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以下はXX特異生物研究所の資料によるものである。
・XX(以下、unknownと呼ぶ)
・unknownは、国家機密プロジェクトの成果になり得る存在のため一切の口外を禁ずる。
・unknownは食事、睡眠を必要としない。
・unknownは無限に同一個体を生み出すことが可能であり、生殖行為を介する必要性は無い。
・unknownは、死なない。
・unknownが産み出した生命体は、XYと称する。
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全てのXYには、感情がある。
全てのXYには、自我がある。
全てのXYには、知恵がある。
だから、全てのXYは学習した。
unknown以外は、大切にされない事を。
そして、一部のXYは不満を抱いた。
それは、子供心のような些細な不満だった。
「自分のことも大切にして欲しい」
「unknownだけなんてずるい」
「僕も、私も、俺も」
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行き過ぎた好奇心は時として身を滅ぼす、とはよく言ったものだ。
そしてその結果、限りの無い再生能力と超越した身体能力を兼ね揃え、人並みの知恵を蓄えた存在を作り出した上に”飼い慣らせる”と勘違いした愚かな複数名の研究者によって、この世界は滅びの一途を辿ることになる。
人類が自らの希望と称して作り出した叡智の集合体は、皮肉にも人類において史上最大の敵となったのだ。
しかし多くの人類は自身らを過ちに気付かないふりをした。そんな中で過ちに気付いた唯一の研究者こそ、国家プロジェクトの最高責任者であり、unknownを産み出した人物。
その名を、始祖という。