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📖 第十一章:「沈黙の先」
放課後の教室。
ざわめきが消え、生徒たちは次々と校門へと向かっていく。
○○は、いつものように机に伏せたまま、呼吸さえも最小限にしている。
その時、静かな足音が近づいてきた。
「……○○」
声の主は冴だった。
○○は反応せず、ただ微かに体を縮める。
冴:「なんで無視するんだよ?」
冴は少し苛立ちながらも、強い眼差しで○○を見下ろす。
○○は答えずに机に顔を埋めたままだ。
冴:「いいか、今日は黙ってられないぞ」
冴は○○の腕を掴み、教室の外へと導く。
二人が入ったのは、授業が終わったばかりの空っぽの教室。
廊下の音も、外の風も、ここでは届かない。
冴:「……なんで避けてるんだ?」
冴は○○の前に立ち、視線を合わせるように促す。
○○は一瞬、顔を上げる。
しかし、その目には言葉にできない感情が渦巻いている。
冴:「教えてくれよ。俺、何かしたか?」
冴の声は低く、でも真剣だった。
○○は答えずに俯いたまま。
沈黙は二人を包み込み、息が張り付くように続く。
冴:「○○……黙ってると余計に心配になるんだ。……俺に話せることなら、話してほしい」
冴の手が、そっと○○の肩に触れる。
拒絶するでもなく、ただ温かさを感じさせるその手に、○○は微かに震えた。
しばらく沈黙が続いたあと、○○はか細い声でようやく口を開いた。
○○:「……私……冴の周りの人たちを……守りたくて……」
その声は震え、顔はまだ伏せたまま。
冴:「守りたい?……どういう意味だ?」
冴は少し首を傾げ、眉を寄せる。
○○:「……私がいることで……迷惑をかけたくなくて……だから……離れてた……」
○○の声には恐怖と不安が混ざり、でもその理由は明確だった。
冴の“人口”――友達や仲間を傷つけたくなかったのだ。
冴は少し驚いた表情を見せるが、すぐに柔らかく微笑む。
冴:「そんな……俺が気にすることじゃないだろ。○○が俺の周りを気にしてくれるなんて、嬉しいけど……でも一人で抱え込む必要はない」
○○は深く息を吸い、顔を上げる。
まだ涙が浮かんでいるけれど、その瞳には少しだけ、信頼が見えた。
○○:「……ごめん……私、怖くて……でも、冴のために……」
小さな声に、強い覚悟が混ざる。
冴はそっと肩を叩き、微笑む。
「いいんだよ、○○。謝らなくていい.」
○○は小さく頷く。
まだ完全には心を開けないけれど、沈黙の壁が少しずつ薄れていく感覚があった。
空っぽの教室に、二人だけの静けさが残る。
だが今度の静けさは、恐怖や孤独ではなく、わずかに温かさを含んでいた。
END
もうラブラブ系に入ろーかな? ))早くでれでれのカップル作りたい ←
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