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れつご
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「……お邪魔します」
気づいたら、そう言っていた。
言った瞬間に、後悔する。
帰るチャンスは、あったのに。
「いらっしゃい」
prは振り向かないまま答える。
その声が、妙に自然で。
まるで最初からこうなることを 分かってたみたいで――
怖い。
靴を脱いで上がる。
一歩踏み込んだだけで、 外の空気が遠くなる感覚。
ドアは閉まってるだけ。 鍵もかかってない。
それなのに。
「そこ座れ」
ソファを顎で指される。
素直に従ってしまう自分が、 一番嫌だ。
「水でいい?」
「……うん」
コップが差し出される。
受け取るとき、指が少し触れる。
びくっと反応してしまうと、
「まだそんなビビってんの」
軽く笑われた。
「だって…」
「さっき“無理やりしねー”って言っただろ」
「……言ったけど」
信用していいのか分からない。
でも完全に嘘とも思えない。
その曖昧さが、 一番タチ悪い。
「なあ」
prが隣に座る。
距離、近い。
「スマホ」
「え?」
「出して」
反射的に、ポケットを押さえる。
「なんで」
「別に」
平然としてる。
「誰と連絡取ってんのか、気になるだけ」
「それ、普通に嫌なんだけど」
少し強めに言う。
すると――
一瞬だけ、空気が変わった。
「嫌、ね」
低い声。
さっきより温度がない。
「俺のは見ていいけど」
スマホをテーブルに置く。
「お前のはダメ?」
「そういう問題じゃ…」
言い終わる前に、
ぐっと距離を詰められる。
「じゃあ何」
逃げようとすると、 肩を軽く押さえられる。
強くはないのに、 動けない。
「見られて困ること、あんの?」
「ないけど…!」
「じゃあいいじゃん」
正論みたいに言う。
でも違う。
「違う、そういうのじゃなくて」
「じゃあ何」
同じ言葉を、もう一度。
逃げ道を塞ぐみたいに。
「……」
言葉が出ない。
prはそれを見て、
小さく息を吐いた。
「ほら」
手を差し出す。
「貸せよ」
「……やだ」
やっと言えた拒否。
その瞬間。
ぴたり、と動きが止まる。
「……ふーん」
視線が落ちる。
そのまま、しばらく沈黙。
――やばい。
さっきの“静かになる感じ”だ。
怒鳴られる方がまだマシ。
何考えてるか分からないこの時間が、 一番怖い。
「……じゃあいいや」
ぽつりと呟く。
え、と思った瞬間、
「今はな」
続けられる。
背筋が冷える。
「そのうち見せたくなるだろ」
「ならないよ」
即答。
でも声が弱い。
「なるって」
軽く笑う。
「お前、もう来てるし」
「……」
何も言えない。
「帰れば?」
突然言われる。
「今ならまだ、普通に戻れるぞ」
試されてる。
分かる。
ここで帰れば、 多分まだ間に合う。
でも――
「……帰らない」
気づいたら、そう言ってた。
prの目が細くなる。
「なんで」
「……分かんない」
本音だった。
怖い。
でも離れたくない。
「正直でいいね」
少しだけ優しい声。
でもその奥にあるものは、 確実に深くなってる。
「じゃあさ」
肩に手を置かれる。
今度は、さっきより自然に。
「一個ずつでいいからさ」
「……何」
「慣れてけよ」
耳元で囁く。
「俺に」
心臓が強く鳴る。
「今日は」
指が、そっと手首に触れる。
さっき掴まれた場所。
「逃げないでいられたら合格」
「……なにそれ」
「テスト」
冗談みたいに言う。
でも目は笑ってない。
「その代わり」
少しだけ間を置く。
「ちゃんと優しくする」
その言葉に、
少しだけ安心してしまう自分がいる。
――だめなのに。
「……帰りたくなったら」
恐る恐る言う。
「帰して」
一瞬の沈黙。
そして――
「いいよ」
あっさり返ってくる。
でも。
「帰りたくなったらな」
その一言が、引っかかる。
“思えたら”ってこと?
「……」
何も言えない。
「ほら」
軽く引かれる。
「もうちょいこっち来い」
距離が縮まる。
肩が触れる。
逃げようと思えば、逃げられる。
でも――
動かない。
「な?」
低い声。
「できてんじゃん」
逃げないこと。
それ自体が、 もう“選ばされてる”って気づく。
でもそのまま、
動けない。
「いい子」
ぽつりと言われる。
その一言で、
胸の奥がざわつく。
嫌なのに。
怖いのに。
「……っ」
なぜか少しだけ、
安心してしまった。
その瞬間。
――もう戻れない、って分かる。
外の世界が、
少しずつ遠くなる。
友達も、 帰り道も、 普通の距離感も。
全部。
ゆっくり削られていく。
気づいてるのに、
止められない。
「なあ、ak」
名前を呼ばれる。
「これからさ」
耳元で、静かに。
「もっと楽になるよ」
その言葉が、
優しいのに。
どうしようもなく、
怖かった。
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡500
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