TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

たら物語

一覧ページ

「たら物語」のメインビジュアル

たら物語

7 - 第7話 えび目線2

2024年01月16日

シェアするシェアする
報告する

タラと入れ替わって、まだ慣れない生活を私は楽しんでいた。

時々、「性格がおかしくなった」と言われることも多いが、それほど気にしていなかった。

タラの体だから、好き勝手することはできないけど、非日常的なことにワクワクしていた。

いじめの対処も難しいことではなかった。

「いいもりさーん」

七海さんと鈴木さんが、席に座っている私の前に立って名前を呼んできた。

「調子乗ってるみたいだけど、なに?まさか神原くんと話してないよね?」

何故そうなるんだろう。タラは神原さんに好意を持っていないはずだ。もちろん中身の私も神原さんに好意なんて持っていない。

「なんで?あれから話したことないよ」

正直に答えた。私を睨む鈴木さんの顔は、苛立ちが滲み出ていた。

鈴木さんは「嘘つかないでよ!」と私の机を軽く蹴った。その振動で机の上に置いてあった消しゴムが落ちてしまった。

「嘘なんかついてないよ」

「生徒指導の矢守先生にチクっていい?」

ニヤニヤ笑っている七海さんが、落ちた消しゴムを拾いながら聞いてきた。

七海さんたちが頼りにするような生徒指導、どれほど怖いのだろうか。だけど、私は生徒指導に訴えられるような悪行を行っていない。

「その矢守だかイモリだか知らないけど、言ったところで何も起こらないと思うよ」

私は続けた。

「そもそも私が神原さんに好意を持っている証拠は?勘違いならやめてよね」

気がつくと、教室はしんと静まり返っていた。

「飯森すげえ」「つえー」などという声が教室から漏れた。

七海と鈴木は面食らっている。

「勘違いとか、そういうのじゃねえし」

鈴木が言ってから、七海は拾った消しゴムを私に投げてきた。

勘違いじゃないなら、何なのだろうか。

「飯森さん…なんか、性格変わったね」

その声にはっと我に返る。

加藤さんだった。いけない、タラの体なのに好き勝手に言い返してしまった。

「そんなことないよ!」

慌てて首を横に振る。タラの憧れの人、この人に嫌な偏見を持たれるのは避けたかった。

タラへのいじめに腹が立って言い返してしまったけど、タラの気持ちも大切にしたいのだ。

「あはは、なんかすっきりした」

引かれたと思ったのに、加藤さんは笑って「最高」と拍手をしてくれた。

周りの人たちも「飯森さんすごいね」「鈴木さんたちに言い返すとか強すぎ」とこそこそ話していた。

どうやらタラに味方はたくさん居るようで、少し安心した。

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