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コメント
1件
リク答えていただき本当にありがとうございます😭 保科さんが風紀委員でタバコ吸っているっていうギャップ尊いし、ほんまに文章の書き方うまいなって思いました💕 続き楽しみに待ってます!
今回はリクエストでいただいた学パロをやります!
設定
鳴海弦
高校2年生
身長170cm
帰宅部
親が事故で亡くなっている
授業をサボる問題児だが成績優秀、運動神経抜群
保科宗四郎
高校2年生
身長175cm
剣道部
風紀委員
成績優秀、運動神経抜群
兄の存在が大きすぎるため、東京の高校に進学
現在一人暮らし
それではどうぞ〜
屋上の扉を押し開けた瞬間、鼻にツンとくる匂いがした。
……タバコ。
「……は?」
フェンスの向こう、背を向けて立っている人物に見覚えがあって、思わず足を止めた。
風紀委員。保科。
いつもマスク越しに、遅刻だの制服だのと注意してきて、胡散臭い笑顔を浮かべるあいつ。
火の点いた煙草を指に挟んだまま、保科はゆっくりと振り返った。
「……ああ」
低い声。
いつもより、ずっと素の音。
マスクを外した保科が、まるで別人のように見えた。 あの胡散臭い笑顔も、真面目な印象も
――そのすべてを剥がしたような姿。
「……見られちゃったか」
冷徹な目つき。笑っているのに、全然優しさが感じられない。
その口元に光る、銀色のリングピアスが顔全体に冷徹な印象を与えている。
「え……お前……?」
声が裏返る。
一歩下がると、保科は逆に距離を詰めてきた。
「サボりに来たんやろ。奇遇やな」
京都訛りが、やけに生々しい。
逃げようとした瞬間、背中がコンクリートにぶつかった。
――壁。
「な、何……」
答えるかのように保科はゆっくりと煙を吹き出した。その煙が、流れてきて、すぐに目の前を覆った。反射的に目を閉じるが、目を開けてもまだ煙が目の前に漂っている。
「……お前、風紀委員だろ?こんなところで煙草吸ってる場合じゃないだろ」
そう言ってみるけど、まるで気にも留めていないようだった。
「サボりに来たんやろ?」
口から煙が吐き出され、今度はしっかりとボクの顔にかかった。
「くっ…!」
咳が止まらなくなった。目を閉じると、涙が自然とこぼれそうになるのを感じた。 その瞬間、保科がくすっと笑った音が耳に響いた。
「おい、大丈夫か?」 その笑い声には、全く心配の色がなかった。むしろ、楽しんでいるような、冷たい響きがあった。
「……お前、わざとだろ」
言ってから、自分の声が震えていることに気づいて、少し焦った。
だけど保科は、煙草をくわえたまま、あっけらかんと笑う。
「そんな顔して、煙草も吸ったことないん?」
「吸わねぇよ!」
そう叫んだのに、保科はまるで気にする素振りも見せなかった。
「いや、吸わせてあげるよ」
ボクが何か言う前に、保科は煙草をボクの顔の前に差し出した。
「吸ったら楽になるよ?」
「……ふざけんな」
言葉には力がなかった。
煙草の煙がどんどん 顔にかかってきて、喉にむせ返る感覚に耐えることしかできなかった。
その時、保科がふっと煙をまた吹きかけた。
「げほっ!」
あまりの刺激に、咳き込むしかなかった。目の前で煙が渦を巻き、喉が痛い。
「お゛い、やめっ、ろよ!」
本気で怒ろうとしたけど、保科はただ無表情でボクを見下ろしていた。
その顔が怖かった。
そして、あの笑顔がさらに不気味に思えた。
肩に手をつかれて、息が詰まる。
近い。煙草と、知らない匂い。
「困るんよ。風紀委員が屋上で煙草、なんて話」
くすっと笑う顔が、怖い。
「口、堅い?」
ボクが黙ると、保科は少し首を傾げて、続けた。
「まあ、鳴海は分かってる思うけど。
施設のこと、学校に知られたら面倒やろ?」
……え?
