マデスは暗黒のオーラに包まれながら、アレスの前に立ち、冷酷な笑みを浮かべた。その姿はただの神ではなかった。彼の体が闇に染まり、異形の力が滲み出している。
「第壱形態――”回”を見せてやろう」と、マデスが呟いた瞬間、体が闇の渦に包まれ、次第に変わり始めた。彼の姿がどんどんと巨大化し、長い腕と、無数の目が全身に浮かび上がっていく。
「これが俺の力だ。お前たちに理解できるか?」
マデスは、存在そのものが流動的になったかのように、その形態を自在に変えながら迫ってきた。彼の腕が地面を叩き、衝撃波が戦場全体に広がる。
アレスは威圧感に怯むことなく、剣前に進み出た。「お前を倒すことに変わりはない!」
その言葉に、討伐軍の戦士たちも奮い立ち、マデスに向かって突撃を開始した。しかし、マデスはその力で次々と攻撃を跳ね返し、討伐軍を次々と吹き飛ばしていく。
エリオスも状況を見守っていたが、マデスの力に息を呑んだ。しかし、彼は決して恐れることなく、冷静に次の手を考えた。
「この力…本当に生身の人間、いや、俺達神々も対抗できるものなのか?」エリオスは内心でそう問いかけたが、すぐにその考えを振り払った。「いや、諦めるわけにはいかない。彼を倒すための策を練らねばならない。」
マドレシスもまた、マデスに立ちはだかり、全開にして応戦していたが、マデスの第壱形態の力は想像を超えていた。
「回は、すべてを循環させる。お前たちの攻撃など、無意味だ。」マデスの声が響くたびに、空間が歪み、討伐軍の攻撃はことごとく吸収され、再び彼の力として戻ってくるのだった。
マドレシスは歯を食いしばりながら、「このままでは…」と焦燥感を募らせた。しかし、ここで退くわけにはいかない。彼はさらに力を振り絞り、マデスの闇に立ち向かう決意を固めた。
アレス、エリオス、そしてマドレシス。それぞれが討伐軍を鼓舞しながら、激しい戦いは続いていく。
だが、その時、マデスの異形の目が一斉に光り輝き、彼の力がさらに高まった。
「愚かな者たちよ、これが”回”の本当の力だ。お前たちは、もはやこの戦いにおいて、何一つ為す術はない…!」
その言葉と共に、戦場全体が黒い霧に覆われ、討伐軍はさらなる危機に直面することとなる。しかし、誰も諦めることなく、マデスに立ち向かう覚悟を新たにした。戦いは、今まさに、最も危険な局面へと突入しようとしていた。
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