mtk side
あぁ、なんだか今日は寂しいな。
寝ようにも寝れない。部屋が広い。いつもより周りが静かに感じる。今、僕は独りだ。
若井に電話かけようか…こんな時間じゃ迷惑かな…
そんなことを考えていたら間違えて若井に電話をかけてしまった。
プルルルルッと部屋に響く。よかった。若井が出る前に切れた。
「ごめん。ミス」と送る。若井が出なくてよかった。多分、今まともに話せないから。
そんなことを考えていると若井から折り返しの電話がかかってきた。出ようか迷ったが、自分から間違えてかけてしまったので出ることにした。
「…もしもし」
「あ、元貴?どした?なんかあった?」
「…いや、間違った」
「…そ。今からそっちいってもいい?」
「…え、いや、今はちょっと」
「じゃ、向かうから」
「え、」
プツッと電話が切れる音がする。若井と話したせいで余計に独りだという事が思い知らされる。あぁ、嫌だな。
少ししてインターホンがなった。鍵を開けようと玄関まで行ったが体が動かない。
カチッと鍵が開く音がする。あぁ、そういえば合鍵渡してたなと呑気なことを考えているとドアがあいた。
「おぉ、元貴。お出迎え?笑」
「…」
俯いてる僕の横を通って話しかけてきた。
「まぁ、ソファーにでもかけててよ。お茶出すから」
ここ僕んちなんだけどなぁとか思いながらリビングに向かう。台所では若井がお茶を入れてくれてる。
あれ、なんだか部屋が明るい。さっきまで電気つけてなかったっけ。
「はい。出来たよ」
そういい若井がお茶を持ってくる。
「…ありがと」
「いいえー…で、なんかあった?」
「いや、なんもないよ」
「嘘だ。当ててあげる。寂しかったとか?」
あぁ、やっぱり若井は凄いなぁ。なんて感心してると涙が溢れてきてしまった。
「大丈夫だよ、元貴。俺はここにいるから」
そういいハグをしてくれる。
「う”…グッ…泣」
「ゆっくりでいいから全部吐いちゃお?その方が楽になるよ」
「……なんかいつもより、部屋が広くて、静かで…」
「…うん」
「今、僕独りなんだなぁって思って、」
「大丈夫。俺がついてるから。元貴はひとりじゃないよ。」
「ん…グスッ…わかいぃ泣」
「辛い時はいつでも連絡して。ひとりで抱え込まないで。ね?」
「う”ん”…ズっ…泣ありがと、」
「好きなだけ泣きな。俺はずっとここにいるから」
それからしばらく若井の胸の中で泣いた。
「…落ち着いた?」
「うん…ありがと」
「ううん。俺の大事な元貴の事だもん」
「…恥ずいこと言うなよ…若井、」
「ん?」
「また、なんかあったら呼んでもいい?若井が来てくれたら部屋が明るく見えるんだ」
「もちろん。俺が元貴の光になってやるよ」
「…笑さすが若井笑」
「もう疲れたしょ。今日は一緒に寝よ」
2人で寝室に移動し、ベッドに横たわる。
「ありがと、大好きだよ、ひろと」
「っ//俺も大好きだよ、元貴」
へへっと笑い合い、眠りについた。
hrt side
やっぱりきて正解だったな。元貴からの着信履歴を見て嫌な予感がした。俺とのLINE開いてたから間違えてかけちゃったんでしょ?
辛い時は頼ってくれていいのに、俺は元貴の悲しんでる顔を見たくない。だから、いつでも頼って?すぐに駆けつけるから。大好きだよ、元貴。
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