テラーノベル
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周りが静まり返り、夜が更ける頃、私はまた貴方を想う。
私の一部でも知る貴方に今日も思い出してくれたら、と淡い期待が膨らむ。
そんなはずはないのに今日も同じ事を想い合っていると勘違いを起こす自分が消えない。
思考を巡らせると、貴方と過ごした一瞬が走馬灯のように駆ける。
私はきっと貴方のきらきらしたよく似合うあの笑顔を忘れることはない。
あの笑顔を見たときの衝撃も、煌めきも、瞬きも忘れられない。忘れたくない。
それを思うと同時に私は貴方に謝りたかった。
置いてけぼりにしたら怒るの、知っているのに。
そして感謝を伝えたかった。私の傍に居てくれてありがとうって。
さいごまで貴方の為でいられない。それでもどうか私のことを許してね。
願わくば貴方にいつか、真っ直ぐで貴方のための光が振り注ぎますように。
貴方の未来が輝きで満ちたものになりますように。
私のことを忘れて幸せになってね。
でもちょっとだけ覚えていてね。
最後まで我儘に付き合ってくれてありがとう。
息をふっと吐く。
白い息が空に溶ける。
見上げれば吸い込まれそうな黒色が何処までも続いていた。一歩、踏み出すには充分だ。
深夜未明、夜陰に乗じてひとりの少女が姿を消した。
羽海汐遠
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#創作BL
灯依
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コメント
1件
うわー、めっちゃ切ない…。この物語全体が静かな夜の暗さみたいに広がってて、感情がじわじわ沁みてきたよ。特に「覚えていてね」「でもちょっとだけ」って願いが、置いていく側の優しさとわがままが混ざってて心に刺さった。最後の「一歩、踏み出すには充分だ」で、彼女の覚悟が感じられて、第1話でこんなに響く作品、久しぶりだわ。続きがすごく気になる!