温かい布団に包まれた身体。
少しずつ目が開こうとしている。
窓の外からは優しい光が、闇を焼き殺す様に地へと降り注いでいる。
まだ寝ていたかったのに時間と眠気が飛んでゆく。
まだ開ききっていない目、ふわふわした頭。
段々と覚醒してきた自分は 起き上がり、
スマホを開き時間を確認して顔が青ざめる。
僅かな眠気が一瞬で消えた。
走る足は階段を駆け下りて、急ぐ腕は蛇口をひねる。
目の前にミントの味と冷たい水が現れた。
タオルで顔を拭いて、また急ぎ足で居間の方へ向かった。
朝食を食べて、自分の部屋に戻り着替えをすると
安心したかのように昨日の夜に準備した荷物を持って家を出た。