テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#シークレットベビー
#ヤクザ
夏目萌*優しい彼~コミカライズ
1,277
西原衣都
639
猫塚ルイ

757
「狡いです……そんな言い方……。そんな風に言われたら、私は……どうすればいいんですか?」
「…………それは……」
「そんな、言い逃げみたいなことしないでください」
「……悪い」
羽衣子はぎゅっと唇を噛み締めた。
「…………私、昴さんから希海くんとのことを聞いた時から、ずっと思っていたんです。昴さんの一番になることはできないんだって……」
震える声で、それでも言葉を紡いでいく。
「だから、せめて傍にいられるだけでいいって思おうとしました。でも、自分の気持ちに気づけば気づくほど、それじゃ辛くて……。だけど離れるのはもっと嫌で……どうしたらいいのか分からなかったんです」
そこまで言った羽衣子は潤んだ瞳を昴へ向けた。
「なのに、今みたいなことを言われたら……私……」
「羽衣子……」
昴は息を呑んだ。
まさか羽衣子も自分と同じ想いを抱えていたなんて思わなかったから。
驚く昴を前に羽衣子は意を決したように拳を握り締め、そして、
「……昴さん。私、昴さんのことが好きです…………迷惑かもしれないし、困らせてしまうかもしれない……けど……好きなんです。ごめんなさい……っ」
「――っ!」
その言葉を聞いた瞬間、昴は堪えきれなくなり、腕を伸ばして羽衣子の身体を引き寄せると、そのまま強く胸へ抱き締める。
「……すばる、さん?」
「謝るな…………いや……違うな。お前にそんなことを言わせてしまったのは俺の方だ」
言いながら抱き締める腕に力がこもる。
「迷惑だなんて思うはずがないだろう。俺はずっと、誰かを恋愛対象として好きになることなんてないと思っていた。これから先も変わらないと、本気でそう思っていたんだ。けど、お前と出会ってからは違った。お前のことを知るたびにもっと知りたいと思ったし、困っているなら力になりたいと思った。俺の傍にいれば危険な目に遭うかもしれないと分かっていたのに、それでも傍に置いておきたいと思った……離れてほしくないのは、俺の方なんだ」
羽衣子の肩を抱きながら、昴は真っ直ぐに想いを告げる。
「好きだ、羽衣子」
それは昴が初めて口にする、飾り気のない本心だった。
「誰にも触れさせたくないし、お前の笑顔を見ていると独り占めしたくなるくらいに……お前のことが好きだ。これからもずっと、俺の隣にいてほしい――」
そして、その言葉と共に昴は羽衣子の顔に自身の顔を近づけていくと、今にも泣き出しそうな彼女の頬にそっと触れ、そのまま唇を重ねていった。
初めはただ触れるだけの優しい口づけだった。
羽衣子は目を見開いたまま固まっていたけれど、何度かキスを交わしていくと胸の奥の緊張が解けたのか徐々に力が抜けていく。
それに気付いた昴は一旦唇を離すと、羽衣子を愛おしむように見つめながら再び口付けていく。
今度は先程よりも長く、角度を変えて愛しさを伝えるように何度も何度も繰り返す。
羽衣子はただされるがまま、初めての経験に戸惑い、どうすればいいのか分からずにいた。
それでも、昴の真っ直ぐな想いが伝わってくるから怖さはなく、むしろ、胸が幸せな気持ちで満たされていく。
先程よりも長い口付けが終わり再び離された時、羽衣子はどこか名残惜し気な表情を浮かべながら昴を見つめていた。
「……っ」
そんな羽衣子を前にした昴はもう一度唇を奪いたい衝動に駆られるも、羽衣子に無理をさせたくないと少しだけ距離を取った。
「……昴、さん……」
このまま終わりなのか、どうなのか分からない羽衣子は不安そうな声で昴の名前を口にする。
「……悪い、いきなり」
「……いえ、その……驚いたけど、でも、……嫌じゃ、無かったので……」
「……そういうことを、軽々しく言うもんじゃねぇよ」
「軽くなんて、言ってないです……私、初めてでよく分からないけど……でも、こういうこと、昴さんになら、されても構わないって……思ってました……」
「……だから、そういうことを言うなって言ってんだ」
「え……?」
「無自覚なのが一番タチが悪い……」
「す、すみません……」
「謝るな。別に悪いことは言ってねぇ。ただな、今そういうこと言われると、反応に困るって言ってんだ」
「…………っ、」
「羽衣子、俺に全てを委ねてくれねぇか?」
「……っ」
「嫌だ、怖いと思ったらすぐに言え。そしたら止めるから」
「昴……さん……」
「羽衣子が欲しい。今すぐに。いいか?」
「…………はい」
羽衣子のその返事が合図だった。
理性を抑えきれなくなった昴は再び羽衣子の唇に自身の唇を重ねると、そのままベッドへ彼女の身体を押し倒してその上に跨るように覆い被さり先程同様深く口付けていく。
コメント
1件
うおおおお!!ついに来たねこの瞬間!!😭💕 昴くんが初めて「好きだ」って言ったシーン、何度読んでも胸が熱くなるよ…! お互いに同じ想いを抱えてて、それでもすれ違ってたのに、やっと重なったね…! キスシーンもすごく優しくてドキドキした…! 次がもう待ちきれないよ〜!!🌸