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R side
ゔぅー…頭が痛い…。 今、何時だ…?
時計に目をやると6:00を指している。
昨日は高熱で身動き取れなかったんだっけ、
……あれ?そういえばカノンさん家に来たよね…
…水飲ませてくれたり…ご飯作ってくれて…
痛む頭で昨日の出来事を断片的に思い起こす。
それから、俺たち…
R「っえ?え?…え?!」
ーー俺の方が好きです、ルイさんのこと。
その言葉だけは鮮明に思い出せた。
思わず口に手を当てる。
夢?!まさかの夢落ちじゃないよね…?
狼狽えながら、足音を立てないようそーっとリビングへ向う。
もし…もし、 カノンさんがいたら起こしてしまうかもしれないから。
…あ…っ…。
そこには、静かに寝息を立てながらソファに横たわるカノンさんがいた。
思わず目を瞬かせた。
…本物だ。
てことは…昨日の、夢じゃない…?
そっと近付き、顔のすぐ横にしゃがみ込んだ。
わぁ〜♪寝顔、天使みたい…可愛い…///
観察が止まらなくなる。
真っ直ぐ伸びた睫毛。
筋の通った鼻。
口の端はキュッと上がっている。
わ…俺、この唇とキスしたんだ…
色んな気持ちが忙しく巡る。
ゆっくりと指先を近付け、唇をなぞった。
K「…ん…」
カノンさんは眉間に皺を寄せて、顔を横に振る。
やばい、起きちゃう…っ
夜中、おでこのタオルを何回か変えてくれた記憶がうっすらある。きっと寝不足だろう。
間違えて起こしてしまう前にシャワーを浴びに行くこのにした。
ザァァァァ…
R「あぁ〜きもちぃ〜♪」
久々のシャワーの温かさが、まだ弱っている身体に染みた。
脱衣場を出る。
ドライヤーの音でカノンさんを起こさないように髪は濡れたままだ。
バスタオルでワシワシと髪を拭きながら、リビングに入る。
すると、心配そうな顔をしたカノンさんとばっちり目が合った。
R「あ、…」
K「ルイさん…もうシャワーなんか浴びて大丈夫なんですか?」
R「うん、熱下がってだいぶ動きやすい」
K「そうですか…」
カノンさんが息を一つ吐く。
R「カノンさん、本当にありがとう…来てくれて、泊まってくれて」
抱き締めたい。
そっと近づいて両腕を伸ばす。
カノンさんが恥ずかしそうに俯いたのを合図に、身体を優しく抱き寄せた。
K「はい…///」
カノンさんが背中に手を回してくれる。
温かい。
昨晩も、こうして抱き合ったのかな…。
はっきりと思い出せない。それが悔しくて、カノンさんの首元に顔を埋める。
しばらく甘い空気が流れていたのに、何故かふと思い出した。
R「ん?そういえばさ、なんで家の住所…」
実は俺のストーカーだった…とかじゃないよね。
K「あ!!!!」
カノンさんが思い出したように大きな声を出す。
K「これこれ、これです!」
慌てた様子でカバンを漁っている。
そこから出してきたのは俺の免許証。
K「ルイさんが落とした免許証、預かって、なかなか取りに来ないから来たんです、だからこれのおかげ」
R「ははっ…うそ、自分の落とし物に救われたってこと?」
K「はい、落としてくれてありがとうございます」
カノンさんが笑いながらふっと息を吐き出した。
笑った顔も、可愛い…。
そうだ、ちゃんと確認したいことがある。
R「あのさ、俺たちって付き合う事になったのかな?昨晩の事、部分でしか思い出せなくて…」
その瞬間、カノンさんの顔が赤くなった。
K「付き合…っ、それは、まだです…///」
R「そっか…」
カノンさんの潤んだ瞳を真っすぐに見つめる。
今にも視線を逸らしたいと言うように揺れている。
R「カノンさん、俺の恋人になってくれる?」
照れくさくてつい頭の後ろを掻いてしまう。
少し間が空く。
そして、カノンさんは顔を赤くさせたまま、コクコクと必死に頷いた。
R「…よかった」
そうだ、まだ聞きたいことあったんだ。
距離を詰める。
口元をカノンさんの耳に近づけた。
R「昨日さ、俺たちキスしたよね?」
低い声で囁く。
した。と言うように、かのんさんの肩がピクンと跳ねた。
胸を軽く押してソファに座るように誘導する。
俺はソファに片膝を付いて、カノンさんを見下ろした。
自然と上目遣いになった黒目がちの瞳に、胸が熱くなる。
R「ね、どんなキスだったか覚えてなくて…、カノンさん教えてくれる…?」
困った顔が見たい。
K「…っいじわる…/// 」
カノンさんがもっと目を潤ませる。
そこから視線を離したくない。
もっと、困って…?
R「ね、早く… 」
鼻と鼻が触れるくらい近づく。
カノンさんが覚悟したかのようにギュッと目を瞑った。
小さく震える唇が掠めるように触れた。
そして、少しの圧力がかかる。
優しい。
カノンさんらしいキスだった。
口元が緩む。
でも、全然物足りなかった。