僕は最近、嫌な夢を見るようになった。
兄さんが殺される夢と、僕が 殺される夢だ。
ただの夢と思うかもしれない。
でもその夢はあまりにも現実的で……
しかも、何回も何回も同じ夢を
繰り返している。
その夢の内容を説明しよう。
僕は鬼というものに襲われかけた。
でも、その時兄さんが僕の事を
庇ってくれて、兄 さんは死んでしまった。
兄さんが鬼に殺されてしまったため鬼が
憎くて、悔しくて、鬼殺隊というものに
入った。
2ヶ月で僕は1番上の柱となったが、
3年後に僕は上弦の壱という
ものすごい強い鬼に
僕は殺されてしまう夢だった。
しかもそれだけじゃない。殺され方が
なんとも生々しく、夢なのに痛みも
感じる気が するのだ。
最初は左腕を切断され、次に左胸を刃で
刺され、 右足も切断され、
最後には胴が真っ二つに なってしまう。
切られる度にすごい痛みが込み上げてくる。
毎日見る訳では無いが、たまにこの夢を
見る。もう3回目だ。
今日も僕はこの夢を見て目が覚めた。
「ッ──────!!!!!はぁっ、……はぁっ、」
………最悪な目覚めだ。
体が暑くて顔は汗でびっちょり。
いつの間にか涙も出てるし、
本当に最悪な気分だ。
こんなところ兄さんには見せられない。
この夢は一体何なのだろうか、
痛みも感じるしやけにリアルだし…、
僕はこんな事を望んでいるわけじゃ
無いのに。
でも考えていたって仕方ないので、
僕はベッドから降りて下に降りた。
「………………おはよう」
「あ、やっと起きたか。遅いぞ」
リビングのドアを開ければ
そこには兄さんが居た。
エプロン姿で朝食を作っており、
今日も不機嫌な顔をしている。
、だめだ、今兄さんの顔を見たら
泣いてしまう。夢の中の兄さんの
死んだ姿が頭によぎってしまう。
いくら何回も見ているからって、
やっぱり慣れないものは慣れないのだ。
「………………………………ごめん」
「……どうした、」
「なにが。」
「……いや、お前今日機嫌悪くないか?
いつもならニコニコなのに」
「別に何も無いって」
「あるだろ」
「……兄さんには関係ないでしょ。」
「…………はぁ。ったく、 なら 飯運ぶの
手伝え」
「、うん」
「『いただきます』」
2人で手を合わせてご飯を食べた。
でも今日は食欲がない。
何もしたくない。
今日学校が休みで良かった……。
「なぁ、やっぱりお前なんかあっただろ、」
「まだ言ってるの。なんもないって」
「俺たち双子だろ、そういうの
わかるんだよ。 」
「……」
「で、どうしたんだよ」
「………………夢を見たんだ。
兄さんと僕が殺される夢。」
「なんだ、そんなことで悩んでたのかよ」
「………ほら、言うと思った。
だから話したくなかったのに」
「……でも今俺は生きてる。
悪夢をよく見るなら少し休んでみたら
どうだ??」
「……そうだよねぇ、うん。 ありがとう」
僕は朝食を食べ終え、自分の部屋に戻った。
悪夢の原因が知りたくて、僕はパソコンで
悪夢を何度も見る理由を調べて見た。
『悪夢 何度も見る 原因』
「……っ、!!!!これは…………」
キーワードを検索し適当なサイトに飛ぶと、
そこには驚きの理由があった。
ストレス、トラウマ、など色々
書かれているが、僕の目に止まったのは
それじゃない。
僕の目に止まったのは、…………
“前世”という事だ。
詳細を調べてみると、
どうやら、悪夢を見ることは誰にでも
あるらしいが、何度も同じ悪夢を見る
のはストレスでもなく、
前世が関係しているらしい。
ではなぜ悪夢に前世の記憶が出るのか。
それは、心の中が助けて欲しいと
ヘルプを呼んでいるから。 との事だった。
心が落ち着いたら、悪夢は見ないとの事。
前世だなんて、僕は信じ難い話だった。
……でも、心当たりがあったのだ。
それも、偶然とは思えないほどの……。
あの夢の鬼、上弦の壱と
全く似ている人が僕の親戚にいるのだ。
……継国厳勝さんと、継国緑壱さんという
人だ。
僕はその人達の子孫。
しかも、夢の中でも 僕は上弦の壱の子孫
だと奴が言っていた。
僕は鳥肌が止まらなかった。
あの二人、継国家は……あの悪夢について
何か知っているのかもしれない。
