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コメント
5件
続編ありがとうございます‼️ ちゃんと帰ってきてくれて良かったです😭😭かのんくんが甘えてるの可愛かったです🤦🏻♀️💖次も待ってます‼️
やっと続編😭😭😭😭 無事帰って来れてよかった🥹🥹🥹 ほんとにほんとに楽しみにしておりました!! 次もめっちゃたのしみです🥹💖
ああ、もう……このエピソード、胸がぎゅうっとなりました……。かのんがるい様を待つ日々の、あのじんわりと痛むような不安と、帰ってきたときの安堵と、そしてあの距離感……! お守りを握りしめるシーン、涙をこらえる声、全部がリアルで苦しくなるほどでした。でも、再会してからの「あと少しだけ」って言うかのんと、それを受け止めるるい様の優しさに、涙が出そうになりました。最後の口づけのシーンは、もう、言葉にできないほど甘くて切なくて……さちこさん、本当に素敵な物語をありがとうございます。次の話も楽しみにしています。
翌日、城内はるい様の遠征の話で持ちきりだった。
「なぜ、あのような危ない場所へ……」
「今回は、かなり厳しいらしい」
皆が口々に話す中、俺は一人、浮いたようにそこにいた。
胸元に手を当てる。
そこには、るい様から預かったお守りがある。
触れるだけで、胸が苦しくなった。
家臣「お前、顔色悪いぞ……大丈夫か?」
K「え…?……あぁ、大丈夫…」
不安な気持ちが顔に出てしまっていた。
ゆっくりと深呼吸をする。
けれど、気持ちを整えるどころか、自分がまともに呼吸できていなかった事に気が付いてしまった。
唇を噛む。
くよくよ考えていては駄目だ。
るい様が命を懸けて遠征に向かっている。
ならば俺も、ここで自分のやるべきことをやらなければ。
仕事中は余計な事を考えないように、ただ身体を動かし続けた。
K「…疲れた…」
長い一日が終わり、自室へ戻る。
布団に倒れ込むと全身から力が抜けて動けなくなった。
お守りを手の中に握りしめる。
祈るように目を閉じた。
るい様は今晩どこに泊まっているのだろうか。
何事もなく辿り着いたのか。
ちゃんと休めているのか。
…るい様……。
答えの出ない問いを出し続けている内に、いつの間にか眠ってしまっていた。
ー翌朝。
K「…ん…」
目が覚めるなり、るい様の顔が浮かぶ。
少し、散歩しよう…。
身体を動かしていないと、頭の中が煩くなる。
外へ出ると、澄み切った朝の空気が鼻の奥をツンとさせた。
寒い…。
袖口に手を隠し、腕を組む。
気づけば、前にるい様と歩いた庭へ足が向いていた。
K「あっ……」
白い花が、一輪だけ咲いている。
るい様が好きだと言っていた花だった。
足を止め、その前で屈み込む。
指先でそっと花弁を撫でると、瑞々しさが伝わってくる。
K「…綺麗」
帰ってきたら、るい様に教えてあげよう。
ほんの少しだけ、胸の奥の重さが取れた気がした。
仕事場へ入ると、昨日よりも雰囲気が軽かった。
何気なく耳を傾ける。
「遠征は上手くいっているらしい」
その言葉が耳に入った。
他にも何か話していたようだったが、俺にはそれだけで十分だった。
良かった。
るい様は、ちゃんと進んでいる。
きっと大丈夫。
それから、何度目かの朝を迎えた。
同じように起きて、仕事をして、帰る。
るい様を待つ日々にも、少しずつ慣れてきた。
もうすぐ、帰還の日だ。
るい様が無事に戻ってくる姿を思い浮かべながら、今日も仕事場へ向かった。
けれど、その日はどこかざわついていた。
何だろう。
気になる。
けれど、聞きたくない。
そんな矛盾した気持ちを抱えたまま立っていると、家臣の声が聞こえた。
「若様、怪我されたらしい」
K「……え?」
「命に別状はないようだが……」
それだけだった。
どのくらいの怪我なのか。
どんな状況だったのか。
何も分からない。
胸元のお守りを、強く握りしめる。
K「……ふぅ……っ」
吐き出した息が、震えていた。
るい様なら大丈夫。
そう何度も自分に言い聞かせた。
翌日が帰還の日だった。
それなのに。
いくら待っても、るい様たちが門をくぐることはなかった。
一日。
また一日。
帰還の予定日を過ぎても、知らせはない。
命に別状はない。
そう聞いている。
では、なぜ帰ってこないのだろう。
考え始めると、頭の中に次々と浮かんでくる。
怪我の程度は?
