ttmn
殴り書きなので雑だし短いです
tt→→(←)mn って感じ
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「う〜ん…どうしたらマナくんは僕の気持ちに気づいてくれるかなぁ…」
「も〜…またそれぇ?」
ピーク時で騒がしい居酒屋の中、目の前で枝豆を摘んでいる僕の同期、赤城ウェンが苦笑する。それもそのはずだ、この話はもう20回以上しているんだから。
「確かに『マナくんを振り向かせようプロジェクトに是非ご参加ください』って急にメッセージ来たけどさぁ… こんな奥手なことある?」
「うぐ…仰る通りでございます…」
「ほら!やっぱ何事も積極的になんないとダメだよ なんかメッセージ送っちゃいなよ!」
「えぇ〜…?一応ホラゲの時とかなるべく引っ付いたり食べ物分けたりとかしてるんだけど〜…でも、確信が欲しいって言うかぁ…」
「え〜何、マナもテツの事好きになって欲しいの?」
「それはそうだけど!なんて言うか…う〜ん…好意に気づいてくれるだけで俺はもうスーパーウルトラ満足って言うか… 」
「自信ないだけじゃん〜」
思わず机に突っ伏して考える。
彼に対する気持ちに気づいたのはほんの数週間前。彼の立ち振る舞い、言葉遣いなど、見ているうちにどんどん俺の中でなんとも言えない感情が溜まっていった。
決して友情とは言えないこのドロドロとした気持ちを何とかしたくてウェンくんに相談したところ、「それもう好きなんじゃん」と言われた。21歳+∞の人生の中で決してホモになった記憶は全くない。謎の喪失感はあるが。
「 マナくんが俺なんかを好きになるかなぁ…そもそも恋愛対象って女性なんじゃないのかな」
「…まぁテツなら大丈夫っしょ!」
「絶対誤魔化したよね今?!なんとも言えないからそれ言ったよね?!」
「あは、バレた」
マナくんがホモ?いや…俺の記憶の中ではマナくんの恋愛対象は女性なはず。
うーん…と唸っているとウェンくんが思い立ったように手を叩き俺の肩を揺すった。
「やっぱ積極的に行くべきだって!ほらよくあるじゃん?僕これ好きなんだよねーって言ったら自分に言われた?!って脳が勘違いしてキュンってするやつ!アレやったらいいじゃん マナもキュンってするかもよ〜?」
「え〜〜〜…どう話しかけたらいいのかわかんないんだよね」
「マナくん○○好き?って話しかけて好きって帰ってきたら行きたいお店があって〜みたいな!お出かけできるし一石二鳥じゃん」
「あ〜!」
ウェンくんはウインクしながらそう言う。(いや出来てないけど)
「ほーら!僕隣で見てるから!送っちゃいなよ!」
「えっ今?!でも、…」
「でもだっては禁止で〜す。だってテツ僕が居ないと絶対送んないっしょ?」
「ハイ…その通りです」
グズグズとマナくんとのトーク画面を開きながら話す。見てみると彼もオンラインになって、今連絡したらすぐ既読になるのかなだとか通知見てうわって思われないかなだとかぐるぐると考えてしまう。
俺はもう何にも考えないように思考を放棄してウェンくんが作ってくれたテンプレ通りにヤケクソでメッセージを送った。
「お、送った…」
「いーねぇ、何送ったの?」
「えっと…、こ、これ…」
「ブッ、ゲホッ、ゴホ、ッな、何これ?!?!これ送ったの?!マナに?!ww」
ウェンくんは画面を見るなり飲んでたお酒を吹き出しそうになっていた。そ、そんなに酷い文章だったのかな…
「そ、そんなに笑う?!俺だって頑張ったんですけど!」
「いやだって…w『佐伯イッテツはお好きですか』ってwwヤバいヤバいお腹痛いw食べ物とかでしょ普通!w」
「え?そんなこと送ってな…送ってる゛ーー?!?!」
「無自覚?!?!」
「あっヤバいヤバい既読付いちゃったどうしよう助けて無理無理無理無理!!ああやばいあっつ!あっづぅ!」
「落ち着いてwwwほら…wねぇw」
あまりの動揺に出来たての唐揚げを落とした。熱すぎる…なんで俺だけこんな目に遭わなきゃならないんだ…
ウェンくんは笑いすぎじゃない?!人の不幸を笑って楽しいかこのヴィランめ!悪魔!鬼!
