テラーノベル
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「半分不正解で半分正解な。…とりあえず屋上行くぞ」
言いながら、俺の手首をガシッと掴むと、早歩きしだした。
どこか急いだ様子で屋上への階段を登っていき、俺もそれについて行くが
樹くんを見て機嫌が悪くなった、というわけではなさそうだし。
というより、まるで何かから逃げているような緊迫した様子だった。
「ここまで来ればいいか…」
圭ちゃんは俺から手を話し、息をつく。
「圭ちゃん力強いって…っ。なんでそんな焦ってるの?樹くんのせい…?」
「焦ったのはそっちじゃない、女の方だ」
「女って…さっき一緒にいた女の子のこと……?」
圭ちゃんが〝女〟呼びして、そんな憎悪と畏怖感を感じているような瞳をするのは、ひとりしか思い当たらない。
「ね、ねえ、その女の子って、圭ちゃんの知ってる人だった…?」
「そりゃあ。てか、お前もよく知ってる女って言ったら分かるよな…?」
嫌な予感が的中する。
「まさか……杉山、さん…っ、?」
俺の掠れた声に、圭ちゃんは認めたくなさそうに頷いた。
杉山。杉山花音。
以前、俺に嫌がらせをして圭ちゃんとの仲を引き裂こうとした、圭ちゃんの元カノだ。
あの一件から俺たちに近付くことはなくなったのだが、思い出すだけでも鳥肌が立つ。
それ以上に、ひとつの疑問が浮かんだ。
「でも…なんで、杉山さんと樹くんが…?単に仲良くなったとか…?」
俺が首を傾げると、圭ちゃんは怪訝そうに顔を顰めた。
「…嫌な予感しかしない」
「え?なんで……?」
圭ちゃんが嫌悪している杉山さんと、樹くんの組み合わせなんて、なにか不都合でもあるのかな?と頭を捻るが、俺の頭では検討もつかない。
「いや、まあいい。昼休み終わる前にとっとと食っちまおうぜ」
圭ちゃんはなにかを濁すようにそう言って屋上のベンチに腰掛ける。
だから俺も「気にしない方がいいか」と思い直し、隣に座った。
◆◇◆◇
暫しして、ご飯を食べ終わると
教室を出る前にブレザーのポケットに忍ばせておいた
昨日セレクトショップで購入した、箱でラッピングされたアクセサリーを取り出した。
「あっ、圭ちゃん。まだ時間あるよね?ちょっと渡したいものがあるんだけど」
箱を両手で握りながら切り出すと、圭ちゃんは顔だけで俺の方に振り向いて「なんだそれ?」とキョトンとした顔をする。
俺は一呼吸置いてから言葉を選んで話し始めた。
「なんか、圭ちゃん最近素っ気ない気がして、やっぱり樹くんのこと気にしてるのかなって思って…」
「…で、俺の機嫌取ろうと?」
「そ、そうじゃなくて…!圭ちゃんに誤解されたくなかったんだよ…」
「誤解ってなんだよ?」
「そ、そりゃあ…樹くんのことまだ好きだとか思ってることだよ!それにこれは…圭ちゃんに似合うと思って買っただけだし…っ」
語尾を上げてしまい、急に恥ずかしくなってきた俺は両手に持っていた箱を圭ちゃんに押し付けた。
「ほ、ほら早く開けてみて……!」
コメント
1件
今週も尊すぎてしんだ……!圭ちゃんが杉山さんの名前で一気に空気変わるの怖いのに、手首ガシッと掴んで屋上まで連れて行くの男前すぎ😭 からの、アクセサリー渡して「似合うと思って買っただけ…っ」って語尾上がるの可愛すぎか……!!「青い林檎」ってタイトルも切ない予感させるし、杉山さん×樹くんの組み合わせが不安すぎる…。続き楽しみにしてます!
ありあ
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#普通
野々さくら
768
45
#幼馴染
猫塚ルイ

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