まだ動けないのだろうか。
また何か、別のことが起きたのではないだろうか。
答えはどこにもない。
るい様の部屋の前を通り過ぎる。
いつもなら、この時間にはここで余暇を過ごしている。
何気なく話して。
笑って。
同じ時間を過ごして。
いつの間にか、それが日常になっていた。
足を止める。
もし、戻ってきてくれたら…。
今ならーー
もっと、もっと大事に過ごせるのに。
帰還予定日から何日か過ぎた。
お守りを胸に抱える。
今日こそ帰ってきますように…。
書物に目を通しながら、ちらりと外に目をやる。
日が暮れてきた。
るい様が居ないまま、また今日一日が終わっていく。
すると、廊下から慌ただしい足音が聞こえた。
家臣が落ち着きない様子で部屋に入って来る。
家臣「若様がお戻りになりました…!」
重臣「分かった、すぐ向かう」
るい様の部屋番が後に続いていくのを、ただ呆然と見つめる。
戻って来たーー。
その言葉が、どうしても現実のものとは思えない。
きっと、この目でるい様のお姿を見るまでは、信じられないのだろう。
もし、今夜会えたら…。
部屋に訪ねるところを想像して、息が詰まる。
あんなに会いたいと願っていたのに…。
るい様を一目見たら、崩れてしまうかもしれない。
それが怖かった。
そして、なかなか仕事が捗らないまま、夜を迎えた。
仕事中、るい様からの呼び出しを伝えられた。
それからは、ほとんど手が止まっていた。
気持ちの整理をするのに精一杯だった。
再び呼吸を整えて寝処に向かう。
部屋の前まで来る。
障子の向こうから明かりが漏れていた。
その向こうに、るい様がいる。
戸に伸ばした手が震えている。
K「…失礼いたします…」
部屋へと踏み出したものの、足元の感覚がどこか遠かった。
R side
K「…失礼いたします…」
戸の向こうからかのんの声が聞こえた。
だが、いつもの凛とした声ではない。
小さく掠れたような声だった。
部屋に入ってくる。
ずっと会いたかったその姿。
R「…っ」
かのんを見てはっとした。
少し痩せたか…?
一見、いつもと変わらない、けれどよく見れば顔色が悪い。その姿を見て胸が苦しくなる。
かのんが膝を揃えて座り、頭を下げた。
K「……」
そのまま、なかなか顔を上げない。
肩が少し震えている。
その身体は最後に会った日よりもずっと小さく見えた。
R「…どうした…?」
かのんの肩がぴくりと反応する。
K「っ…るい様、おかえりなさいませ」
慌てたように顔を上げたかのんと、やっと目が合った。
穏やかな笑顔を向けられている。だが、瞳の奥は戸惑ったように揺れていた。
R「…すまなかった」
きっと、沢山心配をかけた。
かのんは口を固く結び、困ったように首を横に振る。
少し間が空き、かのんが口を開いた。
K「……腕の怪我…まだ痛みますか?」
左腕のほとんどがまだ包帯で巻かれている。
かのんが心配そうに見つめる。
R「あぁ…もう大丈夫だ、利き腕じゃなくて良かった」
かのんを安心させたくて少し笑う。
K「…額は…?」
かのんが眉間に皺を寄せる。
額にはできたばかりの傷。
少し切れて小さなたんこぶになっていた。
R「あぁこれか…」
城下町に入って、城が見えてきたと安堵した時だった。
どこからか石が飛んできて額に当たったのだ。
ここでの生活を良く思っていない者は沢山いる。
仕方の無い事だ。
R「心配ない、大丈夫だ」
多くは説明しないほうが良い。
もう、余計な心配をかけたくなかった。
K「…っ」
すると、かのんがふいに俯き、膝に置いていた手をぎゅっと握る。
その手を見つめたまま、何も言わなくなってしまった。
どうしたのだろう。
R「…かのん?」
K「……っ…大丈夫、大丈夫って…」
かのんの呼吸が震える。
K「そんな…はずないのに…、…俺って…そんなに頼りないですか?」
着物を握っていた手に、さらに力が籠る。
R「いや、違う…」
K「……遠征の前の夜も……何も……言ってくれなかった…」
かのんの声が次第に細くなっていく。
そして、胸元のお守りをぎゅっと握る。
K「…こんな大事な物、置いていって……」
そこで、かのんが言葉に詰まってしまった。
けれど、その言葉の奥にあったものが、痛いほど伝わってきた。
ポタ…ッ…
かのんの膝に一粒の涙が落ちる。
そして、かのんの身体が小さく小さく丸まっていく。
K「……っ……」
