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ふとファデュイの蛍術師の気配がした。
(これは…雷元素か。)
パイモンはすぐさま木の陰に隠れ、空は剣を構える。
「あら~噂の旅人さんじゃな~い?」
蛍術師は艶やかな声でそう言いながら、空のもとに近づいてくる。
空は無言で剣を構えたままだ。それでも構わず蛍術師は続ける。
「ああ、そうそう。旅人といえば…魈という名の仙人を召喚できるんでしょう?」
空はファデュイがその事を知っていることに少し驚いたが、まあそうか…と納得する。
(これまで何度か窮地に陥った際に魈の名前を呼んだことがあるし、ファデュイがそれを見ていてもおかしくないな…)
蛍術師はそれをみてにっこりと微笑む。
「やっぱりそうよね~。その仙人を呼ばれると、手がつけられないって聞いたわ。」
「俺はこれ以上お喋りを続けるつもりは無いんだけど。」
空はキっと蛍術師を睨み付ける。しかし彼女は続ける。
「私はね、面倒なことが嫌いなの。自分が傷つくことも考えたくないわ。だから…!」