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朝方、羅刹学園へと戻って来た一行。
全員が心身ともに疲労困憊だった故、生徒たちには2日間の休息が与えられた。
だが華厳の滝から戻った翌日…
生徒が皆休んでいる中、鳴海はただ一人高円寺の地に立っていた。
“八咫烏壊滅” たった一言送られてきた連絡を見た鳴海は羅刹に戻ることなく華厳の滝から直で杉並区に飛んできた。
高円寺に向かう道すがらある程度のことを聞いた鳴海は現在会議室にて生き残った隊員とミーティングをしていた。
「隊長!オレはまだやれる!!だから前線に戻してくれ!!!」
「紅亜はん、冗談言うのんはやめてくれへん?隊員の半数行方不明の今、あんたが身勝手な行動すると困るんどすえ」
「でも!」
「そやけどとちがう。あんたの行動ひとつで人死ぬんやで」
「…っ」
生き残った隊員である天乃はまだ行けると言ったが杉並区を任されているのは花山院なので何も言い返せなかった。
「…行方不明なのは?」
「愛執はんと縫依はんが行方不明どす。それ以外の隊員は死亡報告はあるんやけど亡骸は帰ってきてまへん」
「縫依も行方不明か…」(※弟)
「オレがいながら縫依を助けてやれなかった…オレのせいだ。悪かった…」
そもそもの話、杉並区に配属している鳴海直轄の部隊隊員はかなり激しめに訓練されているのにも関わらず4名を残して全員殉職してしまった。
話を聞いた時から違和感を感じていた鳴海は最優先事項から片付けることにした。
「最優先事項は行方不明2名の捜索と救助並びに殉職隊員たちの遺体回収。これは紅亜が先頭に立って進めて。」
「はい」
「戦闘は極力避けるように。今回は事が事だから獄卒を収集した。」
「獄卒!?アイツら呼んだのか!?」
「文句は言えないよ。手が空いてるのがあの2人だけなんだから」
獄卒とは直轄部隊とは別に設けた部隊。人体に対してスペシャリストとも呼べる鬼2人が所属している。
「獄卒の2人と合流出来次第さっきのやつは進めてよし。柚は援護し「失礼します」
「言ったそばから来たね」
部屋に入ってきたのは獄卒の名を拝命している2人、鳴海の実妹の舞蝶とスカウト組の逆廻。
「お久しぶりです鳴海隊長」
「お久」
「鳴海お兄様に呼ばれる日が来るなんて舞蝶感激ですわ!」
「喜ぶのは後回しにしてさっき連絡した事とは別に調べて欲しいことがあるんだけど」
「?」
「裏切り者の可能性について」
鳴海の言葉にその場の全員が凍りついた。
「裏切り者って…」
「そんなんって…あるんどすか」
「…」
「可能性としては捨てきれないですわ。移動中に確認した資料の中に不可解な事も記載されていましたし」
「…鬼機関の中でも血触解放を含めた能力の掲示は基本してない八咫烏の能力を知った上で的確に対処したかと」
「スパイがいるってことか?」
「解釈としては間違ってないよ」
「裏切り者にこの会話を聞かれてる前提で話すけど、逆がこれは担当して」
「吾輩が?」
「人とお話するのは得意分野でしょ?」
「!…分かりました隊長」
裏切り者捜しは逆廻が担当しそれ以外は行方不明者捜索と遺体回収となった。
「あ、俺の服ある?」
「ここに」
「さんきゅ」
八咫烏専用の服に袖を通し腕章を着ければあっという間に八咫烏隊長の出来上がり。
「そういえばさっき淀川さんが呼んでましたよ」
「真澄くんが?」
「くちもり?たちと顔合わせするとかなんとか」
“くちもり” という言葉を聞いた瞬間持っていたペンをへし折った鳴海。
「え…」
「お兄様にそれは禁句ですわ」
「隊長、朽森はんのこと好かんさかいね」
「…ちょっと行ってくる」
「行ってらっしゃいお兄様」
こうして残ったメンバーに見送られ部屋を後にした鳴海であった。
会議室を出て別の空き部屋の前に着いた鳴海
扉の前には淀川が立っており、鳴海に対してとある注意をした。
