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結んでさよなら

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結んでさよなら

1 - 結んでさよなら

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2025年09月01日

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第1章:静かなる絶望



教室の隅、黒髪の菊は膝を抱えて座っていた。

外から見れば、彼は完璧な優等生だ。勉強もできる、発言も落ち着いている、周囲の教師や同級生も一目置く存在。しかしその瞳の奥には、誰にも見せられない絶望が潜んでいた。


「大丈夫です……」

小さな声は、自分を誤魔化すための呪文のように繰り返される。


その時、フランシスが颯爽と現れた。

「今日も元気ね、寄生虫。……今日はそうじゃないでしょ?」

華やかな外見、溢れる自信。しかしその笑顔の裏には、執拗な嫉妬と歪んだ愛情が隠れていた。

菊は一瞬息を呑むが、顔には出さず静かに視線をそらす。


今日、朝出会った変な人の言葉が脳裏を過ぎる

「ねえ、友達になろうよ!」

アーサーは純粋に、善意だけで菊に手を差し伸べた。

でも菊の胸はざわつく。

“無邪気すぎる善意が、また余計な混乱を生む……”

分かっているのに、どこかで心の奥が期待してしまう。


菊の心は、少しずつ、しかし確実に追い詰められていった。





第2章:歪んだ愛情



日々が過ぎるにつれ、フランシスの攻撃は巧妙かつ執拗になった。

誰もいない教室での陰湿な言葉、休み時間の小さな罠。

菊は耐え、笑顔を保ちながら心を押し殺す。


マシューは遠くからそれを見守り、胸を痛めた。

「菊……僕の想い、届かないのかな……」

優秀な兄アルと比べ、劣等感に押し潰されそうな日々。

それでも菊への気持ちは消えない。


アーサーは今日も無邪気に動く。

「ねえ、みんな仲良くすればいいのに!」

その一言が、さらに二人の関係を拗らせる。

善意のつもりが、地獄へのスパイスになってしまうのだ。





第3章:決意



ある日の夕暮れ、菊は静かに決心した。

「二人で死ぬことにした……二人で決めたの。だからアーサー、楽に死ねる道具を出して?」

アーサーは驚きのあまり口をつぐむ。

「えっ、そんな道具……ないよ!」


しかし、無力なアーサーが出せたのは、仲直りリボンだけだった。

リボンを手に取る菊。深く息を吸い、フランシスを見つめる。

「ようやく君を手に入れられるよ」

フランシスは涙を流し、苦笑いで頷く。

「ようやく、君は僕だけを見てくれる……」


二人は互いにリボンを巻き、首を結び合った。

まるで世界のすべてを拒絶するかのように、静かに、しかし確かに決意を固める。





第4章:永遠の結び



リボンで首を結ばれたまま、二人は抱き合う。

静かに、ゆっくりと力を失っていく身体。

アーサーは必死に解こうとするが、どうすることもできない。

「なんでッなんでッ…」


その時、マシューが震える手で近づき、目に涙を浮かべながら覚悟を決めた。

「……君が望んだ形なら、僕が守らなくちゃ」


二人の遺体を、そっと隠すマシュー。

愛していた人の亡骸を守ることしかできない。

そして最後に、そっと呟いた。

「僕の恋はここで終わっちゃったみたい、だから…二人で仲良く天国でやっててよ? 僕のためにも。」


教室には静寂だけが残る。

リボンで結ばれたままの二人の姿。

アーサーは涙をこぼしながら、「これで仲直りできたんだよね……?」と呟く。


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