった私にとっては余裕で聞こえた。
…次は、隣の席に座る早乙女さんだ。
ハキハキした声で、大きな目で真っ直ぐにクラスメイトを見ながら話し始めた。
「早乙女 千鶴です。八重中からきました。よろしくお願いします。」
同じく、早乙女さんでも各地で可愛いとの声が上がった。きっとこの2人はこのクラスで人気者になるんだろうなと、密かに考えた。
隣の列が終わり、次は私が座る列に回った。1番後ろに座る席の人が立ち上がった。
その瞬間、息が詰まった。
木下…くん、だ。
その時、ざわざわしていた周りの視線が一気にその少年へと向いた気がした。
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