目を開ければ、いつも目の前にあなたがいて。
目を閉じれば、いつもあなたの温もりがあって。
そんな幸せな日々が続くと、本気で思っていた。
暇 夏津(いとま なつ)
いるまの旦那。
暇 偉琉真(いとま いるま)
なつの嫁。
桃瀬 藍(ももせ らん)
いるまの幼馴染で親友。
ずっといるまが好きだった。
⚠️妊娠パロ
紫が居なくなって、どれくらい経ったのだろうか
気付けば笑顔と暖かさで埋め尽くされていた家が
俺の絶望と紫の居なくなった寂しさで埋め尽くされていた。
2年前の冬、紫は突然姿を消したー。
なんの前触れもなく、音沙汰もなし、荷物も置いて出ていってしまった。
なにか、しただろうかと自分の記憶を振り絞り考えた。
何度も何度も何度も何度も何度も何度もー。
けど、何も思い当たらなくて。
泣いて、悔やんだ。
あれからずっと紫を探している。
なのに、手掛かりすらも掴むことが出来ない。
赤)紫…ポロッ
会いたい。
ただそう願って、今日も仕事へ行く。
いつか帰ってきた時、暖かく迎えられるように。
俺を嫌いになったわけない。
だから、きっとなにか悪いことに巻き込まれたんだって自分に言い聞かせる。
悪いことに巻き込まれるのもやめて欲しいけど、
嫌われた訳じゃないんだって言い聞かせる。
そうでもしないと、
自分がこわれてなくなってしまいそうだからー。
赤)んんぅ(伸)
仕事を終え、家路につく途中ある音を聞いた。
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赤)なんだ、楽しそうだな笑
祭りか。そうか、もうそんな時期か。
紫と毎年いってたな…
赤)2年ぶりか、行ってみよ
紫が居たり、しないかな…なんて笑
赤)どこもカップルだらけだなあ
ほんと、嫌んなるぜ
子)うぇえん( > <。)
うわ、子供じゃん…こど、も…
赤)…?お、れ、、、?
あまりに俺にそっくりだから20年前からタイムスリップでもして来た自分自身かと思った…
ただ相違点を挙げるのであれば、瞳の色と歯の形
紫にそっくりな黄色い瞳に八重歯だった。
赤)お嬢ちゃん、迷子?
彼女の母親が気になって、父親が気になってつい声をかけた。
いや、気になったは違うな。
確かめたかった。
これが紫の子でないと言うのならば一体誰なんだ
笑顔も、眼差しも紫にそっくりで、振り返った時の表情と髪色、目の形は俺にそっくり。
俺達の子でないわけがない。
赤)俺が一緒に探してあげるニコッ
桃)えなぁー!!えなー!!!
紫)ッッどうしよう、えながッッポロポロッ
桃)1回、迷子センター行ってみよう
紫)変な人に攫われたりしてたらどうしようッッポロポロッおれが、目を離したからッッ…
桃)紫!行くぞ!
紫)う、うん…ポロッ
ある日、娘のえなが言った。
『お祭り、キラキラだねぇ!花火、ぴかぴか!』
2歳にしては話せている方なのだろうか、1人目だから分からないがまだ少し拙い言葉で祭りへの関心を述べた。
普段、自分の意見は言わない子だったから連れて行ってあげたいと思ってしまった。
桃にも迷惑かけるな、と思ってしまったが聞かれていたため渋々3人で来たんだ。
なのに、なのに、なんで?
えなはいつもいい子にしてただろ?
俺も桃も毎日働いてえなのために順番に休み取ったり早上がりしたりして寂しい思いさせないようにして、休日は休み取って遊んでってやってただろ?
ちゃんと、やってたのに…なんでだよ…
神ってやつは本当に使えない。
紫)えな…ポロッ
娘がいることを願って、嫌な予感ともやもやを抱えながら迷子センターへ走った。
え)あ、まま!桃くん!!
