俺には弟がいる。常人より力や体が強く大きく、そして優しい弟が。
「にいちゃん、あめ、あげる!」
「兄ちゃん大丈夫?無理しないでね。」
「兄さん、ずっと、大好きだよ。」
でも、それゆえによく問題を起こした。
優しいのはわかってる。でも俺は正直、弟が…ソウが、怖かった。
それは周囲の人も思っていたらしく、みんな徐々にソウを避けていった。
「なにをやってるんだ…お前は俺たちの子供じゃない!」
「きっとそうよ…私たちの子供がこんな凶暴なはずない。ほんとうに、」
「「4ねばいいのに」」
結局俺は、逃げるように家を出て、一人暮らしを始めた。何から逃げたのか、自分でも分からない。
そんなある日。ピンポーンとお世辞にも広いとは言えないアパートの一室の呼び鈴がなり、宅配なんて頼んだっけ?なんて呑気なことを考えながら、ドアを開けた。
「はーい、どちらさま………」
ゴッ
鈍い音が腹に響くと、俺は状況を理解できぬまま、意識を手放した…
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!