テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
れもん
胡桃⛄️🧡💚
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お題お借りしました
🩷💛です
新曲のリハの途中。俺と勇斗の距離が近くなる振りのその一瞬、おでこの辺りに柔らかいものがぶつかるようにして触れた。
勇斗の唇だ、と気づくのに時間は要らなかった。
こういうのは前にもあったか。
大智がふざけて俺らの頭を掴んで、そのまま近づけて…
あの時は気持ち悪かったな、ほんと。
おでこに残る感触に、あの日のことを思い出す。
💙「うおっ!?吉田さん!?ここちゃうやろ!」
💛「えっ!?そうじゃんまじごめん!」
しくじった。
俺は移動があることをすっかり忘れて、移動してきた大智とぶつかってしまった。
❤️「疲れた?休みにする?」
🤍「しゅんちゃんが休みたいだけじゃん」
舜太とじゅうの掛け合いで、俺のミスは笑いへと変えられた。
このチームは、誰かのミスを決して責めないところが本当にいいところだと思う。
💛「…確かに休んでなかったね、休憩しよっか」
🤍「俺飲み物買ってくるよ、欲しい人いる?」
休みに入ると、じゅうは率先して飲み物を買いに行くと呼びかけてくれた。
いつもはこのままみんながじゅうにお使いを頼むんだけど、今日は違った。
💛「お、おれいく」
🤍「まじ?めずらし。」
💛「うん…いや、なんか動きたくて」
🤍「いいよ、いこっか」
柔太朗は特になにも聞き入ることなく、俺の突然の行動を受け入れた。
💛(ああ、もう…)
俺は逃げるように部屋から出た。動きたいってのは、半分嘘で、半分本当。
体が落ち着かない。
さっきのあの感覚がまだ、やけにはっきりと残っている。
俺はたとえ触れたのがほんの一瞬でも、気持ち悪いからいやなの。
あいつの唇は、柔らかくて、薄い見た目よりも弾力があって。
それが一瞬でも、触れたところから軽く温かくなっていくあの感じ。
掠めただけ、それなのに妙に輪郭をもって思い出される。
ほんと、気持ち悪────
🩷「じんと」
💛「うおっ、!?な、なに?」
びっくりした。
短く名前を呼ぶその声に、俺の思考は遮られ、心臓が強く飛び跳ねた。
🩷「さっきのさ、ごめんな」
💛「…なにが。」
さっきの、とは間違いなく俺に唇がぶつかってしまった事だろう。
そりゃ、嫌だったよ。
でも、勇斗が本当に間違えただけみたいな言い方するから。
ただの謝罪で、無かったことにされそうだったから。
俺はなぜかムキになって冷たく言い返した。
🩷「いや、おまえ分かってるっしょ?笑」
💛「しらん」
🩷「…もー」
勇斗が呆れたように笑う。
俺はその声を背中に受けながら、さっさと飲み物を買って部屋に戻ろうとする。
🩷「なあに、仁人は俺に言わせたいの?」
突然、後ろから腕を引っ張られた。
体が後ろに傾きそうになる。
勇斗はそんな俺の腰に手を回して、後ろからだきかかえてくれる。
至近距離で勇斗に見つめられて、居心地が悪い。
近すぎる。目線をあげるとそこには勇斗の顔があって、目をそらせばいいことも分かってはいるのに、なぜかできない。
💛「なに、? ちけーよ…」
わざとらしく眉を顰めて強がってみても、俺から出る声は全部情けないほど震えていて。
🩷「ふ、笑で、なんだっけ。あ、そうだそうだ…」
勇斗が笑う度、喋る度、俺の顔には息がかかって、距離の近さを痛感させられる。
🩷「仁人、さっきはおでこにちゅーしちゃってごめんね?」
💛「はっ!?おま、!言わんでいいんだよ!!」
わざわざ口に出されると、俺めっちゃ恥ずかしいやつだなって。
ただぶつかっただけなのに、謝られるとあからさま拗ねてて…
そんなことを思うと同時に、先程の場所がまた熱くなって。
どうにもならずに勇斗を押し返そうとしてみるけど、その力も弱々しくて。
🩷「仁人はさ、なんで怒ってるの?俺がちゅーしちゃったから?」
🩷「それとも…ここじゃなかったから?」
にやっとしながら、俺の唇に指を添える勇斗。
真正面から顔をのぞき込まれると、どっちに目線を向いても勇斗が視界に入ってきて。
離れて欲しいけど、離れて欲しくない。
この距離が、吐息の温かさが、勇斗の小さく囁く声が、心地よく感じられてしまったから。
💛「うるせ、よ、バカ…」
🩷「うんうん、そーだね」
俺は勇斗の胸ぐらを掴んで、さらに顔を寄せ付けた。
もうどうにでもなれ。俺をこうしたのは、全部勇斗なんだ。お前が悪い。
おれは自分の唇に、あの時々同じ温かさを感じ た 。
🤍「なんかゴミ捨てて戻ってきたらいるんですけドー…」