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sh「おはようございまーす。」
「あら、おはよー。今日早くない?」
sh「途中で抜けてきました。」
「もう、悪い子ねー」
俺はshk。大学生でゲイバーで働いている。
もちろん、男が好きだけど誰にも言った事はない。
「ねぇー、今日少しだけ残業してくれない?シフト急遽変更になってねぇ。」
sh「あ、全然大丈夫っす。明日休みだし。」
今話してるのは店長。面接をして即決で俺を雇ってくれた。もちろん店長にも男が好きとは話してない。
店長「助かるわー!よろしくねっ!」
sh「はーい。」
俺は制服に着替えながら軽く返事を返す。
着替え終えてまだ早いが店内の掃除や備品のチェックをする。
sh「今日はどんなお客さん来るかなぁ。」
俺は男が好きだが、こうした出会いの場みたいな場所には行った事がない。てか、一人で行く勇気が無いだけなんだけど。
だから、こうしてバイトとして雇ってもらって出会いを求めている。
色々と準備をしていると間もなく開店時間になる。外に出て看板の確認と扉前のカーペットを綺麗に整える。
sh「よし、じゃぁカウンター入っておくか。」
俺がカウンターへ戻るともう一人のバイトの子が顔を出した。
sm「今日早くね?」
sh「途中で大学抜けてきたからな。」
sm「大丈夫かよ、それ、、、。まぁいっか。」
もう一人のバイトのsmだ。同い年でここに入った時期も近いから仲良くなった。相変わらずテンション低いし、何言ってるかわかんないけど、一緒にいて面白い。
sh「この前の客は大丈夫だったの?」
sm「あー、、、あいつは店長に任せた。その後は知らん。」
そして、smはモテる。お客さんからよく声をかけられたり、ちょっかいかけられたりしてる。
本人はカミングアウトしてるが、好みじゃないと無視は当たり前、しつこい奴には殴りかかったりと手のかかる奴でもある。
sh「大変だなぁ、、、あんま問題起こすなよ!」
sm「わーってるよ。」
smとお喋りが終わり一人、また一人とお客さんが入ってくる。一応会員制だからちゃんと同性愛者の人だったり理解がある人ばかりだ。だからノンケだったり茶化しに来たりする客は来るはずはない。
そう、来ないはずだったのに、、、。
カランーーーー
鐘が鳴り入ってきたのはまぁまぁイケメン揃いの四人組だ。
sm「あんた達、ここ初めてだろ?紹介状はあんのか?」
「あるよー。はい、これでしょ?」
sm「、、、なら、入っていい。」
「ありがとねー、お兄さん♪」
明らかにここのお客さんとは雰囲気が違う四人組に俺とsmは警戒していた。
sm「なぁ、shk。あいつら他とは違う感じするから注意してくれ。」
sh「あぁ、俺も感じてた。流石に4人追うのはキツいから俺はあっちの二人監視する。」
sm「了解。頼んだ。」
軽いミーティングを終えるとsmはホールへと戻っていった。俺もまたカウンターで仕事に戻る。
すると、四人組の一人がカウンターへ座った。
見た目は優しそうな雰囲気のイケメンで目元にほくろが付いている。
イケメンに涙ぼくろはずるいな、、、なんて思っていると、声をかけられた。
「ねぇ、お兄さんもこっちの人?」
sh「、、、いや、俺はノンケっす。」
「そうなんだー、、、」
何故かニコニコしながらこちらを見てくる、、、。
やりづらくて仕方ない。smを見ればあいつも監視してる二人に囲まれていた。
sh「何か、飲みますか?」
「んー、、、じゃぁお兄さんのおススメで。」
sh「かしこまりました。」
俺はテキパキとお酒を作っていく。その間も涙ぼくろのイケメンはこちらを見ている。
俺は基本絡まれる事は少ない。
smみたいに顔が良い訳でもないし、話も上手くはない。大体酔っ払った勢いで絡んできたり話かけられたりする事が多かった。
だから、この状況に俺はとても不安と動揺を隠しきれないでいる。
「ねぇ、お兄さんの名前は?」
sh「あ、、、と、shkです。」
「shkね。俺はkn。よろしくね?」
sh「、、、ども。」
俺はチラチラと横目でknを見ながらお酒を渡す。置く時に手が震えていたのを見てknがクスっと笑っていた。
kn「緊張してるの?」
sh「いや、そういう訳じゃ、、、」
kn「おー、、、綺麗な青。これがおススメなの?」
sh「え、、、と、そのknさんの髪が、、、光に当たると少し青っぽかったので、、、青をメインに、、、作りました。」
kn「へぇー、、、嬉しいなぁ。有難う、shk。」
sh「いえ、、、ごゆっくりどうぞ。」
俺は気まずさと恥ずかしさから少し奥のカウンターへと移動した。
sh「(はぁー、、、なんでこんな日に残業なんだよ、、、。)」
俺は小声で悪態をつき、大きく肩を落としてため息を一つ吐いた、、、。
第一話終わり