「…わかってるとは思うがあれはやるなよ」
「何が?」
「紫苑には極力近づくな」
「へ?」
「お前紫苑と折り合い悪いだろ。だから近くに寄るな」
「寄ってくるのはあっちだよ」
「だとしてもだ。毎回毎回投げ飛ばすなよ。ただでさえ今忙しいってのに仕事増やすな」
「…」
「なんだその不満そうな顔は」
「べつに」
「…」
「…」
「はぁ…」
ため息をこぼした淀川は、さっさとドアを開けて行ってしまう。 鳴海もまた後に続くのだった。
部屋の中では、2人の人物がイスに座って待っていた。
1人は顔の傷と首の刺青が特徴的なイカつい見た目の男。
そしてもう1人は丸いサングラスをかけ、口にはチュースティックをくわえたチャラそうな男であった。
無駄な争いを避けるべく、鳴海は言いつけを守って少し距離を取る。
「お疲れ様です!真澄先輩!鳴海先輩!」
「お疲れ」
「おっつ〜」
「お疲れ様っす。おっ、鳴海先輩もいんじゃん」
「お前はそれ以上近づくな。鳴海、落ち着け」
「頭に当てればホームランだっけ」
「それは野球だ」
「落ち着いてください鳴海先輩!羊羹食べますか?!」
「…食べる」
「食べるんだwww」
間にいる淀川を気にすることなく、イスに座ったままそう言ってヒラヒラと鳴海に手を振る朽森。
やっぱり生理的に受け付けない朽森を見て嫌悪を抱く鳴海。
百鬼は2人の仲がさほど良くないのは知っているためさりげなく間に入り仲裁をした。
簡単な顔合わせが終わると、鳴海はさっそく仕事に取り掛かるべく部屋を出た。(代打で花山院を置いた)
見送った3人と代打の花山院は早速追加の打ち合わせを始めるのかと思いきや…
鳴海ガチ恋勢の朽森がいるため鳴海の話題を避けることは難しかった。
「いやー、今回もダメだったかぁ」
「いつもだろ」
「いつもやん。 あそこまで毛嫌いされてるのにようめげへんわなあ、あんた」
「そう?」
「諦めるんだな。アイツは無陀野一筋オンリーワンの鬼だ。」
「悲しっ」
「1回機嫌悪い時にちょっかいかけてデストロイ事件にまどした事あるのにめげへんね。あんた」
そう言った花山院の顔は呆れ果てており学生時代の鳴海と朽森の仲の悪さが目に見えて分かることだろう。
そして流れを切り替えるように、百鬼が改めて先輩へと声をかけた。
「真澄先輩。鳴海先輩の能力については俺らにも情報入ってるんすけど、やっぱすごいんすか?」
「すげぇよ。あいつがいなかったら、俺の右足は今頃義足だ」
「マジっすか。そりゃ桃に狙われるわけだ」
「まっ、ここにいる間は俺が守るけどな」
「お前は近づくなっつったろ」
「そう言われると逆に燃えますね」
「…でも鳴海先輩ってもう前線復帰してんすよね?身体鈍ってるだろうし危なくないっすか?」
「あいつが鈍ったまま復帰するように見えるか?」
そうして淀川は、華厳の滝で起きた事について話して聞かせる。
先遣隊として突入し疲労困憊の中休むこと無く杉並区まで来たことを。
「八咫烏の中から死者行方不明者が出てる以上アイツが出ないとダメなんだとよ。それにあいつビタミン剤ODしてるから過剰に刺激すんなよ。死ぬぞ」
「了解!」
「てことは~きっとご無沙汰だろうし、誰にもバレずに部屋連れ込むこともできるってことっすね」←それで過去に投げ飛ばされてる人
「…今後背後に気ぃ付けて生活する羽目になんであんた」
「殺す気満々じゃんかよぉ。冗談だって〜」
「よし!じゃあそろそろ本題入ります!」
百鬼の一声で鳴海に関する話は一旦収束した。
先輩・後輩・同期…
新旧の羅刹学園生総動員で、杉並奪還へと動き出す…!
オマケ
Q.なんで鳴海は紫苑の事が嫌いなの?
A.幼少期のトラウマを踏み抜いてる紫苑の性格が8割、目上に対する言葉遣いがなってないのが2割(現在は花山院のおかげである程度の会話はできる)信頼はしてるけど尊敬はしてない
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