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先程、少女から貰った小さな紙に書いてあった場所へ向かう。
──着いた
歩みを止めた私の目の前にあるのは四階建ての赤茶色の外装の建物。
【探偵社】だ
階段を駆け登り、探偵社に入る。
そして社内にある仕切りの向こう側、紙に書いてあった場所を見る。
─── いた 。
中也だ、本物の。眠らされたのか、今は眠っている。
「…中也〜♡」
起こすように揺さぶりながら、会えた嬉しさ半分、何時もの悪戯半分で甘い、巫山戯(ふざけ)た声を出す。
中也が「…んー…?」と目を擦りながら眠そうに低くノイズの効いた声で云う。
「…..な、何だ手前!!!何で俺の前にいる!!!?」
中也が起きて直ぐ目に入った私に驚く。
「何でって…此処は探偵社だし~??」
何時もの様に、煽る様に云う。
「は!?…何で俺が探偵社に居るんだ!?!」
「さぁ?中也小さいから小学生と間違えられて誘拐でもされたんじゃな〜い?」
「そんなわけ….ねぇだろ!!!」
「今一寸(ちょっと)有り得るとか思ったでしょ?」
「思ってねぇよ!!!大体、俺が誘拐されたとして、何で犯人は探偵社に来るんだよ!!!」
「五月蝿いな〜。そんなの私に聞かないでよー」
「五月蝿いのは手前のせいだろ!!!」
「えー?」
(ギャイギャイ
…いつもの声、いつもの景色、そしていつものセリフ
でも、今は其れが心地良い 。
…少しだけ、今の関係のままでもいいかなと思ってしまった。
この思いが中也に届くのは、もう少し先になりそうだ
元ポトマ最年少幹部の片思い〈完〉