頭が真っ白になる。 なんで、知って――
「隠すの、上手やなあ。成績も運動も。
でも、たまに目が似てるんよ。僕が知ってる“施設の子”と」
指先が壁をなぞって、逃げ道を塞がれる。
「安心し。今すぐ言うつもりはない」
耳元で、低く囁かれる。
「せやけど……黙ってほしいなら……」
くそくそくそ
何でよりにもよってこいつに
「はっ、お前の言いなりなんかになるかよ」
「ええ〜、こんな状態で言い返すん?おもろ」
保科の言葉が耳元で囁かれる。
その音が、なぜかぞくっとして、体が硬直する
「やめろ、離れろ!」
声を張り上げて、必死で言ったけれど、保科は一切動じない。むしろ、ボクが怖がることを楽しんでいるようだった。
「離れるわけないやろ。もっと面白いもん見れるやん」
その瞬間、保科の手が首の横に滑り込んできた。その温もりが、全身に伝わるたびに、恐怖が胸を締め付けた。
「いや……!」
その手を振り払おうとしたけれど、保科の力がそれを許さなかった。
「やめろ、って……!」
言葉は、もう途中で止まった。
保科は、ボクの唇に向かって、まるで強引に押し寄せるように顔を近づけてきた。
その距離が、すぐにゼロになりーー
その瞬間、唇と唇が触れた。
驚きすぎて、何も反応できない。
一瞬、何が起きたのかさえ分からなかった。
「んっ……」
保科の唇は、少しだけ柔らかく、当たるピアスが少し痛かった。
強く引き寄せられた瞬間、どこか冷たいものがボクの中に染み込んできた。
ーーだめだ、動けない。
何もできなくて、ただ保科の唇に支配されているだけだった。
唇を少し離した保科が、ボクの目をじっと見つめる。その目が、どこか冷たくて、でもどこか満足げに光っていた。
「…っクソ野郎」
クスッと笑うだけでまたすぐに顔を近づけてきた。だが今度はうっすら開けていた唇から舌が侵入してきた。
「ん゛ん〜」
ばんばんと保科の胸あたりを叩くがその手も手首から掴まれコンクリートの壁に縫い付けられる。
くちゅ
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い
舌が歯をなぞり、上顎を擦り、喉奥を探るように呼吸を奪う
異物感で吐きそうだ
息が吸えない
先ほどのタバコの煙で目尻に溜まっていた涙がこぼれ落ちる
酸欠で頭がくらくらし、足に力が入らなくなって、そのまま床に崩れ落ちた。多少の痛みはあったけれど、また空気を吸えるようになっただけでほっとする。
「あれ?腰抜けるほど気持ちよかった?」
「…ハァハァ…っし、ねっ//」
保科が同じ目線に降りてくる。
「こんな可愛ええ顔で言われても説得力ないわ」
「っは//⁇」
可愛い??
こいつがボクに??
「うん、むっちゃ可愛い」
そう言うと同時にまた顔が近づく
ーーあ、これまたキスされるやつだ
反射的に目を閉じる
だが思っていた
恐る恐る目を開けるとムカつくニヤケ顔が見えた
「期待してるところ悪いんやけど、もう委員会いかなあかんから」
「っき、期待なんか//」
羞恥で顔が熱くなる
「やから」
ちゅっ
唇が軽くおでこに触れる
「続きはまた今度な」
「は?💢2度と近づくな!」
ニヤニヤしながら立ち上がる姿にまた腹が立つ。
「ほな、これからもよろしく〜」
その瞬間、なんとなく悟った。
――ああ、変なやつに捕まったな
書いてみたらこうなりました……
短くて申し訳ないです。
アイデア(?)みたいのは他のところで見たことがあって、とても癖に刺さったので書いてみました。
本当はほのぼのにしたかったんですがR-18多めとなるとこういうのしか思いつきませんでした…
2人がくっ付いたら甘々にするので!
これからもよろしくお願いします
♡&💬 m(_ _)m