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夜更け。
静かな部屋の中で、僕はふと目を覚ました。
雨音はもう弱まり、代わりに聞こえるのはnoobの穏やかな寝息だけ。
(……寝顔、無防備すぎるなぁ……)
隣で眠る彼は、少し髪が乱れていて、口元がほんのり緩んでいる。
昼間の気まずさや強がりも全部消えて、ただ静かに眠るその姿。
僕は思わず身を起こし、noobの方へ身を乗り出した。
(もし僕が……悪い人だったらどうするの?)
そんな言葉が頭をよぎって、ほんの好奇心で――
片手を布団に置き、彼の上に覆いかぶさるような体勢になった。
寝ているnoobの顔が、すぐ目の前にある。
息が触れそうなくらい近い距離。
「……っ」
僕は慌てて目をそらした。
(……なにやってるんだ、僕……)
胸がざわついて、変な熱が喉まで上がる。
でもすぐに大きく息を吐いて、そっと彼の横に転がり戻った。
「……ごめん、noob。友達にこんなことするの、間違ってるよね……」
誰に聞かせるわけでもない小さな声。
noobは何も知らず、すやすやと眠り続けている。
僕はもう一度毛布をかけ直し、その寝顔から目を逸らす。
eliotがため息をついて横を向いたあと、部屋には再び雨音と寝息だけが残った。
noobは布団の中で、薄く目を開けていた。
(……見られてた。僕の寝顔……押さえ込まれてた、よね)
心臓が変に跳ねて、眠ったふりをしたまま動けなかった。
そして――しばらくして、布団が揺れる気配がした。
そっと顔を近づける息遣い。
次の瞬間、頬に触れる、かすかで一瞬の温もり。
「……寝てるなら、これくらい……いいよね」
小さく囁いて、eliotは反対側に体を向けた。
背中をこちらに見せて、もう何もなかったように眠ろうとする。
noobは布団の中でぎゅっと手を握りしめた。
(……今の、キス……だよな……?)
瞼の裏が熱くなり、心臓が止まりそうなくらい速く脈打つ。
身体がしっとりと汗ばむ。
顔は動かせない。
息も乱せない。
すぐ横を見ると、
eliotは反対を向いたまま、
眠ろうとしていた。
さっき触れた唇の感触が、頭の中から離れない。
「……やっぱ、無理」
eliotが小さく呟くと、布団の中で身を起こす。
すぐ隣に眠るはずのnoobの顔を覗き込み、その無防備さに喉が鳴った。
――ほんの遊び心のつもりで。
けれど気づけば、唇は深く重なり、舌が自然と相手の口内を探っていた。
「……んっ……」
抑えきれずに漏れた小さな声。
eliotは一瞬動きを止める。
(……今の、気のせい?寝言、かな)
そう思い込みたくて、軽く笑ってもう一度口を塞ぐ。
そのまま長く、深く。舌を絡ませながら、まるで試すように続けてしまう。
布団の下で、noobの指先はぎゅっとシーツを握り込んでいた。
(……だめだ、どうしよ……声、出ちゃった……起きてるって、気づかれた……?)
瞳を閉じたまま、noobの胸の奥は嵐のように波打っていた。
「……やっぱり、起きてるんじゃない?」
囁くように、けれど疑いを含んだ声。
すぐに答えが返ってこないことに、かえって胸がざわついた。
(……なら、確かめればいい)
思考がそう導くままに、再び深く口づける。
舌を絡め、唇を押し広げ、呼吸さえも奪い取るように。
もう声なんて出せないほど、息継ぎもさせないくらいに――。
「……っ……」
必死にこらえても、喉の奥からかすかな呻きが漏れてしまうnoob。
抵抗しようにも、肩を押さえられたまま、身動きがとれない。
eliotはそんな反応を敏感に受け取りながら、ゆっくりと唇を離す。
額を寄せ、荒い呼吸を混ぜ合わせるように囁いた。
「やっぱり……起きてた、よね」
暗闇の中、声だけが妙にやさしく響く。
だけどその優しさの奥には、確信めいた色が滲んで。
震える肩、早すぎる鼓動、かすかな声――全部が「起きてる」証拠だった。
「……そっか」
小さく笑って、eliot の声が低く落ちる。
「起きてるんだったら……もう、どうでもいいや」
次の瞬間、再び唇が重ねられた。
さっきよりもずっと強く、迷いのない口づけ。
舌を容赦なく差し入れ、喉の奥から音を塞ぎ取るように深く絡めとってくる。
「ん……っ……」
思わず漏れた声も、すぐに吸い込まれて消えていく。
必死に布団を握りしめる noob の指先が震える。
唇を離すことなく、呼吸すら奪い合うような熱に呑み込まれていく。
もう寝たふりなんて意味がなくて、ただ必死に受け入れるしかなかった。
唇がようやく離れたとき、額を寄せて、息を乱したまま eliоt が囁く。
「……止めないで。今さら、もう無理だから」
その声は優しさと、どうしようもない衝動の入り混じった色を帯びていた。