「あ、ねぇ返信きたよw あーっとぉ… 『急にどしたん 怖いんやけど』『まぁ好きやで?』…だって どう返すの?」
「雑モノマネすぎるでしょ…いや待ってちょ無理無理怖がられてんじゃんだって!無理だよもう!おしまい!俺の人生終わり!おしまい!!」
「僕の渾身のモノマネ馬鹿にされてない?
ま、終わってないから落ち着いてw えーっと?僕が言った寸法的に行くと僕も好きなんだよねって返して佐伯イッテツとデートしませんかって…wいうw」
「ああああ終わった完全に終わった どう返してもバトエンじゃんもう…俺の人生鬱アニメ過ぎるよ…クソ…」
「あーwもうちょっと見てらんないや!もどかしい!電話かけちゃうね?もう」
「えっ?!?!ちょっと待っ」
「いーからいーから、 いけるよテツなら」
「いやそれ適当だよねやっぱ?!」
『もしもし?』
「….」
終わった完全に終わった 絶対引かれてるよね急に佐伯イッテツはお好きですかとか言われて更に電話までかかってきて これ宗教?というかウェンくんは何勝手なことしてくれちゃってんの?!僕が奥手なの知ってるよね?!なんで『僕のことは気にせずおふたりでどうぞ』みたいな顔してるの?!
「あ、ああああえっ、えっとマママッママッマナナマナくん?」
『なになになに怖いってw脅されとる?さっきから 』
「違う違う違くって あのーそのーーー!あ、俺も佐伯イッテツ好きです!!」
『…????』
ヤバいヤバいどうしようなんも言葉出てこない!俺今何喋ってるんだどどどどうしよう!んでウェンくんは吹き出しそうになんないで?!ウェンくんがスマホ持ってるから笑いすぎてお酒の中に落としたら大惨事だよ?!
「あのー、あ、俺とどっか出かけませんか?」
『急やなwええよ?いつにする?』
「それは後々決めるっていうか、その、… ごめんね急に電話しちゃって?!魔の力が働いちゃって」
『急に厨二病? ええで別に声聞きたかったし』
「うん?!?!あ、はい ありがとうございます?! じゃあ、あの、また!予定合う日連絡して欲しい!じゃあ!ほなまた!」
『…??wおん? ほなまた?w』
「…ヤバいウェンくん!マナくんとデートする予定立てちゃった!日程決まってないけど!! どどどうしよう好きな人とお出かけとか俺人生で1回もした事ないよどうしようねぇ助けてヒーロー!!ウェンくん!!」
『え?好きな人?』
「え?」
「ごめんテツ、…まだ電話切ってなくて、…」
「…」
本格的に終わったマズい 電話切ったと思ったじゃん!!終わった!!!ヤバい今クソ寒い汗超やべーんだけど え?俺倒れる?好きな人バレして居酒屋で情けなく倒れるの俺?嫌なんだけど死因好きな人バレとか ヤバい 足ガックガク 生後0.5秒の子鹿なんだけど
『…テツ?その〜…好きな人って?』
「あぁぁぁぁこれはえっとその 乗っ取られて あのー第3の佐伯イッテツに乗っ取られたんです!!ごめんなさい!!」
『何を言うてんの? …ちゅーか!ウェンも居るんか?!今!』
「テツがマナくんを振り向かせようプロジェクトに是非ご参加くださいとか言うから居酒屋で飲んでるんだよ〜最近できた駅前の!」
『え!そこ気になっててん 俺も行ってええ?』
「マママママナくん?!?!なっなななんで?!」
「いーじゃん ねぇ! おいでよ〜待ってるよ第3の佐伯イッテツ(笑)と」
『ふwわぁった〜 じゃ今から行くな』
「ん!じゃーね!」
「あっ、うん!マナくんまた後で?!」
「…なななななんで切ってないの?!俺もう帰ったらモバイルバッテリーと入浴しよっかな?!それか充電器で首締めるべき?!」
「ごめんじゃん!!切ろうとしたらテツが喋り始めたからあ、まだ喋ることあるのかな?って思ったの!!ごめん!!!」
「いや、…俺が悪いけどさぁ〜…ってか今から来るの?!?!髪の毛とか何もセットしてないって!」
「大丈夫だよーそんな気にしてないって」
「俺が気にするんだって…!!」
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暫くしてマナくんが居酒屋にやってきた。
ヤバい気づいてないフリしてるけどほんとにヤバいというか何でウェンくんどさくさに紛れて俺の隣にマナくん座らせてるの?!うわいい匂いする〜…これがモテ男の香りか ヤバい俺心臓の音がすごい ビート刻んでる!!フロア爆上がりしてるってねぇ!!
