あれ?4ネタ書けないんじゃなかったの?と自分でも驚いてます。
こういうのが嫌な方は絶対みないでください。
では、大丈夫な方はどうぞ!
御本人様には一切関係ございません!
どうして………
なんで…………
俺なんかを庇ったの……?
教えてよ………………会いたいよ……
須貝さん…………
2年前……
izwさんside
須「でさ〜俺がやらかしちゃってw」
伊「珍しいですねw」
暦上は春だというのにひんやりとした寒空の下、2人で買い物に来ていた。次の撮影で使うらしく、本当なら他の人が買う役目だったらしいけど忙しいみたいで、手が空いてる俺と須貝さんで買いに行く事になったんだ。今は買い物した後2人とも両手に袋を持って帰路に着く所。最近起こった話とか、過去の動画と今の動画の差とか、たわいのない話をしながらだった。
須「あ、青になった。」
伊「よし、早く帰りましょ!珈琲でも飲んで温まりたいですし。」
須「そうだな。じゃ、俺が淹れるか!」
伊「え、良いんですか?」
須「もちろん!」
伊「やった!須貝さんの淹れる珈琲って美味しいんですよねー。」
須「そう言って貰えると嬉しいなぁ。」
……でも、そんな小さな約束も、守れなかったんだ。
危ないッ!!!!!
キィーーーッ ドン!!
伊「………え?」
なにが、起きたの…?なんで須貝さんが血だらけで倒れてるの……?なんで……?
“救急車を!!!”
“大丈夫ですか!?”
そんな声が聞こえた。そこで俺も何が起こったか分かった。
信号無視の車が俺たちの元にとんでもないスピードで走ってきた。そして、俺を逃がす為に須貝さんは、自分の身を犠牲にして、俺の事を突き飛ばしたんだ。
俺は急いで駆け寄った。
伊「須貝さん!!大丈夫ですか!?」
頭から大量の血を流し、身体の一部が変な方向を向いていた。このままじゃ…そう思って、声をひたすらかけた。届くように。
須「……ゎ…」
伊「!!」
声が届いたのか、須貝さんは微かに目を開き、血があまりついていない左手を俺の頬に添えてこう言った。
須「ぃざわは……なんも悪ないから………俺がしんでも…なんも気にせんでや…俺…お前の笑う顔が……安心するから……」
伊「しぬなんて言わないでくださいッ……生きてください!もうすぐ救急車も来ます!だから…!」
須「……クイズ未経験だった俺を……見捨てないでくれて……ありがと…嬉しかった………。」
伊「嫌です!やめてください!!!」
須「……約束…守れなくて……ごめんな…」
そう言ったっきり、その目が開くことはなかった。
ー病院内ー
福「伊沢!!」
山「伊沢さん!!」
河「どうなったんだ…!?」
伊「……」
俺が連絡して数分後、3人が集中治療室前に走ってきた。
伊「分からない…」
分からない、なんて言うけど……多分…
医師「……。」
暫くして、治療にあたったと思われる医師が出てきた。
伊「あ、あの…どうでしたか…?」
微かな希望を持っていた。あの人なら大丈夫なんじゃないかって。でも……
医「持てる全力は尽くしたのですが……」
そういいながら、首を横に振ったんだ。
数日後、葬式が行われた。あの人の古くからの友人や、大学で一緒に頑張ったというライバルで、親友。沢山の人が別れをつげに来た。
視聴者さんにも、ちゃんと動画で、姿を出して発表した。もちろん、テレビで先に報道されてるけど。だって、あの人が突然亡くなったんだ。そりゃそうだよね。でも、そんな当たり前の事すら分からないほど、俺は弱っていた。その動画のコメント欄は別れを惜しむもの、思い出を語るもの、悲しみを打ち明けるもの、あの人の多くのファンのコメントはまるで俺の涙の様に溢れ出した。
Pコンビはずっと俯きながら作業をしてる…つもりなんだろうけど、一切手が動かない。
山本は、あの人の仕事机の席に座り、涙を必死に堪えてる。
鶴崎は、あの人に貰ったという大切なペンを握りしめて、静かに泣いていた。
東兄弟は、いつもあんなに2人でくっついて行動していたのに、バラバラで動いていた。
