コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
どっちかと言ったら髪は短めで
ストレートかと言われたらそうでも無いけど
自然な外ハネが綺麗な人
⠀ ⠀ ⠀
それが林田花音という人だ。
⠀ ⠀ ⠀
人の事を観察したことなんて無かったけど
無意識に目に焼き付いていた。
⠀ ⠀ ⠀
そう。最近はずっと彼女が横にいる
⠀ ⠀ ⠀
彼女が横にいるのが
⠀ ⠀ ⠀
当たり前になっていた。
⠀ ⠀ ⠀
⠀ ⠀ ⠀
第9話 薄いレモンティー
⠀ ⠀ ⠀
⠀ ⠀ ⠀
夕日が静かに沈み込む午後17時
随分と山奥まで入ってきた。
⠀ ⠀ ⠀
花音「ここが私の家だよー」
⠀ ⠀ ⠀
森の中にたった一つの赤いレンガの一軒家。
これが彼女の家らしい。
⠀ ⠀ ⠀
葵「可愛い家だね」
⠀ ⠀ ⠀
花音「そぉ?でもここからだとさぁ頻繁にカラオケにも行けないし映画館も全くないんよぉぉ」
⠀ ⠀ ⠀
葵「そうなんだ…カラオケも映画館も友達と行ったことないや、、笑」
⠀ ⠀ ⠀
花音「えぇ?!毎日つまんないでしょそれじゃ!!!」
⠀ ⠀ ⠀
葵「いやぁ、そういうのには正直憧れるけど実際に行く人もいないから、パンフ見て終わってる笑」
⠀ ⠀ ⠀
花音「じゃあ、今度私と行こうよ!!可愛い服着てバッチリメイクして!!!」⠀ ⠀ ⠀
⠀ ⠀ ⠀
葵「え」
⠀ ⠀ ⠀
友達と出かけたことなんてほぼ無いに等しい。しかもクラスの人気者と…?
⠀ ⠀ ⠀
嬉しいより自分なんかが彼女と行っていいのだろうかという気持ちが勝った。
⠀ ⠀ ⠀
花音「何よーだめなのー??」
⠀ ⠀ ⠀
葵「あいや、そういうんじゃなくて…他の子と行った方が楽しいんじゃないかって…」
⠀ ⠀ ⠀
目線を上げると残り少ないレモンティーを注ぐ彼女が睨みつけてくるのに気づいた。
⠀ ⠀ ⠀
葵「うそです…行く」
⠀ ⠀ ⠀
花音「そうそう^_^ ネガティブ思考やめやめ!!」
⠀ ⠀ ⠀
彼女はそう言うといつも通りの笑顔を見せた。
⠀ ⠀ ⠀
つられて微笑んだ。
⠀ ⠀ ⠀
花音「楽しみー!アオイちゃんらしさ全開で来てね!!!」
⠀ ⠀ ⠀
_アオイちゃんらしさ全開で_
⠀ ⠀ ⠀
彼女の前ではありのままの自分で居ていいんだ。
こんな自分でも胸を張って生きていいんだ。
⠀ ⠀ ⠀
下を向いてばかりの日々は
幕を閉じそうだ。