テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
287
31,990
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
その日の夜。
騒ぎ疲れたメンバーたちは、ようやくそれぞれの部屋へ戻り始めていた。
「じゃあおやすみ〜!」
「明日もよろしくー!」
リビングも、少しずつ静かになっていく。
でも。
たっつんだけは、まだソファで顔を覆ったままだった。
「……終わった」
「何が?」
隣でじゃぱぱが楽しそうに笑う。
「全部や!!」
「でもかわいかった」
「もうその単語禁止!!」
今日だけで何回言われたかわからない。
たっつんが恥ずかしさでぐったりしていると、じゃぱぱが小さく肩を揺らした。
「そんな照れる?」
「照れるわ!!」
だって。
“もう一回”なんて、自分から言うつもりじゃなかった。
思い出すだけで顔が熱い。
すると、じゃぱぱが少しだけ真面目な顔になる。
「……でも嬉しかったよ」
その声が優しくて。
たっつんは言葉に詰まる。
じゃぱぱはそっと、たっつんの手を軽く包んだ。
「たっつんから来てくれたの、初めてだったし」
「っ……!」
また心臓がうるさい。
たっつんが視線を逸らすと、じゃぱぱが少し困ったみたいに笑った。
「そんな顔されたら、また好きになる」
「増えるな!!」
思わずツッコむ。
じゃぱぱは吹き出した。
でもそのあと、小さく呟く。
「いや、ほんとに」
静かなリビング。
二人きり。
照明も少し暗くて、空気がやわらかい。
じゃぱぱがそっと距離を縮めた。
「……今日、いっぱい嬉しいことあった」
「……ん」
「手繋げたし、好きって言ってくれたし」
ひとつずつ数えるみたいに言う。
そのたびにたっつんの顔が赤くなる。
そして最後に。
「キスのおかわりくれたし」
「言うなぁ!!」
じゃぱぱが楽しそうに笑う。
でも今度は、たっつんも少しだけ笑ってしまった。
するとじゃぱぱが目を丸くする。
「……笑った」
「悪いか」
「いや、好きだなって」
また真っ直ぐ。
たっつんはため息をつきながら、小さく呟いた。
「……お前、ほんま俺のこと好きやな」
その瞬間。
じゃぱぱが少しだけ照れた顔で笑う。
「うん。めちゃくちゃ好き」
どくん。
心臓が跳ねる。
でも今回は、たっつんも逃げなかった。
少しだけじゃぱぱの肩へ寄りかかる。
「……俺も」
「え」
「だから毎回聞き返すなや!」
じゃぱぱが嬉しそうに笑う。
そして次の瞬間。
ふわっと、優しく抱きしめられた。
今度はたっつんも自然に抱き返す。
その動きに、じゃぱぱが少しだけ息を呑んだ。
「……それ反則」
「仕返しや」
たっつんが小さく笑う。
じゃぱぱは数秒固まったあと、耳まで赤くしながら顔を埋めた。
「……無理、好き」
「お前ほんま語彙なくなるな」
「たっつんのせい」
二人の笑い声が、静かな夜のリビングにやさしく響いていた。
続くー!