赤)…来たか、
今日、面と向かって話をする。
戸籍上、俺たちは家族なはずだ。
離婚届なんて書いた覚えは無い。
実物すらも見た事がないはずだ。
だから、話し合いに応じなければえなを連れて帰れる。
ごめんな、こんな方法しか取れなくてー。
でも、全部受け止めるから。
赤)話してくれよ…紫、
紫)っえなッッ!!!ポロポロッ
娘の声を聞き喜びと安堵で少し声が裏がえる。
しかし、おれの嫌な予感は的中した。
モヤモヤは増し、えなの握る手の先を少しずつ見上げていった。
桃)ピタッ
隣を走る桃が止まる。
俺も、迷った。
止まるか、走り続けるか。
けど、今相手なんて関係ない。
我が子が笑顔で母の迎えを待っている。
止まる訳には行かなかった。
紫)えなッッ!!!ポロポロッ
え)ままぁ!
ギュッ
我が子の無事を確認し、泣き崩れる。
そして、今から降ってくるであろう言葉にどう対処するか、考えた。
ぐるぐると頭の中に言葉が回っておかしくなりそうだった。
しかし、考えていた言葉とはなんなのだろうか。
彼の一言で、全てが吹っ飛んだ。
赤)単刀直入に言う。俺との子だろう?紫
あぁ、そうだよ…
愛するお前との大切な大切な宝物だよ…
けど、お前は望んでいないだろ?
2年前の冬。
最後のあれからまだあれが来ない。
まさかと思い、検査キットを手に取る。
再び手に取ったそれは、確かに線が入っていた。
紫)妊…娠…し、た…?ポロポロッ
嬉しい気持ちの反面、優しい彼の笑顔とある日の宅飲みでのセリフを思い出す。
赤)『子供かぁ…欲しいかって聞かれたら別にいらないなぁ笑』
そう笑いながら答える彼に少し落ち込みつつ、彼が望まないのであれば要らないかなと思っていた
それなのに…それなのにッッ
紫)なんでだよッッポロポロッ
翌朝、何事もないように振る舞いいつも通り彼を見送る。
これが最後になるとも知らずに笑顔で出かける彼に、最後のキスを交わした。
照れる顔も、キスも、ハグも、名前を呼ぶのも、呼ばれるのも、見送るのも、会うのも、全部全部これが最後になる。
その寂しさに涙を零しそうになった。
グッとこらえて、俯いた。
その後最低限のものだけ抱えあいつの元へ行った。
まだ少しも大きくなっていないお腹を擦りこういったのを今でも覚えてる。
紫)『…お前は望んで俺の元に来たのか?』
『…なんて、ごめんなさい、素直に喜べない母親で…ごめんな、ごめんなさいポロッ』
紫)お前は、俺との子なんて望まなかっただろ?
久々に見た彼は、困り眉で目にいっぱい涙を貯めてこちらに言った。
心底腹立つ。
赤)そんなわけ、ねぇだろッッ…
紫)っえ、?
赤)俺はずっとお前をッッ!
桃)えな!紫!
赤)桃?
桃)帰ろうニコッ赤っちゃん今日はえなをありがとうねニコッ
紫)で待って、桃!
桃)えな、行こうか。
え)でもままがぁ
桃)ほら、ままも早く行こー?って
え)ままぁ…
赤)えなちゃん、ちょっとままとお話してもいい?
え)?いいよぉ?
赤)ありがとうニコッ
紫、ちょっと話しよう。
紫)…うん、
最悪。最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪!!!!!
ほんっっっとに最悪!!!
せっかく俺のものになったのにッッ!?
せっかく俺の元に来てくれたのに!?
なんで!?
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!!
なんで今更!!!!
俺の紫なのに。ずっと俺は紫のことを思って生きてきたのになんで!?
桃)なんでだよッッ…
え)桃くん?、こわいよ、?
桃)あ、あぁごめんな笑えな、りんご飴食べるか?
え)食べるー!
この子にパパと呼ばせてくれるかと思っていたのに。
パパなんて呼ばせず、父親としても紹介しなかった。
彼氏とすらしてくれなかった。
この人はえなとままの命の恩人。
これからも、えなを助けてくれるよ。
曖昧な紹介。
悔しい、悔しいけど、紫が選んだんだもんね。
俺は受け入れるよ。
けど、けどさぁ!!!