志賀さんは、みんなを励まそうとしてくれていたけど、その笑顔も上手く笑えてなくて、とてもつらい事をさせてしまった。
乾は、先輩に対しても色々容赦なかったのに、それもなくなった。
…誰しもが深く悲しみ、前を向けなくなっていた。立ち直れなかった。だって、誰かが欠けたQuizKnockなんて、考えられなかったから……
ー 現代ー
…あの日からちょうど2年後、俺は夜遅くに墓参りにきていた。
伊「……こんにちは。いや、今はこんばんはか…」
みんなは前を向いていこうと必死に頑張っていた。悲しみは消えない。でも、ずっとそうしてる訳にはいかないと立ち直った。
そうやってみんなは頑張ってるのに…俺はまだ引きずってるんだ。あの日の事を。
伊「どうして………なんで…………俺なんかを庇ったの……?教えてよ………………会いたいよ……須貝さん…………」
涙が止まんないや……
命をかけて助けてくれた人に対して、なんて言い草なんだろう…ほんと最低だな…俺…
でも…会いたいよ………
会って謝りたいよ……………
「泣かないでよ……伊沢。」
伊「………え?」
須貝さんの……声?
下を向いていた頭をあげると……
「伊沢……」
透けて見える、だけど、確かにそこには…
須貝さんがいた。
伊「え……?なんで……!?」
「ははっ、いい反応するやん。」
伊「貴方…須貝さんですよね…?」
「そ!ナイスガイの須貝だよ!!」
久しぶりに聞いた、大きくて、ハッキリと聞こえる挨拶。動画の為にと着てくれていた、派手なオレンジ色のパーカー。親指を立ててニッコリと笑うその姿は2年前と同じだった。
伊「う、うぅ……!!」
「ちょちょ、泣かないの!」
伊「だってぇ……!!」
「…まぁ、泣かないで、なんて無理だよな…俺も伊沢の立場だったら人目も気にせず泣くだろうし。」
伊「いや人目は気にしてくださいよ。」
「お、伊沢のツッコミ!懐かしい〜」
…変わらないな。この人は。
伊「…話す時間って…ありますか?」
「まぁ、一応ね。」
伊「…そうですか。じゃあ…あの日の事について、謝りたくて…」
「…やめてよ。」
伊「え?」
「俺が悲しくなっちゃうじゃん…俺はお前を助けたくて、助けたんだから、謝られると悲しいよ…」
伊「!」
「あ、ちなみに、謝罪じゃなくて、お礼の言葉なら受け取るぞ?」
この人は………本当に……
伊「…助けてくれてありがとうございました。」
「どーいたしまして!」
伊「…ねぇ、須貝さん。」
「ん?」
伊「今、QuizKnock内で◯◯って企画やろうとしてるんですが、どう思います?」
「えー?楽しそうやけど、ちょっとむずない?」
伊「ふふ、鶴崎にも同じこと言われましたよ。」
「俺と鶴崎は相思相愛なんでね!」
懐かしいな…そのセリフももう…何年も昔なのか…
伊「ちなみに今、福良さんに絶賛野菜を食わそうキャンペーンしてるんですけど…」
「なんちゅうキャンペーンやww」
…そうして、この2年間の出来事を話した。須貝さんはとても嬉しそうに聞いていて、反応も面白かった。
伊「〜って事もありました。」
「ほんまオモロいなwww」
……なんて話をしていると…
伊「…あれ?身体が…」
「………もう、時間みたいや。」
ゆっくりと足元から消えていき、キラキラと光を放っていた。
「なぁ、伊沢。最後に…独り言聞いてや。」
伊「…はい。」
「俺な、まだこの世に未練たらたらなんよ。」
伊「…。」
「もちろん、伊沢を助けたことに後悔なんてしてない。正しい選択だって今でも思う。悲しませてしまったって意味では良くなかったけど。…俺、アイドルの握手会とか行きたいし、テレビでクイズ王として呼ばれて優勝とかしたいし、甘いものとか、いっぱい食べたいし、爆発の実験とかしたいし、メンバーともっと楽しく過ごしていたかった。もう叶わない夢だと思うと悲しいよ…でも、俺はみんなが悲しむ姿を見るのが1番悲しいんだ。だからさ、みんなにも言っておいてほしい。
“大好きだ”
って。
“天国で応援してるぞ!”