涙を必死に堪えているのが分かった。
その身体に手を伸ばす。
抱き寄せようとすると、かのんがこちらへ身体を預けてきた。
R「かのん…悪かった」
K「…っ……う…っ……」
かのんの震える背中を撫でる。
R「頼りないなんて…思ったことは一度も無い…」
遠征中、何度もかのんの顔が浮かんだ。
R「お前がいるから…生きて帰りたいと思えた」
以前の俺だったら、簡単に諦めていたかもしれない。
けれど今は違う。
帰りたいと思った。
かのんのいる場所へ。
かのんが腕の中で小さく頷く。
どのくらいそうしていたか分からない。
次第にかのんの呼吸が落ち着いてきた。
廊下の灯りがふっと消え、部屋の灯りが小さな蝋燭だけになった。
消灯の時間だ。
いつもだったら、かのんは慌てて部屋を出ていく。
だが、腕の中にいるかのんは少しも動かない。
ただ、静かに呼吸を繰り返している。
R「かのん?」
名前を呼ぶと、かのんの腕がゆっくりと背中に回ってきた。
K「…るい様……あと…少しだけ…」
背中に回った手が着物をきゅっと掴む。
R「…っ」
途端に鼓動が強くなった。
かのんの身体を抱き直し、首元に顔を埋める。
ずっと欲しかった体温に、安堵したような息が一つ漏れた。
K side
部屋が暗くなるのを感じた。
…消灯した… 帰らなければ。
でも、今るい様から離れたら、また会えなくなるかもしれない。
怖い。
そう思って、身体が動かなかった。
…離れたくない。
るい様の胸に置いていた手を背中に回し、着物を軽く掴む。
許してくれるだろうか…。
K「…るい様……あと…少しだけ」
ほんの少しでいい、一緒に居たい。
すると、さっきよりも強く抱き寄せられた。
首元にるい様の熱い息がかかる。
次第に、るい様の鼓動がはっきり感じ取れるようになってきた。
身体も、ほんのり熱い。
もしかして、具合でも悪いのか。
そう思って、顔を上げた。
K「…っ…」
顔色を確認しようとして、息が止まった。
鼻の先が触れそうなくらい、近い。
K「…申し訳ありません…っ…」
身体を離そうとした。けれど、引き留められてしまう。
顔が近いまま、るい様の熱を帯びた視線に捕らえられた。
R「…かのん、会いたかった…」
切なげな声。
そして、度々目にしてきた、泣きそうな顔。
俺もずっと、るい様に会いたかった。
心臓の音が煩い。
呼吸が浅くなる。
るい様の指先が、顎をそっと持ち上げる。
端正な顔がさらに距離を詰めてきて、耐えられず目をぎゅっと瞑った。
るい様の微かな呼吸を間近に感じる。
K「…っ…」
そう思った瞬間、唇に柔らかい感触を感じた。
優しく触れるような口付け。
るい様の唇から熱が伝わってくる。
頭の中は真っ白だった。
でも、触れた所の心地が良い。
そうしていると、るい様が唇を少し開いた。
…チュ…
下唇を軽く吸われる。
途端に身体が熱くなった。
そしてまた、啄むように口付けられる。
こんなの、心臓が保たない。
K「…っ…!!!」
ッ…チュプッ
ふいに顔を逸らした。
そのせいで、音を立てて唇が離れる。
R「……嫌だったか……?」
俺は必死に首を振る。
でも、それが嫌ではないーーと必死に訴えかけているようで益々恥ずかしくなってしまった。
R「じゃあ…もう一度…」
るい様の口の端が上がる。
反応を返す間もなく、今度はすぐに唇が重なった。
るい様の着物をぎゅっと掴む。
そうしていないと耐えられなかった。
チュ…チュッ…
繰り返せば繰り返すほど身体が熱くなっていく。
K「ッ…んふ…ッ…」
あ、だめだ…。
身体に力が入らなくなって、頭がるい様の胸の上にずるりと落ちた。
頭がぼーっとする…。
頬も、身体も、まだ熱い。
そんな俺を見て、るい様が柔らかく笑う。
R「今夜はもう…早く休め」
その言葉、本当は俺が言わなければいけないのに。
また、心配をかけてしまった。
R「ちゃんと食事も取れ」
K「…はい」
るい様の手が頭を優しく撫でる。
そして、名残惜しいようにそっと身体を離した。
ゆっくりと、視線を合わせる。
すると、るい様が柔らかく微笑んだ。
R「また明日」
K「はい…また、明日」
胸の奥が、じんわりと温かくなる。
そう言い合える事が、こんなにも幸せだったなんて。
今、ちゃんと知った気がした。
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