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第1話読んだよ!19世紀英国の探偵モノ、雰囲気しっかり出てて好きだわ。ルーカスの胃痛ネタとか、クレアの辛辣なツッコミにクスッときた。一億ポンド消失の謎、「消えた」って言葉に引っかかってるの、これからどう展開するんだろう。続きめっちゃ気になる〜!
19世紀_英国。産業革命により華々しい発展を遂げる。しかし王政から続く美しい街並みは如何せん、蒸気機関からの蒸気で汚れている。この時代、光と影は同じ街にあった。
そんな時代の中心ともいえる、ロンドンの一角。ミシェル探偵事務所。俺はこの事務所の名探偵の助手、ルーカス・トライトである。
まぁ、探偵さんほど頭が良いわけでもないので、証拠を集めたり、情報収集をしたりといった程度だが…。
「クレアさん。お紅茶です。」
「…ありがとう、ルーカス。」
アンティーク調の椅子に座って、ふわりと微笑む彼女こそ、この探偵事務所の主。
冷静沈着、頭脳明晰。どんなに小さな証拠すら見逃さない。
そして打って変わって少女然とした動向。
齢17の少女なので当たり前なのだが…。
この少女こそ、ロンドンの誇る迷宮なしの名探偵クレア・ミシェルなのである。(※ルーカスがそう思っているだけ)
ところで、俺は何に向かって自己紹介しているんだ?
(…あぁ、イタい。)
ちなみに、イタいのは俺の先ほどまでの厨二病的言動のことではない。俺の胃のことだ。
昨日の夜は本当に大変だった。おかげで寝不足なのだから。
もう、今にでも寝てしまいそうだ。
だかしかし、寝ることは許されない。
名探偵クレアにバレてはいけない。昨日の夜、何をしていたかなんて。
バレるわけにはいかないのだ。
(…頑張れ俺!疲れたオーラを出すな!)
「ルーカス…、元気ない?」
「そ、そうでしょうか?俺はいつも通りですが…。」
「嘘。いつものルーカスはもう少しうるさい。…何かあったの?」
俺の虚勢は、探偵を前に虚しく散った。というか、ひどい。
(相変わらず辛辣だなぁ……。)
言い訳を考えてると、激しくドアが叩かれた。
よかった…!
「っ!、俺が出ます!」
言い逃れできる口実ができたとばかりに玄関へ。
ドアを開けると、そこには如何にも金持ちという風貌をした小太りの男が立っていた。
男の名前はボブ・アスター。見ての通り、富豪である。この富豪の言い分は、と言うと
「…つまり、取引先とのやり取りで得た一億ポンドが昨夜のうちに消えてしまった。だから探してほしい、というわけね。」
「あぁ!そうだとも!、折角うまくいったというのに…!どうして…!」
彼は、汗を何度も拭っている。それだけ重要な取引だったのだろう。
しかし、気になることがある。
「あのぉ…。窃盗を疑うなら、警察に通報してからのほうが良いのでは?」
「そ、それは……!警察は当てにならんのだ!そもそも…銀行側が、金なんて預かってないと抜かしおる!一億円は消えたんだ!なのに警察は…!!」
おっと、俺は地雷を踏んだらしい。
すみません、クレアさん。任せます。
「…。夢だったんじゃないの?ともかく、私も、窃盗と決まっていないなら、下手に動けないわ。」
「っ!そんなはずはない!っお願いだ!報酬なら倍はやる!頼む……!」
彼女はあまり見通しの立たない事件に突っ込むのを渋っているようだ。
しかし、
「クレアさん。俺たちの事務所の残りの経費。どれだけか分かってます?」
「………。」
目を逸らしている探偵。
冷めきったであろう紅茶を思いついたように飲んでいる。
冷たい紅茶、嫌いじゃなかったか?
俺の目の前にいる可憐な名探偵様は、孤児院に、出た利益のほとんどを支援に充てている。
おかげで、この事務所は少々、いや結構ボロい。
良いことであることは否定しないが、自分のことも考えてほしい。俺のことも。
「クレアさん。」
「はぁ……。わかったわ。依頼。引き受けましょう。」
「本当かね!あぁ……!助かった!、ありがとう!」
アスターは心底安心したような顔を見せた。
「最後に一つだけ聞きたいのだけど…。消えた、で合っているの?」
「あぁ、そうだ!銀行側に預かった証拠すらないそうだ!俺は絶対に預けたんだ!つまり消えたんだよ!!」
「なるほど…。」
では、頼んだよ!!そう言い残し、小太りの金持ちは急ぎ早に帰っていった。
一億ポンドが消えるとか、あるのかよ。