桃)今更戻るとかありえねぇって…
会場の隣の公園に来た。
高校時代、別々の高校に通っていた俺たちの待ち合わせ場所。
意外と穴場で人は来ない。
たまに来るのは早朝散歩をしている老人夫婦くらい。
また、来るなんて思ってもいなかった。
赤)まず、さっきの質問の答えだけど、”YES”でいいんだよな
返答に迷ったがもう言い訳も出来ない。
紫)そうだよ。正真正銘、俺と赤の子。
赤)ギュッ
なんでッッ急にいなくなったりしたんだよポロッ
紫)だって…だってッッ!!赤が、俺との子を望まなかったからポロポロッ
赤)何言ってんだよお前…俺がいつそんなこと…
紫)久々に家で飲んだ時ッッ!お前言ったじゃんか!!ポロッいるか要らないか聞かれたら要らないって!ポロポロッ
赤)あれは!あれは…その、…
赤)もし、紫が居なくなったりでもしたら嫌だったから…///
紫)っえ…?ポロッ
紫)じゃあ、俺の、勘違い……?ポロポロッ
赤)そうだよ、ばか……ポロッ
紫)ぅ、うぅ…うわぁぁぁぁぁぁあポロポロッ
ごめんッッごめん俺、勝手にポロポロッ
赤)俺も、気づいてあげられなくて、ごめんな…
紫)ぅ、うぅ…ポロポロッ
赤)でもほら、紫、ちゃんと約束守ってくれたろ?
紫)、?
赤)ちゃんと、指輪外さなかったから、俺たちまた出逢えたんだよ
紫)ポロポロッう”ん”ッッ
神、さっきはごめんな
使えねぇとか言って…
拗ねてまた引き離すとかしないでくださいお願いします。
したらぶち〇す。
けど、良かった。
紫)俺たち、まだ夫婦?ポロポロッ
赤)当たり前だろ。離婚届だしてねぇし。する気ねぇし。離さないし。ずっと一緒って言ったし。
紫)そう、だな笑
桃に、お礼言わないと。すぐ家出て、帰るな…
紫)…帰っても、いい?
赤)いいに決まってんだろ。お前の家なんだから。
赤)俺とお前と、えなの…
紫)あ、…
赤)ん?
紫)えなになんて言おう…
赤)そのままでいいだろ。えなのパパだよって
紫)それもそうか。
あぁ、良かった。
俺の事ずっと思っててくれたんだ。
これで桃にもう迷惑書けなくて済むし、
紫)ほんと、良かった…ポロポロッ
え)あ、ままー!!!
ぎゅっ
紫)お待たせ、えな。あ、りんご飴買ってもらったのか!
え)うん!
赤)…ふふっ、
桃)じゃあ、そろそろ帰ろうか、えな、紫…
紫)桃、今までありがとう
桃)ッッは?
いっっちばん嫌な展開になった。
桃)え、ちょ、どういうこと?
紫)そのままの意味。俺、家帰るよニコッ
桃)でも、もう俺の中でえなは娘みたいなものでッッ紫とも…!
紫)言っただろ?えなはお前の娘じゃないし、俺はお前の嫁じゃない。それを前提の同居だっただろ?
桃)そんなの、そんなのずるいじゃん!!!
赤)お、おい…?
え)桃くんどうしたのぉ?
桃)利用するだけ利用して要らなくなったからさようならってか!?
紫)そんなつもりじゃ…!
桃)…ポロポロッ
桃)おれは、あと何回お前に振られればいい?ポロポロッ
紫)ふ、る…?
桃)おれ、何度も伝えたつもりだったよ…
好きだって、付き合おうって…
桃)でもお前は冗談としてしか受け止めてくれなかった…ポロポロッ
桃)やっと手に入ったと思ったのに…また、俺を捨てるの…?
