テラーノベル
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一番愛してる人は若井で。
一番友達として好きな人は元貴で。
僕が2人に向ける特別な感情は、種類が違うだけでその重さは同じ。
同じくらい大切であり、大切にしてくれる人。
死ぬまで同じ舞台で一緒に音楽を奏でたい人。
例え僕たちの曲を聴いてくれる人が誰1人いなくなったとしても、若井がギターを弾けなくなっても、元貴が歌えなくなっても。
ずっとそばにいたい。
濃密な年月を共に過ごしてきた僕達は、バンドメンバーや親友なんて枠を超えた形容し難い関係性で。
だから、だから。
僕のせいで2人の仲に亀裂が入るのだけは。
3人で積み上げた物が崩れるのだけは。
…若井と元貴は本当はあんな事する人じゃないはずだって、信じてるから。
きっと僕のせいで魔が差しただけ、気の迷いなだけ。
………僕が我慢して丸く収まるなら、僕は。
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DAY4
「……ちゃん、りょ……ん…」
…誰かが僕の名前を呼ぶ声で脳が覚醒していく感覚を覚える。頭が重い。
「……っ、…ぅ゛……」
「あ、起きた?」
「っ!、!?」
体を動かそうとするも一切動かせない。
な、何これ……っ!?
「状況が飲み込めないんだ?かわいーね、涼ちゃん」
目覚めたのはベッドの上。
さっきまで着ていたはずの服が床に散乱している。
僕の体は1本の赤く頑丈な縄で網目状にきつく縛られていて、縄は僕の股の間も通っている為貞操帯がくい込んでいる。
腕も後ろ手で縛られているので動かす事が出来きず、縄を解こうと身を捩ると余計体が縄で締め付けられて痛みを感じてしまう。
「亀甲縛り。まぁ浮気相手とやったことあると思うけど。あー本当エロい、、犯したい」
「や、たことないっ…、から!わかぃ、解いて、苦し…っ、」
「無理」
「おねが、痛いから…っ」
「無理」
「わかい…っ」
「…無理」
「やだっ!も、きもちこと、やだ…っ!!やめて…っ、おねが、します、わかいぃ…、きもちいいの、いやっ…、」
「はぁ、無理無理。そもそも浮気した涼ちゃんが悪いんだから涼ちゃんは俺の言うことだけ聞いてればいいの」
「ん゛ぅっ、ぁ、あ…っ、やだ、やめっ…!いたっ…!」
お尻の上のあたりから出ている縄の端を上に持ち上げ、僕の腰を強制的に浮かせられる。腕を縛られている為抵抗もできず、必死に震える膝と肩で体を支えて縄と貞操帯が食いこまないようにする他になす術がない。
「あーあ、可哀想な涼ちゃん」
「やっ…おねが、お、おろして…っ、やだ…」
「…でもココ、反応してて貞操帯の中でギチギチになってるけど?淫乱だから痛いのもイイんでしょ?」
「っ!!、きもち、くないっ…から、やめっ…」
「嘘つき」
腰だけを高くあげる姿勢にさせられた僕は恥ずかしさと屈辱感に込み上げてくる涙を、下唇を噛んで必死に堪える。
「…ねぇ。浮気相手誰?俺の知ってる人?俺とはえっちなことしてなかったのにそいつとはしてたんでしょ。俺よりそいつの方が好きってこと?俺よりも大事な存在ってこと??」
「っ!若井だけっ!!若井だけだから…!」
「は、仮にそうだとしたら浮気なんかするはずないじゃん。セックスの仕方だけじゃなくて嘘のつき方まで教わって来たんだ?」
「ちがっ…!!」
「で、誰?浮気相手」
「…っ、………、」
「…………あ、そ。なら言いたくなるまでお仕置だから」
「!?あ、あっ、わかぃ…っ!なにして…っ!!ぁ、♡はなし、きいてっ…!」
「……無理」
若井は暴れる僕を軽々と肩に担ぐと、大人が余裕で入れる大きさのクローゼットに僕を押し込む。
「ちょっとこれは刺激が強すぎるかもしれないけどまあ頑張ってね」
「あ、ちょっ、やだ、やらっ!!」
素早く貞操帯の前が外されたかと思うと、抵抗する間もなく筒の内側の奥にローターを入れてまた装着される。
元々そんなにスペースに余裕は無かったのに、ローターを先の部分に入れられたせいでより中で圧迫されてしまう。
先端に押し付けられた無機質なものに自分の体は無意識に期待し我慢汁が糸を引いて床に垂れてしまっていることに気づき、こんな状況下でも反応を示す体に対し自己嫌悪に陥る。
「スイッチ入れたらどうなっちゃうんだろーね。涼ちゃん先っぽ弱いもんね?」
「や、め…っ、おねが、とって…っ!」
「んー、浮気相手教えてくれたら考えてあげるけど」
「……っ」
「…はぁ。ほんと、涼ちゃんてたまに頑固な時あるよね。お仕置これだけじゃまだ口を割りたくならないってこと?」
「、?ぁ、ちょっ!み゛っ!!?あ、ぁっ!!?なに、して…っ!やめっ!!ひっぱらないで……っ!!ぁ♡」
若井は僕のお尻の上のあたりから出ている縄の端を掴むとクローゼットのポール部分にかけて、滑車で引き上げるかのように僕の身体を吊るし始めた。
「い、いたっ…、!いたい、から、わかぃ!!おねがぁ…、んぁ♡」
「うわ、想像してたよりも大分エロい…視覚的にめっちゃくるわ、これ…」
「おねがっ、ぁあ♡、おろし、てぇっ!!」