僕は直ぐに母さんに継国家に行きたいと
おねだりした。
「ねぇ、お願い母さん。継国さん達の
家に行きたいんだ。」
「あら、どうしたの無一郎。
急にそんなこと言うなんて……」
「ねぇお願い。確認しないといけないことが
あるの。お願い!!!」
「……そう言われてもねぇ、」
「お願い、出来れば明日がいいんだ。
絶対に確認しないといけないの。
何でもするから!」
その時、僕の兄さんが会話を聞き付けて
やって来た。
「どうしたんだよ。」
「あら、有一郎。無一郎が継国さんの家に
行きたいってずっと言ってるのよ……」
「はぁ?なんで…………」
「確認しなきゃ行けないことがあるんだ。
本当に重要なことなの、」
「うーん……どうしましょう」
「こら、無一郎。母さんを困らせるなよ」
「わかってる!!!でも本当に
大切なことなんだ。何でもする。
お願い母さん。」
「………………はぁ、分かったわ。
無一郎だけじゃ心配だから、有一郎も
着いて行ってくれる?」
「……ほんとっ!?」
「えっ、母さん俺も行くの??」
「えぇ。でも、夜の8時には
帰ってくるのよ」
その後、僕は自分の部屋に戻った。
これでようやく継国家に行ける。
あの夢は絶対にあの二人と関係しているに
違いない。
「おい、無一郎、どういうことだよ。」
僕の部屋をいきなり兄さんは尋ねてきた。
まぁ無理もないだろう。
「えへ、、ちょっと確認したいことが
あってね」
「…………なんだわざわざ継国さんの
とこに行くんだよ?」
「それは…、家に行ってから同時に話すから
それまでお楽しみ」
「全然楽しみじゃないけどな」
「え~そう?まぁ僕は明日に備えてもう
寝るよ」
「……分かった。おやすみな」
「おやすみ!」
次の日、僕達は朝早くから準備をし
電車に 1時間半揺られ続けた。
継国さんの家は田舎で、
動物や自然で溢れているところにある。
僕達は 1年ぶりに継国さんの家に
行くため、 少し緊張している。
さらに、いつもなら 両親と一緒に行くの
だが、今日は初めて 2人だけで行くため
さらに緊張している。
電車をおり、30分間歩き続け、やっと
家に着いた僕たちは継国さんの
インターホンを鳴らす。
「……いらっしゃいましたか。
先に上がっていてください。
兄上!!!!お二人が来ましたよー!」
「『はい。 お邪魔します』」
緑壱さんが僕たちを迎えると、先に上がれと
言われたため挨拶をしたあと 僕達は部屋に
移動した。
「うむ………座れ……話をしよう。……
……今日はどうした。……来るとは
聞いていたが…二人だけで 来るとは…」
厳勝さんはお茶を入れながら
僕たちに話しかけた。
ちょっと時代遅れな人だけど、
僕たちを すごく愛してくれている。
……でも、やっぱり似ている。
僕は、夢の中でこの人に殺されたんだ。
あとから緑壱さんも来て、4人で
向かい合わせになるよう座った。
「わざわざ俺達のために時間を使って
くださり ありがとうございます。
俺はただ 無一郎の付き添いで、
話があるのは無一郎らしいです。
俺も何の話かは聞いていないのですが……」
「………………うん。」
「そうか…………無一郎、私達に……
何の話が…………」
「……あのね、 僕怖い 夢を見たんだよ」
「はぁ……!?お前、まさかあの夢の話か?なんでそれだけで……」
「兄さんは少し黙ってて」
「………うむ。で、その夢が なんなのだ…」
「……僕ね、兄さんが殺される夢みたの。
鬼っていうやつに兄さんは殺されちゃった。
僕はそのせいで、鬼が憎くて鬼殺隊っていう
もの に入ったんだけど、3年後に僕も鬼に
殺されて 死んじゃった。
でもね、その 死に方がすごく生々しくて……
左腕切断され、次に右胸を刺されて、
右足も切断されて、 しまいには胴が
真っ二つに なってしまうんだ。
痛みも感じる気がして……。
しかも1回だけじゃない。何回もこの夢を
見るんだ。
僕はその原因をパソコンで調べて
みたんだけど……。前世が関係している
らしいんだ。僕はそんなの嘘だって
思ってたんだけど……
1つ思い当たることがあるんだ。
僕を殺した鬼が、……
厳勝さんにすごく 似ていたんだ、
目は6つだったけど……。
しかも、僕たちって子孫でしょ?