こちらに向ける瞳が涙でキラキラと輝いていた。
それと反対に桃の目にハイライトはなかった。
恨みと妬みと嫉妬…そして、赤に向けられる目は明らかな殺意だった。
赤)ッッ…、
見かけによらずビビりな赤は1歩後ずさりする。
急な大声にえなも泣きかけていた。
桃)こんなのって…ないよッッポロポロッ
紫)…桃、ごめん。
なら尚更、ここでケジメをつけよう。
紫)俺はもう、赤のなんだ。
俺の苗字は”暇”もう”紫呉”じゃない。
桃)そんなの分かってるよッッ!!!けど、けどまた変えられるだろ!?!?ポロポロッ
桃)なぁ、…なんで、”桃瀬”じゃないんだよ…
紫)俺は、変える気ないよ。
この指輪に誓ったから…ずっと一緒だって。
桃)…そっ、かそうだよなポロポロッ
桃)今日は帰りな、明日俺1日出てるからその間に荷物まとめてって…
紫)桃…、
あぁ、、格好悪い。
ダサい。恥ずかしい。
けど、
桃)ポロポロッ
ちゃんと、振ってくれてよかった…
桃)最後にちょっとだけ、
えな…
え)なぁに?
桃)この人は、えなのお父さんだよ。
え)えな、お父さんいるの!?
桃)そう。だから…だからもう俺とはお別れだ
え)え?やぁだ!えな、桃くんと一緒がいーい!
桃)えな?、ままにあんまりワガママ言ったらダメだぞ?
え)桃くんもいっしょーがいいの!!
桃)ままを困らせたらダメだからな。
そして、パパがママを泣かせたらこれに電話して
え)?
桃)えな、電話わかるもんな
え)うん!
桃)えな…元気でな、
赤)あ、おい!桃!!
桃)赤…紫をよろしくなポロッ
泣かしたら…ぶっ〇しに行くからな…
赤)こわ、
けど、安心しろよ
赤)死んでも泣かせねぇ。泣かせたら殺しに来い
桃)あぁ、ポロッ
これでよかったんだな。
さよなら、俺の最愛の人ー。
ヒラヒラッ
歩きながら手を揺らす桃の背中は、どこか大きく見えた。
紫)これで、よかったのかな…
やっぱちゃんと…!
赤)やめとけ、
紫)けど!
赤)男のえーっと、あれだ、うん。あれ
紫)どれだよ…
赤)心に誓ったんだよ、なんか、あれを
紫)だからどれだよ…笑
赤)ははっ
紫)あははっ
え)あははー!!
赤、紫)!?
赤)ぶはっ
紫)えな、おまッッ笑笑
え)ぱぱもままもにこにこー!!
赤)え”ッッいま、いまパパってぇポロポロッ
紫)いや、早い早い
泣くの早いって
もう、逃がさないからな。
絶対幸せにするからなー。
桃)あーあ、終わったなー俺の人生。
ほかに、なにもやることないしな…
いっそ、飛ぶか?笑
桃)そこで死ねなかったら、きっとまだ何か俺に残ってるんだろうなってことにしよう。
そこにあった橋の真ん中まで行く。
そこに、誰かがいた。
身を乗り出し、明らかに飛ぼうとしてる彼を俺は本能的に止めてしまった。
桃)あっぶな、…
?)なんで、止めたの…
桃)なんでだろ…
ぱちっ
彼と目が合う。
同じ目だ…
桃)失礼だけどさ、大切な人とか、いる?
?)いないよッッついさっき、どこぞの男に、取られちゃった笑ポロポロッ
桃)だからだ…
?)?
桃)俺もッッポロポロッ
?)ちょ、泣かないで!?
水がわるいみたいじゃん、ポロポロッ
桃)見水っていうんだ、、なんか可愛い名前だねニコッ
水)な”ッッ!?///べ、べつに!!水男だし!!
あぁ、なんかほっとけないな…
水)じゃあ水たち失恋同盟だね笑
桃)なにそれ笑なんかいいね笑笑
水)///
桃)///
なーんか、可愛いな…
ながっ!?
おもんな!?
意味わかんな!?
あの赤桃紫を書こうと思ったんだけど、
思いつかなくて…
Rはいらなかった!!!!!
まぁリク、、待ってます(多分)
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とんだ
なんかものすごく心に刺さりました、桃桃は瑞ちゃんと幸せになるのかな、