テラーノベル
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目を開けると、静かな 、 真っ白な世界にいた
座っている椅子が軋む音がよく響く 。 学校で座っていたのと同じだった 。
ぴちゃ、と裸足の足が、下に薄く張られた水で濡れる。
ぼんやりと、ずっと。地平線の向こうを眺めていた 。
どれくらい時間が経ったのかわからない。
ぽちゃ、と不意に水が揺れて、波ができる。
足音がする。
水の上を歩いてきたのは、金髪の青年だった。
ブレザーはどこかに落としてきたのだろうか。ワイシャツが少し濡れていた。
「やば、冷たすぎるやろ、ここ」
来たんだ、と目の前に佇むあなたに笑った。
「来たっちゅーか、引っ張られたんやけど」
愚痴のようで、文句のようで。そんな意図は全く感じられない。
芽衣を見た。上から下まで。
いつものように、制服を着ていた。けれど、そこから見える肌に傷跡はなくて。
ここで、全部消えたのか。それとも、最初からなかったことになったのか。
知らぬ間に、隣に椅子ができていたので腰掛ける。
古びれた様子のそれは、またきい、と音を立てた。
「んで、ここどこなん」
わからなかった。何か答えを返そうと模索していると、
まあどっちでもええわ、と優が呟いた。
水が静かに足首を浸した。あなたの息遣いさえ、よく聞こえた
ぽわ、と小さな、白い炎が灯された。
指先から、芽衣の 全身に広がっていく。
炎が広がるたび、酷い激痛がしっかりと伝わって、顔を歪めた。
昔読んだ本にあった。自死は、この世で最も重い罪であると。
その炎は、優にも広がっていった。
間違いなく酷い痛みのはずなのに、2人の顔は穏やかだった。
「痛いなぁ、これ」
芽衣の燃え尽きようとしている指先を軽く握った。
「そうだねぇ」
呑気な声をあなたに返して、手を緩く握り返す。
全身が、ぱき、と音を立てて割れていく。
芽衣の頭が、優の肩にもたれかかった。
「なぁ。」
優が小さく口を開いた。その目はどこか遠くを見つめているようで、
しっかりと芽衣を捉えていた。
「次は、もうちょい上手くやるわ」
何を。そもそも次があるのか。聞きたいことは山ほどあったけれど。
「待ってる」
今世紀一番の笑顔で、あなたに笑った。
2人の姿は、跡形もなく消え去った。
それが幸せだったのか、呪いだったのかなんて
本人たちにも、きっとわからない。
晴空 めると 🌙
桜は、今日も綺麗に咲いていた。
あとがき
読んでいただきありがとうございます。
このお話について、なんとなく書いています。
原作者なりの解釈も含みますが、正解ではないと思うので
皆さんも自由に想像していただけたら嬉しいです。
優と芽衣は、狡猾ないじめっ子と、いじめられっ子のイメージで書き始めました。
自分はよく、登場人物のキャラに自分を憑依させて書くのですが
優はそれができない難しいキャラだな、という思い。
芽衣に対しての行動は多分恋情から来ているものでは無いです。
ただ、少なくともその思いはあったのかな、と思っています。
愛とか恋とかそういうベクトルじゃない、もっと深くて重い何かが、
2人の間にはあるのだと思います。
キャラ資料もあるのでいつか公開したい。いつか。
幽霊の芽衣に、優が手を引かれて落ちるシーン。
個人的にあれは、芽衣なんかじゃなく、優が作り出した幻覚だと思っています。
16歳の芽衣は、昔みたいに幸せそうな顔で笑いませんしね。
優は若干ナチュラルクズな部分があるキャラなので、設定を深ぼるのが楽しい。
いつかこの2人で別の話も書きたいです。
それでは、ありがとうございました。
またいつかお会いしましょう
2026/04/05
コメント
4件
今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! いやー…前回と同じ感想だけど… 凄く描写が好き過ぎる…!!! 凄く綺麗だけれど綺麗じゃない感じが もう…凄く良い!!!(?) 優は本当に複雑な感情を持ってるよ… 前回でもかなり出て来てるけど… 今回でもその部分が出て来てる気がする… でも個人的には2人が幸せなら良いかな… どんな言葉が呪いになろうとも… きっと2人は変わらず 歩き続ける気がするから…(?)
くうううううううう!!!!とりあえずもう表現と作り込みがえぐいことはわかった!!✨️✨️ あの、ほんとにさ……生身のなんでもない一般人を題材にして、その人たちの心情を抉りとるのが上手すぎやしませんか……?😇😇 ほんと、色々考えさせられる話だったよ……こんな素敵な作品が無料で読めることが幸せ✨️✨️ ありがとうございました!!!!