夢の中でも子孫って厳勝さんの 似てる鬼に
言われたんだよね。
あまりにも偶然だとは思えないでしょ?
だから、直接話してみようと
思って来たんけど……なにか
知ってることはある?」
厳勝さんと緑壱さんは目を開いていた。
「…………少し、待っててくれ………」
そう言って、2人は部屋を出ていって
しまった。一体何なのだろうか。
「……む、無一郎……お前、なんで
俺に伝えなかったんだよ」
「……え?だって兄さん、こんな事
信じないでしょ?
だから話さなかったんだよ。
本当は一人で行くつもりだったし。」
「…………信じないもなにも、
こんな辛い夢の詳細を俺に話さなかった事に
怒ってるんだよ」
「そんな理不尽なぁ、………」
会話を続けていると、
厳勝さんと緑壱さんが帰ってきた。
そして、何故か緑壱さんは手に刀らしき物を
持っていた。
…………………あれ、これまさか……
「……!!!えっ、これ……
夢で出てきたものと同じだ。
僕が戦うために使っていた刀にそっくり、」
「……これは………大正時代の刀だ。
大正時代には……鬼がいた。
お前はきっと……本当に前世の記憶を
持っているのだな……この刀の持ち主は……
お前だ…………」
「……、じゃあっ、僕、本当に 柱として
鬼と戦っていたの?
……あと、厳勝さんは昔僕のこと、
殺した の?」
「…………うむ。……そうだ。……
そして…… 私は前世鬼だった……
お前を殺したのも…………この私だ……
今は反省している……が……
まさかお前が……前世の記憶を夢で
見るとは……」
「……ねぇ、この刀ってさ、 今でも
使えるの?」
「………うむ…………」
「えっ、じゃあ、僕、呼吸使えるの!?」
「ちょっと待て、 俺だけ 着いていけない
んだが…… 呼吸って なんだよ 」
「あ、そっか、兄さん知らないもんね。
呼吸って言うのは、鬼を倒す為に必要な
技だよ。」
「…………はぁ、?」
「で、厳勝さん、呼吸って今使えるの?」
「……使えるが…………今のお前には
負担が大きすぎる………… 何にしろ、
お前は鍛錬も呼技もなにも 練習して
いない……」
「でも使ってみたい!!僕、なんだか
使える気がするんだ。夢のおかげで
やり方もわかるし、ねぇお願い。
1回だけ!!!」
「…………呼吸は負担が大きい と
言っている……。お前は今成長期だ… 」
「………………だめぇ??」
僕は上目遣いで目をうるうるさせる。
兄と同じで厳勝さんはこの顔に弱い。
「うぬ………………1回だけだぞ……」
「やったぁー!!!じゃあ兄さん!!
