テラーノベル
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今回短めです。視点がコロコロ変わります。
side:若井
涼ちゃんとマネージャー、そして元貴が別室で話し合いを始めてからかなり時間が経つ。マネージャーがついているから元貴と変なことをしないだろうがあの涼ちゃんだ。
気になって仕方がない。
「!!」
部屋の扉を開ける音がした為急いで振り返る。
「〜〜♪」
鼻歌を歌う元貴と、その陰に隠れるように…
「………っ///、っ♡」
うつむきながらふらふらと若干内股で歩いてくる涼ちゃん。
顔はよく見えないが耳が真っ赤に染まっている。
「…おかえり」
「っ!わ、かい、♡」
やっと顔を上げた涼ちゃんを見ると、息は上がり、耳だけでなく頬も紅潮し、目は潤み、首元は汗ばんでいる。
…正直に言って、エロい。
「…なんでそんなエロい顔してんの」
涼ちゃんの耳元で囁いてみる。
「…っ!?え、えろくないっ」
「んー確かに涼ちゃん発情期みたいな顔してるね、何でだろ?」
「も、元貴っ!?聞こえて…っ!?///、っ♡」
「…なあ元貴。涼ちゃんに何もしてないよな」
「何のこと?涼ちゃんに聞いてみれば?」
「……っ、」
「……涼ちゃん、なんで下向くの。」
「し、してないっ!してないからっ…」
「……ふーん」
「あー、若井。若井にも相談があるから向こうの部屋来れる?」
「…分かった、今行く」
「……で、相談って何?」
「………ねぇ、確認なんだけど涼ちゃん若井って本当に付き合ってるんだよね?」
深刻そうな顔で尋ねてくる元貴。
「何、今更。もちろん付き合ってるよ」
「だよね、実は…涼ちゃんのパソコンを借りたときにこんな動画を見つけてさ」
スマホの画面を見せてくる。
「………は?何これ」
そこには、男のズボンを自分から脱がし、陰茎を咥える涼ちゃんの動画があった。
しかもこのベッド…俺たちの家?
「僕も見たときびっくりしたんだけど。これって相手若井じゃないよね。だってまだ涼ちゃんとそういうコトしたことないし、しばらくはするつもりないって言ってたもんね」
「……………うん、違う。」
「じゃあさ、涼ちゃんさ……」
………浮気、してるんじゃない?
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side:若井
その言葉を聞いた瞬間。
心の奥底にあった恋人が浮気なんかするはずないと言う疑念が確信へと変わった。
あーーー、笑えるわまじで。
あんな雲の上から落ちてきたみたいな純粋無垢で優しさの塊みたいな天使が実は男好きの淫乱小悪魔だったんだからさ。
しかもそれにまんまと騙されて浮気されてさ?
…もう一度、俺だけを見るように躾してあげる
「…元貴ありがとう、教えてくれて」
「涼ちゃんのこと虐めすぎるなよ」
「……分かってる」
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「ねえ、若井……っ、ん♡、なんで今日途中から目合わせてくれなくなったの…っ」
「さあ、なんでだろうね?自分の心に聞いてみたら」
そう言いながら若井は僕を抱き抱えたまま器用に家の玄関を開けると寝室まで大股で進んでいく。
「わか、な……っ、うぁっ!!んぅっ♡」
ベッドに雑に投げられると、今朝のよりも短くされた鎖で再度ベッドに固定される。
「わ、わかい…?怒ってる?」
「……怒るに決まってるでしょこんな動画見たら」
若井のスマホには…僕が元貴のモノを無理矢理舐めさせられた時の動画が映っていた。
な、なんで若井がこの動画もってるの!?
「な、なんでその動画…っ」
「元貴が教えてくれた。涼ちゃんが他の男と浮気してるんじゃないかって。ねぇ、この相手誰?俺よりこいつが好きなの?」
「い…いえないっ」
「……………は?」
だって、無理矢理舐めさせられた相手が元貴だって若井が知ったら…!大好きな2人の間に亀裂が入ってしまうかもしれない。
それに、元貴にはあの写真と動画を何をきっかけにネットに流されるかわからない以上、ここで僕が若井に本当のことを伝えて事を荒立てるわけにはいかない。
「………い、いえないよっ」
「ふーん……あ、そう。じゃあ自分から言うまでお仕置きだから。」
「や、やだっ、!若井、こわい…」
「うるさい」
「っ!?、んっ、んんぅーー!」
若井に僕の鼻を摘まれたまま貪るようなキスをされる。息、できな………っ!
「っ!!!ん!んぅーーーー!!!!」
若井の胸板を押しのけようとするもびくともしない。
「っ、!……………ん゛ぅ………っ、っ……」
く、苦し………っ、、死、んじゃ………
意識が遠のきかけた瞬間、キスから解放される。
「……ぷはっ!、!!はぁーーっ、はぁーーっ!、!!」
息、もっと吸わないと
「はぁーっ!はぁっ!ひゅーっ、ひゅ、かひゅ、ふ、は、はぁっ、かひゅ、はぁっ」
「過呼吸になってんの?かわいいね」
「ひゅ、かひゅっ、!?!?んうぅっ!!」
息を整える間もないまま、また鼻を摘まれたまま激しいキスをされる
「ん゛ぅーーーっ、!ん゛ん゛っ!!!」
全力で若井を押しのけようとするもまた上手くいかず、視界がぼやけてくる。
「ん゛ん……、、!………!!っ、…………」
あ、、も、だめだ、………。
「…、…………………………………」
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side:元貴
僕は涼ちゃんが好きだ。だから嘘をついた。
若井に見せた涼ちゃんがアソコを咥えてる動画だって、この前僕が無理矢理咥えさせたやつだ。
涼ちゃんのメールに捨てメアドでハメ撮りを送ったのだって僕だ。
あの写真で2人が別れてしまえばいいと思った
あの日、キーボードのアレンジに困ってると言って涼ちゃんを僕の家に呼んだ日。
ココアに強力な睡眠薬を仕込んだ。
涼ちゃんが眠っている間に僕は自分のモノを勝手に挿入し腰を振って中出しをした。
最低だと、自分でも自分を軽蔑した。
でも、ずっと繋がりたいと思っていたはずなのに、虚しさばかりが募る一方で。
僕はこんなにも涼ちゃんの事を想っているのに、涼ちゃんの眼中に僕はいない。
僕はこんなにも涼ちゃんの事を想っているのに、涼ちゃんは僕の手をとることはない。
もちろん、親友として、バンドメンバーとして大切にされている自覚はあるが。
それだけでは満足できないほど、涼ちゃんの事を好きになってしまった。
だから嘘をついた。
2人の事は家族同然に思っているし、思われている自信がある。だからこそ悲しかった。
3人でひとつの筈が、2人と1人でひとつになってしまった気がして。
2人には幸せになって欲しいのに、2人の関係が崩れてしまえばいいと思う自分がいる。
だって、このままの2人と1人の関係性に僕はどうしても耐えられそうにない。
僕だって、僕だって。
…若井と同じくらい、涼ちゃんが好きなのに。
コメント
7件
今回も素敵です!投稿頑張ってください!性癖が歪みそうですw
待ってました!!今回の話も面白かったです!若井さんのドS最高✨️
うわぁこっからどんな展開になるんだろー!✨ どっちかと結ばれて終わるか、それとも3人で結ばれるか…… どちらにしろ続きが気になりすぎる💗