「よーウェン!」
「あっ、マナ〜!お疲れ様!!」
「やっぱここ美味いん?何がおすすめ?」
「いやね〜全部美味しい!!これとかこれとか〜…あとこれも美味しかったよ」
「めっちゃあるやんwで〜…、テツはなんでそんな固まっとるん?」
「ハッッッ ごごごめんマナくんが可愛すぎて目で追っちゃったっていうかいつもきっちりしてるマナくんもすっごい素敵だけどこういうゆるいスタイルもすっごい可愛いというかちょっとオーバーサイズなのも可愛いし髪の毛跳ねてるのも可愛いしオフって感じで凄いいいなって あとすっごい俺にはよくわかんないけどいい匂いがして凄い素敵だなって!!!」
「おおおお凄い早口」
「…僕帰っていい?」
「えええっまってウェンくん置いてかないで!!死ぬ時は一緒に!!」
「服掴むな暑苦しっ!!大丈夫だってテツは〜 ほら、マナの耳赤いよ?照れてるんじゃん?行けるって!」
「え、あ、ほんとだ…」
「ちょっと?俺置いてコソコソ話とかいじめですかぁ〜?!」
「っあはは!ごめんごめん!マナには関係ない! じゃ 僕行くから!!これお金!!ばいばーい!」
「ウェンくぅぅぅぅん!!あぁ〜〜〜!」
裏切り者ォー!!!
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ウェンくんが帰ってからドギマギしながらも飲むなり食べるなりした。(全然喉通らなくてむせて咳しすぎて吐きかけたけども)
あとは帰るだけ、なのだが…
(どういう空気なの、これ…?!?!)
帰る方向が一緒で、でももう少し一緒に居たくて咄嗟に公園行こうって言ってベンチに座ったのは言いものの、何を話すかとか考えてなかった…
「マ、マナくん、その、…」
「ん?どしたん」
「あ、今日はありがとう?すっごい楽しかったよ!! それで、さ 俺、マナくんのこと好きで、 あっ 気持ち悪くてごめん… でも俺の気持ちには気づいて欲しくて!これは俺のエゴなんだけど… 」
「うぉ、急に言うんや?! その、..俺も好きやで?」
「….え??!?!??待って 冗談じゃないよね?冗談だったら全然泣きわめいて地べたで蠢くけど エイプリル・フール?弄ばれてる?マナくんってホモだっけ?」
「やかましいわ!! 今嘘つくわけないやろ 本当 ほんまはずっと隠しておこうと思ったんやけどテツが言うから…」
「えぇ…、え、横転していい?」
「なんでやねんw はいはい帰るで〜 …ほら、手 せっかくやし繋ごーや」
「えっっっっ い、いいんですか?!?!無理しなくていいんだよ?!」
「俺がしたいから言っとんねん! ! …ほら。駄目?」
「…駄目じゃない、です…. 」
え、これ夢じゃないよね?現実?現実世界?僕だけが見えてる脳内の世界とかじゃないよね?夢オチ?夢オチなんてサイテー!!
…とりあえずズボンで手を拭いてマナくんと手を繋ぐ。 マナくんの手は少し小さくて、暖かかった。
「な、今日俺ん家泊まりに来てや」
「え いいんですか?!でも俺寝れないよ?多分」
「ええよ オールでゲームぶちかますぞ!!」
「オ、オー!」
その後はマナくん家でゴロゴロしたりちょっとイチャイチャしたりひたすらゲームをした。(ウェンくんにはお礼とお詫びで居酒屋を奢った)
コメント
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こっちまでどぎどきするストーリーで面白かったです!やかましさが🤝そのものすぎて最高です!笑
コメント失礼します! 言葉選びとかが🤝過ぎて笑いながら見てました😊💕