ギリギリつま先が床につくかつかないかくらいの高さであるため必死に床に体重を分散させようとつま先立ちをするが、貞操帯がくい込んでいることによってより奥が刺激されて快楽を拾ってしまい、足に力が入らない。
「ふ、ふぅ゛ーっ!ふ、ぁ♡、はぁ、はぁ゛っ…ん、♡」
震える足を叱咤して必死に爪先立ちで耐えようとするが、快楽のせいで体が言うことを聞かず焦燥感で視界が潤み出す。
「こっちも忘れてない?」
ローターの電源を入れ弱に設定される
「、ぅあ!?あ、あっ♡やめ、きもちっ…♡
はぅ…♡♡」
「ローターに先っぽ虐められて気持ちいね?」
「んっ、ん♡いたっ♡や、切ってっ…」
「俺だってこんな我慢してるんだから、涼ちゃんもちょっとくらい我慢しなよ」
「ひぅ…!?」
何か熱く固いものを後ろに押しつけられ、それが若井のズボンの内側で主張する下半身だと理解すると同時に腰が無意識に前に逃げてしまう。
「逃げんなよ」
腰を強く掴まれて後ろに引かれたと思うと、下半身を円を描くように擦り付けられたり軽く押し込み腰を振る動作をされて、布越しではあるとはいえ変な想像をしてしまう。
「んぅ♡や、やめっ…、恥ずか、し…からぁっ」
「泣きそうじゃん、耳真っ赤でかわい…笑」
「……っ、」
「…じゃ、浮気相手が誰か言いたくなったら呼んでね♡それまでそこでお仕置きだから」
「へ、?ぁ♡ま、まって…!!やだ、ぁ♡やだ!!」
「あ、もっと気持ちよくなりたいって?しょうがないなぁ」
「あっ!?ぁ♡んっ、ん♡やめ、!わかぃ、わかいっ…!」
若井はローターを中に設定するとクローゼットの扉をしめ吊るされたままの僕を放置してどこかへと行ってしまった。
「はぁ゛っ、ぅあ♡、はーっ、はぁっ♡あ、あ♡や、やら!とめっ……!わかぃ、わか…っ♡」
助けを懇願する僕の声は、狭く暗いクローゼットの中で冷たく響くだけで、扉の外へ届くことはなかった。
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side:若井
抵抗する涼ちゃんを無理やりクローゼットに閉じ込めて1人リビングに移動する。
ソファに深く腰掛け、前屈みになり頭を抑えてため息をつく。
最低だ、俺。
………さっきの涼ちゃんの目が脳裏に焼き付いて離れない。
あの、寂しそうな、悲しそうな色を孕んだ目。
これ以上一緒にいると涼ちゃんにもっと酷いことをしてしまいそうで。
なんとか自分を理性で抑えられるうちに1人で頭を冷やしたかった。
………本当は初めから気づいてた、涼ちゃんが俺に話したい話があることは。
涼ちゃんは本当に顔に全部出るから分かりやすい。そういうところも好きだけど、今回ばかりは違う。
涼ちゃんが何か言いたそうな顔をするたびに俺は心を締め付けられる。
だって、その話はきっと俺たちの関係を終わらせるものだから。
だから俺は涼ちゃんにその話をさせないように必死に逃げ続けている。
まともに喋れない状況にしたり、一方的にこちらから質問をして話を逸らし続ければその話を聞かなくて済むから。
俺は嫌がる涼ちゃんにこんなにも酷いことをして傷つけているのに、涼ちゃんは俺のことを傷つけない。それどころか、自分を傷つけている張本人に助けを求めて縋ってくる。
…そーゆー無自覚なお人よしなところが他の男を堕とすんじゃないの。
悪いやつにも目をつけられるんじゃないの。
愛想を振り撒かず、俺だけに優しくあればいいのに。俺以外の奴なんか視界に入れて欲しくないのに。
…ねぇ、涼ちゃん。俺はこんなにも涼ちゃんのこと愛してるよ。涼ちゃんは違う?
早く浮気相手を聞き出して俺の方から相手に釘を刺したい。
涼ちゃんは俺の大事な恋人だから手を出すな、と声を張り上げて言いたい。
…ふと自身の下半身が目に入る。
こんな状況下でも涼ちゃんに興奮しているのも事実で。そんな自分に嫌気がさす。
デビュー当時からは体重は増えたとはいえ、まだまだ細い体。自分と同じボディソープのはずなのにいい香りのする触り心地の良い肌。
性的な事は今まで経験が無かった純粋な涼ちゃんの下半身にガッチリと黒革と金属製の貞操帯という大人の玩具が装着させられている様は、そのコントラストが目と心臓に悪い。
「…くそっ」
ズボンから性急に自身を取り出し、手で上下に刺激する。
「は、ぁっ……ぅっ……」
目を閉じて、涼ちゃんを押し倒し自身を挿入している様子を想像しながら扱きあげる。
浮気相手は涼ちゃんと最後までやっているのに恋人の俺はまだ想像の中だけで止まっているのは皮肉で、惨めだ。
「………っ、ぅ…」
先端を親指で重点的に刺激すると、元々限界が近かった俺はどうしようもなく射精感が高まり透明で粘度のある液体が溢れ出し指と裏筋を伝う。
「は、ぁ…っ、涼ちゃん、涼ちゃん…」
動かす手を早め自身を絶頂へと導く。
「ぅ…!ぁ、でる、イく……っ!!………っ!!!…………………はぁ、はあっ…はっ」
自身の手に吐き出された精液を素早くティッシュで拭き取るとソファに横になり天井を見上げる。
「…………はぁ、」
……ねぇ、涼ちゃん。
どうやったら俺のことだけ見ててくれる?
コメント
10件
話だけでも聞いてあげて…(泣)信じてあげてよ、若井…
神作😭