外行こ!!!」
僕は刀を持ち、兄さんの手を取った。
「あっ、おい!!!」
僕達は家を出て庭にやってきた。
厳勝さんと緑壱さんは端で
見守っている。
「……兄上、本当にやらせて いいの
ですか?」
「…………1回くらいならいいだろう」
「……なんだかほんと子供に
弱くなりましたよね」
「…………何か言ったか」
「いえ、別に何も。」
「兄さんっ見ててね!!!今から
すごいことするから!!」
「おっ、おい…!?危ないからやめろ!!! 」
「大丈夫だって。ただ100年振りに
刀を握るだけだよ」
「どういう事だよ!!!」
うーんと、確か、肺に酸素をたっぷり
取り込んで、血液中の酸素濃度を高める
んだったよね。こうすると、
一瞬で高い集中力と身体能力を
手にすることができるから……
「霞の呼吸……漆ノ型…朧」
その瞬間、僕は舞い上がり、
動きに大きな緩急をつけた。
霞で僕の姿も庭も 見えなくなり、
その時 木に 一撃を 入れた。
木は綺麗に真っ二つ になった。
「……はぁっ、はぁ…… ほんとに
できたぁ、……」
兄は言葉も出ないのか、肩を震わせていた。
「どう?兄さん。僕昔はこんな感じで
鬼をぶった斬ってたんだってさ。」
「…………怖い。」
「え……?」
「いつも甘えてくる癖に……
こんなバケモンみたいな技出せる奴は
無一郎じゃない……!」
「それ褒めてる??」
「……半分な」
「ふーん、……まぁ褒め言葉として
受け取っておくね」
「…………無一郎、体は大丈夫か……」
「あ、厳勝さん!!体は問題ないよ」
「……そうか、終わったなら貸せ……」
「ちぇ、はーい」
僕たちはまた部屋に戻り、 休憩した。
「あ、そういえば厳勝さん。この悪夢、
どうしたら見なくなると思う?」
「……うぬ………私にも分からない…… 」
「……そっかぁ、でも話が出来て良かった。
ありがとう」
「……また何かあったらここに来い……
私たちはいつでも相手になる……」
「うんっ!!ありがとう」
その後、僕たちは家に戻り、兄 さんと
話をした。
「……うーん、話は繋がったけど、
悪夢をどうやったら見なくなるのかが
問題なんだよねぇ」
「いっそ寝ない方がいいだろ」
「嫌だよ!!!寝ないと死んじゃうし……
………………あ、!!!そうだ!!!」
「うわっ、急に大声だすなよ……
なんかいいアイディア思いついたのか?」
「1週間兄さんと一緒に寝てもいい? 」
「は???」
「いや、なんかね、その、安心したら
悪夢見なくなるかなーって思って……。
ダメだったら他の方法探すから。
お願い、1週間くらい付き合ってよ」
「いや、母さんと寝ればいいだろ……」
「兄さんがいいの!!!!」
「………………」
「お願い!!!可愛い弟からのお願いだよ」
「自分で可愛いとか言うな!!!
……………………まったく、ほんとに
1週間 だけ だからな!!」
「………………っ!!うん!!!!
だいすき!!!!」
「わかったから離れろ!!!!」
*
僕達は1週間、二人同じベッドで
眠りについた。
ダメ元でやってみたが、案外 効果が
あって、悪夢を見ることは なくなった。
「兄さん!!悪夢見なくなったよ」
「ああ、良かったな。それじゃ自分の部屋で
寝れるだろ」
「やっぱりこれからもずっと一緒に
寝て欲しい」
「……は?ダメに決まっているだろう。」
「えぇっ、酷いや兄さん!!
急に兄さんと一緒に寝なくなったら、
もしかしてまた悪夢見ちゃうかもしれない
んだよ。それでもいいの!?」
「……………………それは、」
「じゃあ僕と一生一緒に寝て。」
「一生は無理だろ」
「じゃあ僕の相手ができるまでずっと 僕の
傍にいて」
「お前に相手ができても相手に隣を譲る
つもりは無いぞ」
「……………………………ずるい」
「………………はぁ、?」
「兄さんやっぱり僕、相手いらないから
僕の お嫁さんになってよ」
「ちょっと待て待て待て急展開過ぎて
話が追いかないぞ!?しかも俺が
嫁なのかよ!!!」
「だって兄さん可愛いし」
「可愛くない!!!」
「兄さん顔真っ赤だよ。かわいい」
「……………………、」
「てことだからこれからも僕のとなりで
一緒に寝続けてね。ぼくのお嬢様♡」
「気持ち悪い!!俺はもう寝る!!!」
「え~っ、酷い!!!」
END
あと書き
まじですみません最後手抜きました
書くのダルすぎて……。
コメント
1件
これが手抜き?!本当に上手すぎます·····