って!」
伊「ッ……」
「…そして、伊沢にも。」
伊「?」
「俺がしんだのは、お前のせいじゃない。引きずるなとは言わない、でも、俺は……お前の笑ってる顔が、何かを楽しそうに話す顔が好きだからさ。ね?最年長の最後の我儘……きいてほしいな!」
伊「……っ、分かり、ました!」
「そうそう、そうやって笑ってくれたら嬉しいよ。あ、無理はすんなよ?お前、社員に心配されがちだからな。」
伊「ウッ……」
「………伊沢。」
「?」
「…俺をQuizKnockに入れてくれて…ありがとう。おかげで毎日が楽しかった!」
伊「!」
「…じゃあ、またいつか絶対に会おうな!」
…須貝さんは大粒の涙を流しながらも笑いながらそう言い終わると光とともに消えていった。
伊「……う、うぅぅぅ…!!」
あの人の前で、泣かないようにしてたけど…もう…泣いていいよね?
……でも、あの人の、最後の願いは…
“笑っていてほしい”
だから、これが最後。
もちろん、墓参りにはくるけどね。
ー 次の日のオフィスー
伊「おはようございます!」
福「…伊沢?」
河「どうしたんだ?」
久しぶりに大きな声で挨拶したらこんな反応返ってくる事ある?
“社員に心配されがちだからな”
…須貝さんの言ってた事、ほんとだな。
伊「…みんないる?」
山「?はい。」
鶴「お話ですか?」
伊「……うん。あのさ……」
俺は昨日の事を少し話した。
志「ほんとですか!?須貝さんに会ったって…」
伊「うん。会話したからね。」
問「須貝さん……」
伊「そこで、みんなに伝言を預かってる。」
他「?」
伊「悲しまないでほしいって……
“大好きだ”
“天国で応援してるぞ!”
……って。」
他「!」
河「ほんと……あの人はっ……」
福「何処までも……人の心配をッ…」
鶴「ほんと…須貝さんらしいな…」
乾「ですね…天国で応援してくれてるんだ…」
問「……優しすぎますよ…ッ…」
言「……良い先輩を持ちましたよ…」
山「うぅ…!泣かないって思ってたのにぃ……!」
志「…私も…涙が止まんないです…」
あー。まぁ…そうだよね。
須貝さーん、後輩泣かせちゃいけませんよー!
なんて心の中で叫んでみたり。
悲しまないようにって言ってたんだけどなぁw
福「…だから伊沢、今日憑き物がとれたような、いい笑顔なんだね。」
伊「憑き物!?」
乾「憑き物って表現されることに喜んどいた方がいいですよ。」
伊「え、なに、もっと酷いのあんの!?」
他「wwwww」
…俺はやっぱり、あの日の事を、いつまでも引きずるんだろうなって思う。でもね、須貝さん…貴方の想いを無駄にする気なんてありません。俺は…俺たちは、ちゃんと前を向いて歩いて行きます。これから色んな壁が立ちはだかろうと、絶対にそれらをみんなとぶっ壊していきますよ。だから、安心して天国から見守ってほしいです。
…さようなら。なんて言いません。だって…
須貝さんは、今でも大切な仲間なんですから!!
ありがとう!
何処からか、そんな声が聞こえた気がした。
「さようなら」なんて言わないよ 終
長いな。
ちなみに、タイトルの「さようならなんて言わないよ」なんですが、sgiさんも「さようなら」なんて言ってないんですよね。
「またいつか」と、いずれ会えると信じてるから!という気持ちをこめて。
てか、自分で書いといて、泣きました。涙腺よわよわなんで。
では、閲覧ありがとうございました!
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