テラーノベル
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私には記憶がない。
自分の名前も、周りに居る人のことも。
そんな私には夢で見た人がいる。
靄がかかって、誰なのかは分からないが、ずっと側にいると約束してくれた。
夜空を見た時に、ゾディアークさんという、赤い瞳をした青年に出会えた。
バハムートさん達とは雰囲気が違う人だった。
どこか透明で、綺麗な人だった。
そして、また会おうと約束をした。
あれからゾディアークさんに会えていない。
約束はきっと、私に気を遣って言ったのだろうと思った。
そうじゃなきゃ、あんなに優しい人が約束を破るはずがないから。
カオスさん 「エクスデス…」
私 「どうかしましたか?」
暗い表情で、カオスさんに話しかけられた。
何か思い詰めているような表情をしている。
ゼロムスさん 「エクスデス…お前…最近誰かに会ったりしてないか?」
私 「えっ?あの…実は…」
私はゼロムスさん達に、ゾディアークさんの事を話した。
そしたら、アルテマさんは泣き出してしまった。
私 「あ、あの…どうかしたんですか…!?」
バハムートさん 「…実は…お前が会ったゾディアークは…
私 「えっ…あっ…あっ…」
あはは…全部思い出した…
そうだ…ゾディアークさんは…あの子は…私を庇って死んだんだ。
私 「はぁ…はぁ…ゲホッ!」
私は六神の中で一番弱い。
だから力もなく、役立たずの存在だった。
マズイ…敵の攻撃がくる…避けなければ…身体が…動かない…
諦めた私は瞳を閉ざした。
私 「ケホ…ケホ…ゾディアーク…?」
そこで、ゾディアークは血を吐いて倒れた。
私 「ゾディアーク!ゾディアーク!しっかりしろ!」
ゾディアーク 「…エクスデス…あはは…大丈夫か?」
私 「私のことは良い!今アルテマを呼ぶから!」
ゾディアークは首を横に振った。
ゾディアーク 「良いんだ…もう…充分幸せだったから…」
諦めた顔をしているゾディアーク、それと同時に涙が溢れた。
私 「そんな事言わないでくれ!お前が居なくなったら…私は…!」
ゾディアーク 「…本当は…死にたくないよ…もっと…お前らの側に居たかった…
でもね…もう良いの…エクスデスが生きててくれて、嬉しいから…だから…
そのショックで、記憶を失ったんだ…
あぁ、だからゾディアークは他と雰囲気が違ったんだな。
少し薄くなっていたのは、もうこの世には居ないから。
見えていたのは、成仏出来ていないから。
私はゾディアークの墓の前に来ていた。
ゾディアーク 「何だ、来ていたのか」
私の後ろに、ゾディアークが居た。
死ぬことも考えて居た私には、もう見えても意味がない。
ゾディアーク 「私の元には来るな、お前には生きていて欲しいんだ」
私 「私に生きる資格は無い…だから…責めて償わせてくれ…」
ゾディアークは私の顔を見て、涙を溢していた。
ゾディアーク 「何言ってるんだよ…お前は…私の為に…頑張ってくれたんだろ?
ずっと…苦しい思いをしてまで…」
私 「…!」
そうだった。私は…ずっとゾディアークの希望を奪って、 時に泣いてしまった事がある。
私 「生きてて…良いのか…?」
ゾディアーク 「…うん…私は…エクスデスの事、大好きだよ…これからも…ずっと…」
私 「…ありがとう…」ポロポロ
「ゾディアーク、」
「何だ?」
「また、ここに来ても良いか?」
「あぁ、ずっとここで待ってる、」
コメント
4件
確かに前回ゾディアークさんはエクスデスさんとしか話していなかったですし、話しかけられたとき驚いてましたね!伏線回収が凄すぎる、!!二人の優しさが伝わります☺️
うぅぅ、、、(>_<。)薄々勘づいてはいましたがやっぱりですか、、、ゾディさんの優しさが滲み出ていますね🥲︎✨ エクさんには前を向いて今を生きてほしいものです、、、😭😭😭